教育のプロが教える、感情に任せて子供を怒るのがよくない理由




苫米地式認定コーチ、TICEコーチの高嶋芳幸です。

子供をお持ちの方であれば、ものすごい剣幕で怒鳴りつけてしまったことが一度や二度はあるのではないでしょうか。

もしかしたら、そういうことが日常だという方もいらっしゃるかもしれません。

結論から言えば、感情に任せて子供を怒ることはよいことではありません。

感情に任せて怒ることが子供に与える影響と、どのようにして怒りと付き合っていくかについて書いてみたいと思います。

ちなみに、部下を持つ上司、生徒を指導する教師などのように、人を導く立場の人たち全員にとって役に立つ内容になっていると思います。  

感情に任せて怒ることがダメな理由

なぜ子供を感情に任せて怒るのがだめなのか、その理由を考えてみます。

親が何に対して怒るかといえば、子供にそうなってほしくないことに対してであるはずです。

たとえば、テストの点が悪かったとします。 そして親はそのことを怒りました。

「なんでこんな点数をとるの!」と。

このとき親は、テストで悪い点をとってほしくないと思って怒ったはずです。

ということは、少なくとも普通の点か、あるいは良い点をとってほしいと願っているはずです。

しかし、このような怒り方をすればするほど、親の願いとは裏腹に、ますます悪い点をとってしまう可能性が高くなります。

だからこそ、そうなってほしくないことに対しては感情に任せて怒ってはならないのです。

 
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メカニズム

なぜテストの点が悪いことを怒るほど、子供はテストで悪い点をとるようになると言えるのでしょうか。

そのメカニズムについて説明します。

情動記憶

強い感情を伴った出来事の記憶のことを「情動記憶」といいます。

たとえば、仕事で失敗して焦った記憶や、恋人に捨てられて絶望した記憶、あるいは志望校に合格して大喜びした記憶などがそれにあたります。

だだし、情動記憶として残りやすいのはネガティブなものの方が多いのです。 これは、人間の脳が失敗を強く記憶するような仕組みになっているからです。

ブリーフシステム

情動記憶として脳に刻まれた記憶は、やがてその人のブリーフを形成していきます。

ブリーフとは、日本語で言えば信念であり、その人のものの見方や考え方のことです。

そして、そのものの見方や考え方が寄り集まってできあがったものを、「ブリーフシステム」といいます。

ものごとを判断したり、感じたり、考えたりという認知作業や活動は、すべてこのブリーフシステムを通して行われます。

たとえば、その人の中に「コーヒーは苦くてまずいものだ」というブリーフが出来上がっていたとします。

そうすると、その人はいくら目の前に挽きたての薫り高いコーヒーを出されても、顔をしかめて拒絶することになります。

コーヒー好きの人によってはたまらない状況であっても、そう反応するのです。

この例からわかるように、ブリーフシステムは自我そのものであり、その人がどんな人間であるかをあらわすものであるといえます。  

自分は勉強ができないというブリーフシステム

子供のテストの例に戻って考えてみましょう。

親が怒りながらテストの点が悪いと指摘することは、子供に強烈な情動記憶を植え付けます。

テストの点が悪くて怒られて恐怖した、という情動記憶です。

その結果子供の中には、自分はテストで悪い点を取る人間なのだというブリーフが出来上がっていきます。

そのブリーフはその他のブリーフと結びつき、やがてブリーフシステムの中に「自分は悪い点を取る人間なのだ」という信念がしっかりと根付くことになります。

人間はブリーフシステムに基づいて認知作業や活動を行うと書きました。

このようなブリーフシステムができあがることで、子供は自分がテストの点を取れないのだという視点から世界を眺めることになります。

これはちょうど、自分はテストの点が取れないというメガネをかけて生活しているようなものです。

そうすると、現実にテストで悪い点を取るような行動ばかりはじめます。 これは考えてみると当たり前で、その子供の目にはテストの点を良くするための方法が見えていないからです。

恐ろしいことに、普通にしているつもりの行動が、すべてテストの点が悪くなるような行動になってしまうのです。

例えば、算数が出来ないというブリーフが出来上がっている場合を考えてみます。

算数ができるようになるかどうかは、やり方や公式をどこまで理解できるにかかっています。

ところが、算数ができないというブリーフがあると、ほんとうはそんなに大した労力ではないのに、その理解はできないものだと拒絶してしまいます。

また、場合によっては、そのような本質的な理解を認識することすらできなくなります。

結果としてやり方や公式を丸覚えするようなやり方に陥り、良い点をはなかなか取れないということになってしまいます。

このように、感情に任せて怒るほど、子供は親が望まないような人間になってしまうのです。  

それでも子供にイライラしてしまう人は

ここまでの説明を理解していただいた上で、それでも怒りたいという親がいるとしたら、それは自分自身の問題であると認識すべきです。

怒りという自分の感情をコントロールすることをせず、指導とかこつけて怒るのは、厳しい言い方をすれば親の八つ当たりです。

これでは子供がかわいそうです。

とはいえ、親自身も心からそういう状況を望んでいるわけではないでしょう。

親は怒りという感情をどのようにコントロールしていけばいいのでしょうか。  


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どのように怒りをコントロールしていくか

ここでは、怒りをコントロールできるようになる方法を、ふたつほど紹介します。

1:脳の仕組みを知り、論理的な介入をする

ひとつめの方法は、怒りに対して論理的な評価をする習慣をつけることです。

怒っている人間の脳は、知性を司る前頭前野よりも、感情を司る大脳辺縁系の働き優位になっています。

大脳辺縁系に含まれる海馬と扁桃体という器官が連携プレーを行い、過去の嫌な記憶を引っ張り出し、増幅させ、いま目の前に起こっている現象に対して怒りを発生させます。

注目すべきは、前頭前野と大脳辺縁系はどちかひとつしか優位に働かないという事実です。

つまり、大脳辺縁系が働きそうになったときに、前頭前野を働かせることによって怒りを鎮めることが可能であるということです。

前頭前野を働かせるとは、物事を論理的に考えることに他なりません。

ということは、怒りが湧いてきたら、即座にその怒りを論理的に考えて処理をすれば、怒りが鎮まっていくということです。

たとえば、子供が兄弟げんかをしていた様子を目撃して、思わずカッとなったとしましょう。

いつもであればその怒りにまかせて怒鳴り散らしていたかもしれません。

しかし、そのときに、その怒りを冷静に吟味していく習慣をつけるのです。 この時に、自分自身の怒りと、怒りを発生させた状況を合わせて評価するとよいでしょう。

この怒りはいままでのものと比べてどのくらいか、兄弟のどちらに非があるのか、どのような言葉をかけてやるべきなのか、自分の怒りをぶつけることが正しいことなのか、同じ事態をおこさないためにはどうすればいいのかなどなど、論理的に評価していきます。

そうすれば、大脳辺縁系よりも前頭前野が優位な状態にシフトチェンジしていくので、怒りの感情は収まっていきます。

いざという時にそうするのは難しいという場合は、普段から怒りの湧きそうな場面(あるいは怒ってしまった事実)を思い浮かべ、それを分析していくトレーニングをするとよいでしょう。  

2:怒りをマネジメントできる状態をゴールにして、アファメーションを唱える

二つ目の方法は、怒りをしっかりとマネジメントできる状態をゴールにして、そのリアリティを高めていくという方法です。

リアリティを高めるために、アファメーションを利用します。

アファメーションとは、自分の望ましい状態を作っていくための肯定的な言葉のことです。

肯定的な言葉を毎日唱えることで、親自身の脳内に出来上がった「怒りっぽいというブリーフシステム」を「冷静に対処できるというブリーフシステム」へと変えていくことができます。

たとえばこの場合だと、以下のようなアファメーションが適切でしょう。

「私はどんなときも冷静に子供に接することができている。子供と過ごす毎日の中でどんどんとポジティブな感情が高まっていっている」

重要なポイントは「怒らない」などという否定形を用いないということです。

《*アファメーションの正しい作り方はこちらを参考にしてください→「あなたを成功に導くアファメーションの作り方」》  

まとめ

この記事では、感情にまかせて子供を怒ることがよくない理由と、怒りをマネジメントする方法について解説しました。

怒りは論理的に評価することで鎮まっていくということと、アファメーションを用いて冷静な自分の状態を作ることが、その方法でした。 

参考にしていただけると幸いです。

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