本音を言えない人のための心理学


 

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苫米地式認定コーチ、TICEコーチの高嶋芳幸です。

先日、堀江貴文(ホリエモン)氏のインタビュー記事を目にすることがありました。  

堀江貴文氏「なぜみんな本音を言わないの?」それで失うものは、大したものではない  

本音を言えない人間関係に悩んでいる人に対し、本音を言うことで議論が深まるメリットがあることを述べ、そうすることで壊れてしまうような仲はそもそも必要ないのでは、と主張しています。

これはまさにその通りです。

本来ならば意見と人格を分けて考えられるのが成熟した大人であるはずでしょう。

にも関わらず、意見に対して過度に感情的になったり、あろうことか本音で語ることを封殺するような空気を作り出しているケースが多く見られます。

これでは、本音が言えなくて苦しむ人が生まれるのも無理もありません。 とはいえ、本音で意見が言えない人のほうに問題がないわけではありません。

その人の心の中には、本音で意見を言ってはいけないという特有の癖があり、その結果、本音が言えなくなってしまっている状況があるからです。

つまり、自分で自分を苦しめているという見方もできる、ということです。

そこでこの記事では、本音で意見を言うことができない人のマインドを明らかにした上で、どのように自己改造していけばいいのかについて書いてみたいと思います。  

 

本音で意見が言えない人の例

私がかつて働いていた職場で起こったことです。

その職場で出会った彼は頭も良く、正義感の強い男でした。

その意味で、非常に真っ当な感性の持ち主であったと言えます。

ところがその職場は、勤務超過は当たり前、給与体系はあやふやといった、今でいうブラックな企業でした。

さらに悪いことに、職場内では、そういった間違ったあり方を仕方のないものとして受け入れ、負担をいかに分け合うかという空気が出来上がっていました。

先に触れた彼はそういった空気に我慢ができなかったようですが、一方で非常に気を使うところがあったためか、いつまでたっても自分の意見を言うことができない状況が続きました。

そして、彼はついに感情を爆発させ、職場の上の人間とぶつかってしまいました。

その時はなんとかとりなしたものの、その後も我慢しては爆発してぶつかることを何度か繰り返し、やがて職場を去って行きました。

わたしは、彼と個人的にうちとけていたところがあったため、なんとも言えない気分になったことを覚えています。

 

本音を言えないデメリット

以上の話は、本音を言えないタイプの人が陥りがちなひとつのパターンです。

本音が言えない場合、その人は本当は嫌なことを受け入れてしまっている状態です。

嫌なことを永遠に受け入れ続けることは難しいでしょうから、どこかでそのしっぺ返しが来ます。

先ほど紹介した彼は、自分の感情を抑制できなくなり、トラブルを起こしてしまうという形でした。

人によっては、そのままどうしても本音を外に出すことができず、精神を病んでしまうこともあるでしょう。

そもそも、本音を出さないことにメリットはあるのでしょうか。

確かに、本音を出さないことにより、他人との対立を避け、一時的には何事もなく物事が進むこともあるでしょう。

しかし、厳しい言い方をすれば、それは単なる問題の先送りです。

本音を言いにくいからといって、目の前にある問題を解決することから逃げているという見方もできます。

そう考えると、結局のところ、長期的には嫌なことに対する自分の我慢が増え、いいことはひとつもないと言えるのではないでしょうか。

 

一番恐ろしいデメリットは

もっと広い視野で本音が言えないことの問題をみてみましょう。

本音を言うことができない相手は、何も他人ばかりではありません。

自分自身に対しても本音が言えない状況がありえます。

自分は本当はこうしたいという思いがあるのに、なんだかんだと理由をつけて本音をごまかし続けることは多くあります。

コーチングの重要な概念にゴールがあります。

ゴールとはいわば、その人の究極の本音であり、心から達成したい目標、夢のことです。

本音を言えない人は、対外的に本音を言えなくて生じるデメリットに加えて、自分自身に対して本音を尊重することができず、結果的にゴールを目指す人生を失ってしまいます。 このことは、主体的な自由意志に基づいた人生を失ってしまうことを意味します

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ブリーフシステムとは

本音が言えない人の脳の中を覗いてみましょう。

ブリーフシステムというコーチングの概念があります。

これは、その人が無意識のうちに行っている判断や行動を決定する仕組みのことです。

人は様々な経験をしながら大人になっていきます。

その過程の中で、強い情動を伴った体験をします。

その結果出来上がった記憶を情動記憶といいます。

たとえば子どもの頃に、「あなたは本当に忘れ物が多いわね……」などと親から言われたことはないでしょうか。

また、「うちの子は本当に頑固で言うことを聞かないんです」などと親が言うのを聞いた覚えはありませんか。

そして親の発言に対し、不快な情動を味わったとしましょう。

一度や二度であれば、すぐに忘れてしまうだけです。

ところが、そのような経験が何度も繰り返されることにより、「自分はそのような人間なのだ」という信念が出来上がってきます。

このような信念が寄り集まり、だんだんとブリーフシステムを作っていくのです。

 

ブリーフシステムはその人そのものである

ブリーフシステムとは、いわば信念の束であり、その人がどういう人間であるかそのものです

先ほどの例から考えてみましょう。

さんざん「あなたは忘れ物が多い」と言われて嫌な思いをしながら育った子どもはどうなるでしょうか。

不快な情動とともに蓄積された記憶は、やがて「自分は忘れ物が多いのだ」という信念となり、その人のブリーフシステムに組み込まれます。

ブリーフシステムは過去の記憶の集積であり、その意味で人は、昨日までのブリーフシステムによってその人は生きのびてきたと考えることができます。

だからこそ、できるだけ生体をリスクにさらさないために、明日以降もそういったブリーフシステムに従った考え方、行動を無意識のうちにとってしまいます

「自分は忘れ物が多い」という信念が強烈に出来上がっていると、ブリーフシステムを維持するために、忘れ物が多い自分にふさわしい行動をとってしまいます。 こ

のように、わたしたちのブリーフシステムは、わたしたちの無意識の判断や行動すべてに関わり、それゆえ、ブリーフシステムはその人そのものであると言えるのです。

 

ブリーフシステムは理想の自分とは関係がない

過去の記憶をもとに出来上がったブリーフシステムが厄介なのは、未来の理想の自分にふさわしいかどうかとは直接は関係がない、という点です。

たとえば、あなたの理想の状態が、すみずみまで細やかに意識が行き届いた、忘れ物とは程遠い人間だったとしましょう。

ところが、あなたのブリーフシステムは、簡単にはあなたがそうなることを許してくれません。

頭では「忘れ物なんかとは程遠い自分がいいんだ」と思っていたとしても、体は「いやいや、忘れ物だらけの自分で昨日までとりあえず生きてきたじゃないですか、ここは安全にそのままでいきましょうよ」と、言うことを聞いてくれないからです。

事実、先の例にあげた彼も、私に対して「我慢して最後に切れるパターンばかりだ。いつもそうだ。ほんとうは穏やかに本音を伝えられる人間になりたいんだけど」とこぼしていました。

彼の頭の中には、「自分は本音で語ることができない、語ってはいけないのだ」という強烈な信念があり、望ましい自分であることが阻まれるようなブリーフシステムが出来上がっていることがわかります。

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ワーズ、ピクチャー、エモーションがブリーフシステムを作り上げる

ブリーフシステムを別の側面から見てみると、ワーズ、ピクチャー、エモーションの三つの要素によって構成されていることがわかります。

ワーズとは言葉のことであり、ピクチャーとは映像、エモーションとは情動のことです。

不快な情動記憶をきっかけにブリーフシステムが出来上がっていく場合は、必ずこの三要素を巻き込んだ形になっています。

嫌な記憶を言葉によって再現し、映像と情動をのせてリアルに追体験してしまうということです。

「自分は忘れ物をしやすいのだ」という言葉を心の中でつぶやきながら、忘れ物をするシーンを思い浮かべ、憂鬱になるといった感じです。

このように望ましくないブリーフシステムは、ネガティブな記憶を材料にしながら、ワーズ、ピクチャー、エモーションを総動員した繰り返しの結果出来上がっていくのです。

 

ワーズ、ピクチャー、エモーションを逆向きに使う

さて、例に出した彼のように、望ましくないブリーフシステムが出来上がっている場合にはどうしようもないのでしょうか。

そんなことはありません。

望ましい自分にふさわしいブリーフシステムを作り上げていけばいいのです。

望ましいブリーフシステムを作り上げるためには、望ましくないブリーフシステムがワーズ、ピクチャー、エモーションから出来上がっているというカラクリを逆向きに使っていけばいいでしょう。

まず、あるべき自分の姿を先に設定します。

そしてその状態を記述するような言葉を考えます。

同時に、そういった自分であればこうなっているだろうという映像的なイメージを想像し、自分の中にあるポジティブな情動とともに味わいます。

なんだか聞いたことのあるやり方だな、と思われるかもしれません。

そうです、この作業こそまさに、アファメーションなのです。

アファメーションとは、ワーズ、ピクチャー、エモーションを総動員して、ブリーフシステムを望ましい状態へと再構築し直す作業そのものであると言えます。

アファメーションの詳しい解説は、以下の記事を参考にしてください。

『あなたを成功に導くアファメーションの作り方』

 

アファメーションの注意点

さて、一生懸命アファメーションをやっているのだがなかなか効果が出ないという話をよく聞きます。

そのような場合に考えられる可能性は二つあります。

一つは、アファメーションのやり方を間違っている可能性です。 この場合は、先に紹介した記事をよく読んでもらうとして、ここでは触れないでおくことにしましょう。

ここで強調したいのは、もう一つの可能性です。

アファーメーションの絶対量が圧倒的に足りていない可能性です。

よく考えてみて欲しいのは、あなたの中に出来上がっているブリーフシステムの歴史はどのくらい長いのかということです。

極端な言い方をすれば、あなたのブリーフシステムは、あなたが生まれたその日から何十年もかけて今の形になっています

だとすると、一週間や一ヶ月くらいアファメーションを唱えたくらいでは、なかなか変化を実感できないのも無理もないでしょう。

それこそ、毎日何年も唱え続けるくらいの覚悟で行ってちょうどいいと言えます。

道を歩いていても、ご飯を食べていても、お風呂に入っていても、トイレに入っていても、ひたすら理想の自分に合致したアファーメーションを唱え続けるのです。

ずっと声に出しながらだと、この人はおかしくなったと周囲から心配されかねませんので、心の中で強く念じるだけでもよいでしょう。

とにかく、そのくらいしつこく、徹底的にアファメーションを行うことで、間違いなく効果が実感できるようになっていきます

なかなか本音を言うことができないあなたも、やがて堂々と自己主張ができるようになった自分に気がつくはずです。

 

まとめ

本音が言えない人は、本音を言ってはいけないというブリーフシステムが出来上がっているということでした。

ブリーフシステムを変えるには、ワーズ、ピクチャー、エモーションを強く喚起するアファメーションの技術が有効であるということでした。

参考にしていただけると幸いです。

 

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