コーチングの理論で考える失敗しない転職の仕方


 

 

苫米地式認定コーチ、TICEコーチの高嶋芳幸です。

転職をするかどうかという点で悩んでいる人はとても多いように感じます。

実際に、仕事を変えようか迷っているという相談がよく寄せられます。

この記事では、転職を繰り返しながらも成功した人の事例を用いて、転職への正しい考え方を説明たいと思います。  

転職を迷う理由

転職を考える人の多くは、現状に不満があるはずです。 満足しているのならば転職しようと思わないからです。

職場の人間関係や待遇が納得いかないので、職を変えたいと考えはじめます。

ところが、いざ転職を真剣に考え始めると、躊躇してなかなか行動、決断ができないようです。

この理由は大きく二つ考えられます。

以下、順番に考えてみましょう。

1:うまくいくのかが不安

第一に、その転職が果たしてうまくいくのか、という不安があります。

転職をした結果がどのようになるのかは本来わからないものです。

実際に論理で突き詰めて考えれば、うまくいく理由もうまくいかない理由も同じだけ想定できます。

ところが多くの場合、どうしてもうまくいかない想像が強く働いてしまいます。

人間は失敗を生命の危機と勘違いしてしまうからです。

これは動物だった時代からの名残です。

本当に生命の危機と関わるかどうかは別として、転職に際して不安にフォーカスしてしまうのはそういった理由があるのです。

2:コンフォートゾーンの力

第二に、コンフォートゾーン(comfortzone)の現状を維持しようとする力があります。

コンフォートゾーンとは安心できる領域のことでした。

本来であれば、コンフォートゾーンは生物にとって必要なものです。

ところが恐ろしいことに、自分にとって望ましくない状態でも、それに慣れることによってコンフォートゾーンになってしまいます。

一度コンフォートゾーンができてしまえば、そこから離れるのが不安で仕方がなくなるわけです。

職場に対して不満たらたらなのにもかかわらず、そこを飛び出して新天地を探すということがなかなかできないのはそのためです。
 

転職における成功とは何か

ところで、転職における成功とは何なのでしょうか。

それは、満足度の上昇であると考えられます。

満足度とは、待遇や社会的意義の満足度のことです。

新しい職場の満足度がそれまでの職場の満足度よりも上だとすれば、その転職は成功だったといえるでしょう。

次の項では、実際に転職を繰り返し、満足度をあげていった人の例を紹介したいと思います。  


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転職を成功させた事例

今回具体例として取り上げたいのは以下の記事です。

「ニートから自動車整備工を経てベイエリアの世界的企業へ。自称・社会不適合者の河野十行氏が語る、プログラマーがキャリアを作るということ」 この記事の主人公である河野さんは、サンフランシスコ・ベイエリアのソフトウェア企業で働いています。

ニートの身から自動車整備工として働き始め、転職を繰り返し、やがては誰もが知っている世界的企業のエンジニアとして活躍するに至りました。

外から見てもキャリアアップの好例といえますし、河野さんの「現在の職場であれば長く働いてもいい」という発言からもわかるように、本人の転職における満足度も高いと考えられます。

その意味で、河野さんは成功の定義を満たしているといえます。 そこでこの例を用いて、なぜ河野さんには満足度を高める転職が可能だったのを分析してみたいと思います。  

コーチング理論を用いた分析

1:ゴール設定

河野さんの発言や発言をもとにした記述を引用してみます。

世界の成り立ちを自分なりに知りたくて図書館にこもったが、ニーチェを読んでも、ウィトゲンシュタインを読んでも、大江健三郎を読んでも、自分の生きている世界とは別物のようにしか感じられなかった。

 

「こんな仕事をしていても、とにかく新しいことを知るのが好きというのは変わらなかったんです。(略)」

 

「僕の目標はちょっと抽象的なんですが、一部の人にしか知り得ないことを知りたいという欲求が強いんです。(中略)世の中にはものすごく努力した人にしか知り得ない世界というものがある。僕はそれが知りたい」

  このように、河野さんは一貫して「私たちの生きるこの世界について知りたい」という行動原理を持っています。

別の箇所も引用してみたいと思います。  

「行き当たりばったりに生きてきました。それでも本質は外していなかったのではないかと、今にして振り返れば思います」 河野氏の言う本質、それは、社会で生きていくのなら人の役に立つことをすべきであるという信念だ。

  この記述から、河野さんのもうひとつの行動原理が「人の役に立つべきである」ということであるとわかります。  

ここで大切な観点は、上記二つの河野さんの行動原理は、いずれも大きなゴール(goal)そのものであるということです。

大きなゴールが維持され、それをより満たすのはどのような状態かという観点で河野さんは転職を繰り返しました。

これが河野さんが転職で成功した第一の要因です。

さきほど、満足度は待遇や社会的意義であると書きました。

もちろんそれらも大切なことなのですが、最も重要な満足度とは、設定されたゴールに近づくことができたのかどうかということなのです。

  《*ゴールの設定の仕方に関する記事はこちら→「コーチング理論から考える正しい目標設定の方法」》  

2:コンフォートゾーンを飛び出す

ゴールを目指して転職を繰り返し、大変な職場を経験する中で、河野さんは働きやすい環境を手に入れます。

ところが、ほどなくして退職してしまったそうです。  

「Rubyでの開発に携わりたくて入った万葉という会社は、非常に居心地が良い環境でした。(中略)でも2年くらい働いて、自分から辞めました。あまりにも居心地が良すぎる気がしたんです」

  居心地が良すぎるから、退職したという驚くべきことを語っています。

また、そのことに関して河野さんは次のように話をしています。  

「人は本質的に、慣れた環境を変えることを嫌がります。でも、そうした環境が自分の成長を疎外しているケースもある。そのことに自覚的でありたいと思っているんです。(略)」

河野さんは直感的にコンフォートゾーンの仕組みを理解していたようです。

慣れた環境を飛び出すことが大変であるということ、そして、そのことがゴール達成を阻むことです。

河野さんはここでは成長を阻害するという言い方をしていますが、これはゴールに向けての成長と理解できるでしょう。

このように、コンフォートゾーンの危険性を理解し、あえてそこを飛び出すことが河野さんが転職で成功してきた第2の要因であると考えられます。

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3:エフィカシーを維持

きちんとゴールを設定し、コンフォートゾーンを飛び出すことを繰り返す。 そのことが転職を成功させる秘訣です。

行為としてはたったこれだけのことなのですが、実際にはなかなかできるものではありません。

上にも書いたように、人間はどうしても不安に目を向けてしまうからです。

どのように考えればいいのでしょうか。 記事を引用してみます。  

(略) 「その時ひらめいたんです。変えようがないことをあれこれ言っても仕方がないと。ある意味であきらめがつきました。でも一方で、自分が努力することで変えられることはある。だったら自分の力で人生を良くしていこうと思えたんですね」 環境に対して文句を言うだけの人は、自分の力では人生は変えられないと思っている。良くなってくれたらと願うだけで、自分から働きかけようとしない。 河野氏はこの時を境に、自分の力で自分の人生をどれだけ良くできるのか試してみようと思うようになった。


河野さんは、自分の力で人生を変えられるはずだと考えました。

その確信はエフィカシー(efficacy)であると言えます。

エフィカシーとは、ゴールを達成するための自己の能力の自己評価のことでした。

河野さんはこのエフィカシーを持った結果、実際に行動をとり、転職を成功させました。

もちろん、転職に際して感じる不安に対し、徹底的に考え抜いてリスクを回避することは大切です。

ですが、論理的に考えていけばリスクはいくらでも想定できてしまいます。

ということは、最後はどうしても無根拠に成功できると考えることが必要になります。

高いエフィカシーを維持できていたことが、河野さんが転職を成功させた第3の要因です。

  《*エフィカシーの上げ方に関する記事はこちら→「自分に自信が持てない人のための処方箋(基礎編)》  

まとめ

いかがでしたか。

あなたが転職を本気で考えるのなら、未来どうなっていると幸せなのかというゴールを考え、そのゴールに近づけるような会社を転職先とすること。
そして、そのゴールを必ず達成できるという無根拠な自信、つまりエフィカシーを持ち続けることが重要です。
 
それらをふまえた上で転職をすれば、きっと満足度の高い結果が得られるはずです。
 

参考にしていただけると幸いです。


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