恐怖や不安をあおりながら「人助けしてる」と言い張る人たちへの傾向と対策


苫米地式認定コーチ、TICEコーチの高嶋芳幸です。

いきなりですが、


「この文章を一度読み始めたら必ず最後まで読んでください。

さもなくば、あなたの人生にとって良くないことが起こるでしょう」

 

と、この記事が始まったとしたらいかがでしょうか。

そしてこう続きます。

 

「私のこの記事を最後まで読めば、良くないことを回避することができます」

 

ある人は、

「なんだ馬鹿馬鹿しい」

と記事を読むのをやめてしまうかもしれません。

 

しかし、ある人は、

「えっ、まさか」

と思いながらも、うっすらと恐怖、不安を感じてしまい、先が気になり、読み進めてしまうでしょう。

このように恐怖や不安には人と引き摺り込む力があるのです。

 

残念なことに、本来なら人を救うべき役割の人間が、相手の恐怖や不安といった情動につけ込み、巧みにコントロールして相手をいいなりにさせるという事態が世の中には存在します

そこでこの記事では、その実態、メカニズムを明らかにし、そういった脅しでのコントロールからどのように身を守ればいいのかについて書きたいと思います。

 

脅して人を助けようとする人たち

世の中にはたくさんの職業があります。

その中でも、人間同士が向かい合い、一対一で心身の深い部分から関わっていく職業といえばなんでしょうか。

教師、カウンセラー、セラピスト、占い師、医者、ヒーラー、気功師、整体師などなど、上げていけばきりがありません。

あるいは、牧師、神父、僧侶といった宗教家もありますし、広い意味では親もそのような職業の一つかもしれません。

もちろん、私の職業であるコーチもそこには含まれてくるはずです。

さて、私自身コーチとして、そのように人と深く関わるような活動をしていると、表にはあまり出ない色々な話を耳にする機会が多くあります。

その内容は、こういった職業の中で、恐怖や不安で脅し続けるような関わり方が横行しているというものです。

改めて上記の職業を見てみればわかるとおり、それらが共通して担う役割といえば、相手をハッピーにすることでしょう。

それぞれの持つ知識と技術を活用し、相手の何らかの悩みを解決してあげたり、体の不調を整えてあげたり、より高いパフォーマンスが発揮できるようにしてあげたりします。

つまるところこれは、相手をハッピーにすることに他ならないわけです。

ところが、そういった役割を持つような上記の職業の中で、恐怖や不安を用いて相手を脅し、意のままにコントロールしようという悲しい関わり方をしている人がいるという話を聞くことがあります。

これは大変な問題であるといえるでしょう。

実際、相手は今よりハッピーになりたいからそういう人達と関わることを決めたのに、かえって特定の恐怖や不安に縛られ、相手のいいなりになってしまい、心身の自由を損なってしまったというケースが多くあるのです。

 

臨場感とは何か

恐怖や不安によって操られてしまうとき、私たちのマインド(脳と心)にはどのようなことが生じているのでしょうか。

少し理論的に考えてみましょう。

まずは臨場感という概念について説明します。

臨場感とは、まるでその場に身を置いているかのようなリアルな感じのことをそう呼びます。

「身を置いているかのような」わけですから、臨場感が高いとは、単なる形だけの空想ではなく、強い情動を伴う体感を全身で味わっている状態です

臨場感を理解するための一番わかりやすい例は、目の前に生じている物理的な世界です。

この文章を書いているのは真夏なので、外に出ればセミの鳴き声が聞こえ、太陽の光が皮膚をチリチリと刺し、どこまでも抜けるような青空が広がっています。

その際には、懐かしい気分になったり、イライラしたり、清々しい気持ちになったりと、さまざまな情動が湧き上がります。

まさに臨場感たっぷりに「真夏」を感じているわけです。

まさにリアルな「真夏」の中に身を置いていることを実感できるでしょう。

臨場感という概念が理解いただけたでしょうか。

 

臨場感の高い仮想世界が現実となる

ところで、脳の進化の結果、人間は物理的に目の前に広がっている世界のみならず、情報的な仮想世界に対しても臨場感を感じることができるようになりました(実は物理的に目の前に広がっている世界ですら仮想世界の一種であるということがわかっているのですが、ここではその議論には立ち入りません)。

最近は「ポケモンGO」が流行していますが、こういったゲームなどは仮想世界の典型でしょう。

そのような仮想世界に対しても、人間は「リアルな感じ」を維持することができるのです。

また、仮想世界は事実上無限に想定することができます

ポケモンGOの世界も想定できますし、自分が大金持ちになっている世界もそうですし、あるいは、自分が犯罪者になっている世界だって想定できます。

そのいずれに対しても私たちは臨場感を感じることができるわけです。

 

ところが、私たちがそのどれもに対して臨場感を同時に持つかといえば、そうではありません

なぜなら、臨場感を感じている仮想世界の整合的な全体は一つしか持ち得ないからであり、矛盾するような臨場感の仮想世界を同時に選ぶことは不可能からです。

例えば、大金持ちな自分と貧乏な自分の仮想世界に対する臨場感を同時に維持することはなかなか難しい、ということです。

  さて、このときの整合的な全体のことをゲシュタルトといいます。

人間は可能性としての無限の仮想世界から、ある秩序をもったまとまりとしてのゲシュタルトをひとつ採用しています。

その採用基準はいったいなんなのでしょうか。

それは、さきほど説明した臨場感の強度です。

複数の臨場感が強い仮想世界が選ばれ、それらが矛盾せず、全体として秩序をもったゲシュタルトとなると、実際にその人はそういう世界を生きることになります

まさにそれが現実となるということです。

現に、「ポケモンGO」をスマートフォンで歩きながらプレイすることで、あわや大事故というケースが多発していると聞きます。

これなどは、目の前に車がビュンビュン走っている世界よりも、ポケモンGOの仮想世界の方が臨場感高く、その人のゲシュタルトの中では車は無いも同様ということでしょう。

本来なら、目の前を高速で車が通りすぎれば体がビクッと反応するはずなのですが、それよりも「ポケモンのレアキャラを見つけて嬉しい」の臨場感のほうが強いわけです。

その際のゲシュタルトには、車が目の前を通り過ぎるという事実は含まれず、ないも同然になってしまいます(ただし、無意識の深い部分ではその存在を感じている可能性は高いですが)。

このように、強く臨場感を感じた仮想世界が、その人にとっての現実世界になってしまうわけです。

ただし、もしその人が車にはねられたとしたら、その瞬間にポケモンGOの臨場感世界は雲散霧消し、車にはねられた臨場感世界が現実のものとして採用されるでしょう。

当たり前ですが、車にはねられた際の痛みに勝るほどの臨場感は、ポケモンGOにはないからです。

とにかく、ここで大切なのは、臨場感の高い仮想世界が採用され、ゲシュタルトができると、それが私たちの現実として機能するという事実です。

 

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人をコントロールするにはその人の臨場感を書き換える

さて、この臨場感の考え方が、この記事のテーマとどう関わってくるのでしょうか。

 

私たちはそれぞれが何かしらの仮想世界に臨場感を感じています。

そして、私たちをコントロールしようとする悪い人は、この私たちの臨場感を書き換え、自分に従うような仮想世界へと臨場感を強めるような働きかけをしてきます

相手に従うのが正しいという仮想世界に対して臨場感を持ってしまうと、それがそのまま私たちの現実世界となってしまいます。

悪い人のために何かを捧げることが正義であり、自ら望んでそのような行動をとるようになります。

そういった方向へと私たちを誘導していくために、恐怖や不安の情動を使うことが実に有効なのです。

だからこそ卑劣な人は、恐怖や不安の情動を使い、私たちをコントロールしようとします。

なぜそれが問題かといえば、相手の心の傷になる可能性があるからです

恐怖や不安のような強い情動を用いると、相手が長期間にわたって苦痛を感じるような影響を与えてしまうことになります。

悪いことに、その苦痛を取り除こうと、ますます支配者に依存するようになり、結果として利用されてしまうのです。

そもそも、私たちのハッピーは、最後には私たち自身でしか決めることはできません。

にもかかわらず、誰かにコントロールされ、その人に依存してしまったとしたら、いかに相手が人を導く専門職の人であるといっても、私たちのハッピーは保障されません。

このように、恐怖や不安で人をコントロールすることは大変なリスクがあるのです。

ところで、実はこのあたりの解説は、具体的な方法論や因果関係を細かく書くことをあえて避けています。

この文章を読まれている方の中には、恐怖や不安で脅して相手を意のままに操ってやろうという卑劣な人間はいないと信じていますが、万が一の場合を考え、真似ができないように書いています。

とにかくここでは、人間を操るのに恐怖や不安はものすごく使いやすく、それはリスクのあることだということがわかっていただければ問題ありません。

そのような手法はいたるところに見られます。

実際にご自身の周りにもそういう人はたくさんいませんか。

上司や、友人や、メディア、親、親族、教師などはもちろんのことながら、先に挙げた職業の中にも思い当たる人物がいるかもしれません。

まずはそういった手法が存在し、安易にその手法を使って自分を操ろうとしてくる人間がいるのだとしっかりと自覚してください

 

恐怖や不安の使われ方

恐怖や不安で人をコントロールしようとする人たちには、どのような特徴があるのか列挙してみましょう。

周りにいる人たちにこんな人はいないか、今一度チェックしてみてください。

まずは、なんと言っても強い言葉を多用するというやり方があげられます。

バカとか死ねといったストレートなきつい言葉を用いることから、厳しい口調で「本当にそれで正しいと思っているんですか」などと詰める、といった間接的なものまで様々です。

「このままではひどい目にあいますよ」、「とんでもなく苦しい目にあいますよ」といった未来の不確定な状況をマイナスな方向へと煽り、不安や恐怖を引き出そうというやり方を取ることもあります。

また、そういった強い言葉で直接相手を非難するようなことを言い続けると心が離れていくため、共通の敵を作り出し、そちらを叩くというやり方もよくみられます。

そして、「そういう人たちに私たちはひどい目にあっているのだ」と連帯意識を強めます。

共通の敵を設定して叩くことで、こちらは自分もそのように責められるかもという不安も感じますし、実際には共通の敵が自分たちにひどいことをしようとしているということで、自然と連帯感が高まるという実に巧妙なやり方です。

こういう人はみなさんのまわりにもいませんか。

あえてその場にいない人を過剰に叩くことによって、目の前の人との関係性を強めようとする人です。

それが正当な批判であれば、問題ありませんが、もしかしたらその人は、私たちをコントロールするためにそういうスタンスをとっているのかもしれません。

反論しにくい正しいことを過剰に言うというやり方もよく見られます。

たとえば、遅刻をしてしまったとか、言葉を間違って使ってしまったとか、一般的に正しいとは言い難いことを過剰に責め立てるということです。

直接コントロールしたい相手に向かって言うこともありますが、やはりここでも、その場にいない誰かをつるしあげることで目の前の人の情動を煽ります。

強気に正しそうなことを言われると、こちらはなんだかそれが普遍的に正しいことのように思ってしまったり、やはりここでも自分が責められているかのように感じてしまうのです。

確かめようのないことを担保に、何かを過剰に主張することも同様です。

確かめようがないのだから、当然反論しにくいのです。

「あんた地獄に落ちるわよ」などはその典型でしょう。

このように、恐怖や不安などの情動を用いて相手をコントロールする人は、様々なやり方で巧みにこちらの情動を煽ってきます

その情動に付け込まれると、相手にコントロールされやすい状態になってしまうのです。

 

脅して人助けをすることに正当性はあるのか

ところで、冒頭にあげたような、人を導く職業について少し考えてみましょう。

そういった職業を担っている人のもとにやってくる人というのは、何かしらの悩みをかかえ、それを好転させたいという人であるはずです。

この状態を、さきほどの臨場感というキーワードで表現するのなら、自分の悩んでいるという仮想世界の臨場感を下げ、悩みのないハッピーな仮想世界へ臨場感を強く感じられるようになりたいということです。

人を導く職業の人はそのために、それぞれの専門的な知識や技術を総動員し、相手をハッピーな仮想世界へ臨場感を感じられるように手助けしてあげます。

たとえば、私の仕事であるコーチングであれば、「ゴールがしっかりと設定され、エフィカシー(ゴール達成のための自己の能力の自己評価)がどんどんと高まり、楽しく試行錯誤を繰り返しながらゴールへと向かっている」という仮想世界へ臨場感を感じてもらうように働きかけていくわけです。

また、医者であれば、治療行為を通して実際に患者の病気を治すとともに、自分は病気であるという仮想世界への臨場感を下げ、自分は健康であるという仮想世界への臨場感を高めてあげるということをやっているはずです。

ここで難しいのは、人には現状を維持しようとする強い力が働くということです。

一度臨場感が高まり、選択された仮想世界からはなかなか抜け出せないというわけです。

コーチングの例であれば、コーチが一生懸命関わっても、クライアントが「自分にはゴールが見つけられません」、「自分にはゴール達成なんてできません」という仮想世界臨場感が高く、そこからなかなか抜け出せないということです。

もっとも、しっかりとコーチングが機能されればそんなことにはなりえませんが。

とにかく、人は一度強い臨場感を感じた仮想世界が出来上がると、たとえそれが苦しく、頭では望んでいないものであっても、それを維持してしまうという厄介な性質があるわけです。

そういった場合、その臨場感の強い仮想世界をいったん崩していかなければなりません

恐怖や不安を安易に用いる人の中には、この点を強調することがあります。

つまり、相手が現状の仮想世界に強く臨場感を感じているから、それを一度崩すために恐怖や不安を使うのだと主張するということです。

たしかに、恐怖や不安の情動を利用すれば相手の今感じている臨場感を揺らがすのは容易です。

しかし、さきほども書いたとおり、それには相手の心に傷を負わせるというリスクがありますし、そもそもそれ以外の安全な方法で誘導すればいいだけの話です

相手に変わる意思がないにもかかわらず、どうしても相手に強烈に働きかけて変化させなければならないといった極めて特殊な状況なら、そういうやり方も部分的には許されるかもしれません。

しかし、相手が変わりたいと思ってやってきているわけですから、わざわざ恐怖や不安を用いて相手の臨場感を崩そうとする必要などないはずです。

きちんと正当な技術を使い、相手をハッピーな仮想世界の臨場感が高まるように誘導すればいいはずです

それでは何のために恐怖や不安を用いて働きかけをするのかというと、自分の技術不足のためにそんな卑劣な手段を取るしなかないか、恐怖や不安を過剰に使うことで長期的に相手をコントロールし、顧客として囲うことくらいしか考えられないのではないでしょうか。

 

もし恐怖や不安をあえて使う正当な理由があるのだとしたら、教えて欲しいくらいです。

人を導く仕事についていながら、安易にそういった方法に手を出してしまっているとしたら、それは本当に相手のためなのかよく自己観察するべきでしょう

 

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恐怖や不安でコントロールする人への対策

さて、それでは私たちは、恐怖や不安でコントロールしようとする人に対してどのように気をつけておくべきなのでしょうか。

以下、4つほど対策をあげておきましょう。

 

1:恐怖や不安をあおる人の言うことは無条件で聞かない

まずは何といっても、恐怖や不安を用いて何かを主張する人の言うことは、無条件で聞かないということです。

どんなに立場のある人、権威のある人であっても、言うことを聞かないくらいの気持ちでいいでしょう。

何か主張があるのならば、きちんと論理的に説明をすればいいだけの話です。

もちろん、少しでも読者の興味を引くためのいわゆる「煽り」をまったくなくせというのも極端な話でしょう。

また、単にリスクを伝えるために、そのつもりはなくても恐怖や不安を喚起するような物言いが必要な場合だってあります。

しかし、ことあるごとに恐怖や不安で脅し、それが一定期間以上にわたって続くようであれば、その人のいうことは無条件で聞かないくらいの態度が安全でしょう

そうすれば、知らず知らずのうちにコントロールされていた、ということもなくなります。

 

2:一貫性をチェックする

次に、一貫性をチェックするということがあげられます。

恐怖や不安で脅す人というのは、実は大したことを言っていない場合が多いです。

それもそのはずで、きちんと物事を考え、熟考できる人間であれば、恐怖や不安をいたずらにあおるという方法を安直に取るべきではないとわかるからです。

それゆえ、恐怖や不安で脅す人の行動を見ていると、一貫性に欠ける部分が出てきます

そのような視点を維持し、発言と行動には一貫線があるのかをチェックし、この人は本当に信用に足るのかを判断しましょう。

また、恐怖や不安で脅す人は、そうする一方でこちらに対して人が変わったかのように異常に優しく接するという面がよく見られます

いわゆるアメとムチです。

口汚く誰かを罵ったかと思えば、急にこちらには猫なで声で優しげなセリフを投げかけたりします。

そのように両極の情動で揺さぶることで、こちらを混乱させ、ますますコントロールを容易なものにしようとするのです。

その際にもやはり、内側に対する態度と外側に対する態度に一貫したものがあるのかをと冷静に判断する視点を維持することが重要です。

 

3:論理を判断の拠り所にする

恐怖や不安で脅す人は、強い情動が湧くことにつけ込んでこちらをコントロールしてきます。

だったら、究極の対策は、こちらの情動を停止してしまうことだとわかります。

そんなことできるのだろうか、と思われるかもしれません。

しかしそれはトレーニング次第で上手になっていきます。

実は、この記事を読み進めていただくこと自体がそのトレーニングになっていますので、ぜひ何度も繰り返し読んでみてください。

論理的、知的に物事を理解することで、相対的に原始的な情動は抑えられていくという脳の性質があるからです。

また、いたずらに恐怖や不安を煽られる状況では、とにかく論理でしか判断しないという決意をしておくことも重要です。

本来、論理と情動は相反するものです。

恐怖や不安で脅す人の言っていることを、論理的に考察し、対応する習慣をつけることで、いたずらに自分の情動に振り回され、コントロールされてしまう状況を防げます。

この人の言っていることは本当に正しいのか、こう考えることもできないか、もし正しいとしても何か方法はないだろうかなど、相手の主張を徹底的に分析し、吟味します。

言っていることを一度文字に書き出してみて、落ち着いて検討してみるのもいいでしょう。

そういう対応を取っていれば、情動が喚起され、ただただ相手に振り回されてしまうということは相対的に減っていきます。

 

4:知識をたくさんつけておく

議論の対象となっていることに関する知識をたくさんつけておくことも大切です。

恐怖や不安を脅してくる人の中には、それなりの専門性や論理性、そして正しい主張を持って脅してくる人もいます。

さきほども言った通り、ほとんどのそういう人は大したこともないことに「大変だ、大変だ」と大騒ぎしているだけなのですが、例外的に本当に緊急性の高いことを極めて論理的な考察をベースとしながら、恐怖や不安で脅すような形で提示する人もいるのです。

そういう人の言っている内容だけを参考にできればいいのですが、いらぬ恐怖心を植え付けられる場合があり、そのことは大変問題です。

その対策としては、自分にとって議論の対象になるような重要性の高いものに関しては、しっかりと自分でも知識をつけるという習慣を持っておくとよいでしょう。

知らないまま判断を他人任せにしていると、恐怖や不安を大声で騒ぎ立てる人にすぐに引きずり込まれてしまいます。

恐怖や不安を感じるというのも、知らないからこそかきたてられるという面があります。

よくよく理解してしまえば、たとえそこに問題があったとしても、淡々と最善の方法を選択してくだけです

よく知らないからこそ、大声で危険を騒ぎ立て、その問題についてよく知っている(あるいは知っているふりをする)人にコントロールされてしまうのです。

だったら、その人よりも知識をつけ、知ってしまえば無用にコントロールされることはなくなるというわけです。

 

ところで、だれも知ることのできない、不安や恐怖を感じる対象が一つだけあります

そしてそれは、恐怖や不安をあおるためのかっこうの材料として、古今東西頻繁に使われてきました。

それは「死後の世界」です。

これだけはだれにも知りようがないうえ、考え出すと怖いものです。

お釈迦様は、死後の世界について弟子に質問されても、答えなかったそうです。

これを「無記」と言います。

考えても仕方のないことを考えるよりは、もっと目の前の考えるべきことを考えなさいということです。

 

まとめ

この記事では、人を導く職業の人の中に、恐怖や不安を使って脅し、コントロールしようとする人がいるという問題を提起しました。

恐怖や不安によってコントロールされる際のマインドのメカニズムを解説し、脅す人の典型的なやり方とその対策について書きました。

これらすべてをしっかりと知的に理解しておくことが必要であるということでした。

参考になりましたら幸いです。

 

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「思考は現実化する」はずなのに、なかなかそうならないあなたへ


苫米地式認定コーチ、TICEコーチの高嶋芳幸です。



思考は現実化する  

 

アメリカの著述家、ナポレオン・ヒルの有名な言葉であり、代表作の表題でもあります。

ビジネスパーソンの中でも、自己改革に真面目に取り組もうとしてきた方であれば、よくご存知の言葉でしょう。

実際にこの本を読み、プログラムを受講し、実践をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もちろんその中には大きな自己変革を遂げ、成功とよべるような達成をされた方もいらっしゃるでしょう。

しかし、   「そうは言ってもなかなか現実は変わらないよな」   そんな感想をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

どこに問題点があったのでしょうか。

この記事では、ナポレオン・ヒルの提示した成功哲学の概要と問題点を指摘した上で、認知科学のパラダイムに基づくコーチングでは、どのように「思考を現実化」していくのかについて述べたいと思います。

 

ナポレオン・ヒル

ナポレオン・ヒルは、新聞記者として鉄鋼王として知られるアンドリュー・カーネギーにインタビューをしたことがきっかけで、成功哲学の体系化に取り組み始めました。

1908年のことです。

そこからナポレオン・ヒルは、多くの成功者を研究し、彼らはどのような頭脳の使い方をしているのかについて研究しました。

研究対象となった成功者の数は、なんと500名を超え、そこにはアンドリュー・カーネギーの多大な尽力があったとされています。

そして、20年間もの歳月をかけて完成させたのが、かの有名な『思考は現実化する(Think and Grow Rich)』という書籍です。  

 

思考が現実化する仕組み

思考が現実化して成功していくためのメカニズムは、その中でどのように説明されているのでしょうか。

この書籍の中では「成功」を次にように定義します。  

成功とは、他人の権利を尊重し、社会正義に反することなく、自ら価値ありと認めた目標(願望)を、黄金律に従って一つひとつ実現していく過程である。  

文章を見てみると、「他人の意見を尊重する」、「社会正義に反しない」という言い回しがありますが、これは「公共(自分以外)の利益に反しない限り」という意味合いでしょう。

せっかくならば「公共の利益のためにもになる」という条件にすればいいとは思いますが、基本的にこの定義は問題なさそうです。  

この成功を達成するために、まず推奨されるのが以下の二点を定めることです。   ・明確な目標設定 ・完全な計画   そして、これらを定めたのち、さまざまな諸要素を満たしていくという流れです。

そのいくつかを紹介すると、

  • 信念(何に重きを置くかの価値観)の強化
  • 知識の習得
  • 無意識の活用
  • 願望実現にふさわしい精神性の身につけ方
  • モチベーションのコントロールと利用
  • 情動のコントロールと利用
  • マスターマインド(仲間との関係)の構築などです。

などがあります。

黄金律(成功のために守るべきこと)に基づいた生活を送ってこれらを実践していくことで、設定された目標(願望)が達成される、つまり「思考は現実化」していくというわけです。

 

現状の奴隷を作り上げる!?

さて、このプログラムの問題点はどこにあるのでしょうか。

それは、最初の一歩である「明確な目標設定」と「完全な計画」そのものにあると言えます。  

まず「明確な目標設定」ですが、実際に書籍の中では、   あなたが実現したいと思う目標(願望)を「はっきり」させること   と望むものを具体的にするよう推奨しています。

これは非常に危険な考え方です。

なぜならば、現時点で自分が想像出来るはっきりとした目標(願望)が、本当に自分にとって望ましいものであるかどうかわからないからです。

確かに、今の時点ではっきりと想像できるような目標(願望)はあるのかもしれません。

しかしそれは、あくまで過去の記憶に基づき、その中でより自分にとって望ましいものを選び出したものに過ぎません。

その時点では、それが自分にとって望ましい目標(願望)であるかどうかはわからないでしょう。

むしろ、過去の自分の記憶に縛られた、偽物の目標(願望)である可能性が高いといえます。

望むと望まざるとに限らず、私たちはたくさんの外部からの情報を取り入れながら、今の認識を作っています。

その中には、未来の自分にとって望ましくない価値基準がたくさんあるはずです。

その価値基準に基づき、現時点ではっきりとした目標(願望)を定めるということは、ますます自分にとって望ましくない状態を強化してしまう恐れがあります。

ということで、現時点ではっきりとした目標(願望)を具体的にイメージすることを強く推奨することは、リスキーなことであると考えられるのです。  

また、仮にそういったはっきりとした目標(願望)を決めることを認めたとしても、その次の「完全な計画」もいただけません。

たしかに、何かしらの目標(願望)を決め、そこから演繹的に導き出される形で計画を練ることは大切でしょう。

なので、まったくの無計画に物事を進めることが正しいとは思えません。

しかし、そこにもし「完全な計画」を求めるのであれば、これはこれでまた正しいとは言えないのです。

数学者であり、論理学者でもあるクルト=ゲーデルは、あるシステムの中には必ずそのシステム内で真偽を決定不可能な命題が紛れ込むことを証明しました。

かの有名な不完全性定理です。

この定理は、自然数論の内部において証明されたわけですが、1980年代に入ると、グレゴリー・チャイティンにより、その定理が数学宇宙全般に拡張されることとなりました。

つまり、この世の中に完全なものはないということが学問的に証明されてしまったわけです。

だとすれば、ここでいう完全な計画というのもありえない話です。 では、どのように考えればいいのかというと、その時点において手に入った情報に基づき、その時点での最適な計画を考えることでしょう。

こう考えれば、その裏側には、現時点では計画できない要素があることを認めるということになります。 つまり言い換えれば、状況が進むごとに新しい情報が集まり、臨機応変に計画を変え続けることを認めるということです。

現時点での最適な計画を考えた上で、あとはやりながら適宜修正していく、考えてみればこれは実に当たり前のアプローチでしょう。

もし「完全な計画」ということを前提とするならば、その当たり前のことができなくなってしまいます。

状況がどんどん変わっても、最初に決めたその「完全な計画」に固執してしまい、それを無理やり推し進めるような事態が生まれてしまうでしょう。

このようなことは現実世界においても往々にして見られるのではないでしょうか。  

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コーチングでは現状の外側のゴールを設定する

さて、以上のことを踏まえて、コーチングではどのように考えていくのでしょうか。

まず、コーチングにおける目標(願望)のことはゴールと呼ばれます。 このゴールは、心から達成したいものと理解しておけばいいでしょう。

ただし、ゴールの設定にはいくつもプリンシプルがあり、それを外すことは許されません。

プリンシプルの代表的なものは、   ゴールは現状を大きく超えるようなものでなければならない   というものです。

現状とは、現在が理想的に進んだ未来も含まれます。

コーチングのゴール設定では、そのような現状と構造的な矛盾を引き起こす、つまり、現状を破壊しなければ達成できないものをゴールにしなさいと言うわけです。

たとえばあなたが、小説家であったとします。

そして、芥川賞を受賞することをゴールにしたとします。

残念ながら、これは現状の内側のゴールであり、コーチングおいては間違ったゴール設定と判断します。

いかに芥川賞を受賞することが容易ではないとはいえ、それは小説家であるあなたにとって、現状の中にある理想的な状態だと考えるからです。

つまり、現状を大きく超えるゴールではないということです。 この場合の正しいゴール設定には、二つのアプローチがあります。

ひとつは、小説家とは全く違った業界でのゴールを設定するということです。 もし、大企業の社長になるというゴールを掲げれば、小説家の世界から飛び出さなくてはならないため、現状を破壊せざるを得ない正しいゴールであると言えるでしょう。

もうひとつは、同じ小説家の延長であっても、ゴールの程度をすごく上げてしまうというアプローチです。

「ノーベル文学賞をとり、世界中で累計1億冊の小説を売るくらい、世界中の人に自分の文学世界を楽しんでもらう」というゴールを設定したとします。

このくらいになってくれば、小説家のゴールでありながらも、現状を最適化していけば達成できる範疇を超えていると考えられるでしょう。

いずれにしても、現段階ではっきりと想像できるようなものではないはずです。 大きくて達成できたら嬉しいだろうことはなんとなくわかるが、むしろその中身は現状から離れすぎていていまいち想像しづらい、というのが本音ではないでしょうか。

正しいゴール設定とは、過去の記憶をベースとした現状に絡み取られることを回避するために、このくらい大きなゴールを設定することを推奨するのです。  

 

ゴールはどんどんと更新する

さらに、ゴールは一度設定して終わりというものではありません。  

ゴールはどんどんと更新していく   この点もゴール設定における重要なプリンシプルです。

ゴールを更新すべき理由はいくつかあります。 一つは、行動する中で新しいゴールが見えてくるからです。

現状を超えたゴールを設定し、暫定的な計画を立て、それに向けて行動する、そういったサイクルの中に入ると、それまで触れることがなかった知識が入ってくるようになります。

たどり着きたい先が現状の外側なわけですから、それに向かっていけば、新しい知識が入ってくるというのもうなずける話でしょう。

その知識は、いままでのように、たまたま近くにあったものから得てきた受動的なものではありません。 自分で設定した現状の外側のゴールに基づいた、極めて能動的なものです。

そのような知識が蓄積されてくると、ゴールを設定した段階では見えなかったさまざまなものが新しく認識できるようになります。

その中で、「自分にとってはこちらのゴールの方がいいのではないだろうか」と気がつく事態が現れます。

たとえば、小説家としてノーベル文学賞を受賞するくらいの作家になると決めて行動した人が、その行動の中で、海外の文学事情に精通していったとします。 ノーベル文学賞を受賞するには、世界の文学ニーズがどのようなものかを知る必要があるからです。

そうすると、日本ではあまり知られていない素晴らしい作家が、海外にもたくさんあるということに気がつきました。

こんな素晴らしい作品を日本人が享受できていないことに、もったいなさを感じるようになり、「実は自分はこういった作品を日本人に届けることをやりたいのでは、、、?」と考えるようになります。

そこで、文学作品の流通システムや、翻訳者について調べたりしはじめるようになり、行動がどんどんと広がっていきます。

そしてその人は、「世界中に素晴らしい文学を届けるシステムを構築する」ことが自分の本当のゴールであると気がつきます。

このように、新しい知識の獲得とともに、ゴールが変わるべき状況があるのです。

多くの人にとっては、最初に設定されたゴールは、過去の受動的に得てきた知識に基づいて判断されるわけですから、むしろ更新される可能性が高いといえるくらいです。    

 

さて、ゴールを更新するべきもう一つの理由は、モチベーションの問題です。 モチベーションとは、行動を促すやる気のことですが、これは達成したいゴールの結果として生じるものです。

多くの人はこの因果を逆に捉えてしまっています。

モチベーションがあるからゴールを達成できるというふうに考えてしまうわけです。 しかしこれは順序が逆で、どうしても達成したいゴールがはじめにあり、そこに進みたい抑えきれない衝動のようなものをモチベーションと考えるのが正しい理解です。

より専門的に言えば、ゴールの世界があり、その臨場感が上がった結果ゴール側がコンフォートゾーンになり、コンフォートゾーンに引きずり込まれるその心理的作用をモチベーションと呼ぶということです。

強烈なゴールがあり、それがどうしても達成したい人はものすごいモチベーションを発揮し、どんどんと行動してしまいます。

ところが、そういった人も、ゴールがだんだんと近づいてくると、モチベーションが失われていきます。

ゴールが遠いところにあり、そこに行きたくて仕方がないという気持ちがモチベーションなのだから当然でしょう。

この場合にどうするかというのが、ゴールの更新なのです。

行動し、ゴールが近づいてきた結果、ゴールをさらに遠くへと意図的に放り投げます。 その結果として、継続的に高いモチベーションを維持することができるようになります。

こうすることによって、当初設定したゴールは通過点となり、気が付いたらすでに達成していたという状況を作ることができるのです。

だからこそ一度ゴールを設定したからといっても、それが完璧なものではなく、より高い方へと更新してく必要があるということです。

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現実とは何か

ところで、「思考は現実化する」の「現実」とはいったいなんのことを示すのでしょうか。

「思考が現実化する」とは思考したものがどのようになることを言っているのでしょうか。

「現実」という言葉の意味は、認知科学の達成以前と以後で全く違うものになりました。

そもそも認知科学以前の現実とは、物理的現実世界のことを言いました。 この文章を読んでいるみなさんの目の前には、スマホやPCの画面が存在し、座っているとしたらお尻の下には椅子があるでしょう。

また、視点を移動してみると、天井が見え、室内の蛍光灯が光っているのがわかるでしょう。

このように五感を通じて直接的に触れられ、感じられる世界を単純に物理的現実世界と呼んだのです。

そしてその物理的現実世界は、統一的、絶対的なものとして確かにあるのだと素朴に信じられていたわけです。

ところが、認知科学以降、このような認識の仕方は間違いであったとされるようになりました。

例えば、目の前にあるスマホの画面を例に、このことを考えてみましょう。

あなたがスマホの画面を眺めている横に、スマホの画面の設計者がいたとします。

その人とあなたが見るスマホの画面は、果たして同じようなものとして目に映っているでしょうか。

おそらく設計者は、その画面のサイズや材料、画素数といったことを感じながら見ているはずです。

それは設計者の個人的な経験の基づく記憶が、あなたのそれとはまったく違うからです。

このように現実とは、その人の記憶に基づいて主観的に作られるものであると理解されるようになりました。

同じ記憶を持つ人間がいない以上、誰にとっても同じ統一的、絶対的な物理的現実世界は存在しないというのが現代的な現実の捉え方です。

もしかしたら存在するのかもしれませんが、すべての人が固有の記憶に基づいて、その人なりの偏ったものの味方で世界を見る以上、ないも同然であるとしているのです。

いずれにせよ、それぞれの記憶に基づき、脳内でいままさに認識している世界のことを「現実」と呼び、この現実を理想の状態にすることが「思考が現実化」した状態だと考えることができます。  

 

臨場感が高い可能性が現実として選ばれる

個人の中には、複数の現実の可能性があります。

たとえば、あなたが人前に立って話している場面を思い浮かべてみてください。 どんな気分になるでしょうか。

わくわくして、前向きな気持ちになるでしょうか。

あるいは、緊張して、できればそんな状況は避けたいなと思うでしょうか。

いま二つあげた例は、そのままあなたの現実の可能性を表します。

もしあなたが、ワクワクして前向きな気持ちで人前に立つことを認識したとき、現実はそのような形として現れます。

実際に何を話そうかネタを仕込んだり、人前に立って話すにふさわしい服をコーディネートしたりという行動に出るでしょう。

しかし、緊張して、できればそんな状況避けたいと思っていれば、断る方法を考えはじめるでしょう。

このように同じ人間の中でも、現実の現れ方はさまざまな可能性がありえます。

そしてその中でも、そのときもっとも臨場感の高い可能性が、あなたの現実として選ばれているということです。

ここまでの議論をまとめると、以下のようになります。

思考が現実化するためには、まず正しくゴールが設定される必要があります。

ゴールが設定されるということは、その人の中に現実として選ばれる可能性の選択肢を一つ増やすということです。

ゴールは現状を壊すような大きなものにするというプリンシプルから考えれば、ゴールの世界と現状の世界は同時に存在出来ず、矛盾が引き起こされます。 最終的にはどちらかひとつしか選ばれません。

どちらが選ばれるかは、臨場感の高い方、つまりよりリアルに感じられる方が選ばれるということです。

ということは、設定されたゴールの臨場感をいかにしてあげていくかが「思考を現実化」するために重要であるとわかります。

 

臨場感を上げるためにはアファメーションが有効

ゴールの世界の臨場感ををあげていくための中心的な技術には、アファメーションがあります。

いま目の前で選択され、現れている現状の世界はとてもリアルで、臨場感が高いはずです。

というよりも、臨場感が高いからこそ現実として現れ、現状となっているのです。

一方でゴールの世界は、どうしても臨場感が低くなってしまいます。 現状が過去の記憶に基づいて臨場感高く作り上げられているのに対し、未来のゴールは記憶を直接的に利用することができないからです。

さらに、ゴールが大きくければ大きいほど臨場感は感じにくくなってしまいます。 だからこそ、ゴールの世界を達成したはずの自分を検討し、文章に記述し、それを唱える技術であるアファメーションを用いることで、ゴールの世界の臨場感を上げていく必要があるのです。

毎日アファメーションを唱えていれば、だんだんとゴールの世界に臨場感がわいてきます。

はじめはピンとこなかったゴールが、だんだんと実感を伴って味わえるようになります。

やがてゴールの世界こそが現実として選択されることになるでしょう。

  《アファメーションの詳しい説明はこちらを参考にしてください→あなたを成功に導くアファメーションの作り方》  

 

ダイナミックなプロセスへ

さて、本記事では『思考は現実化する』を批判的に検討した上で、コーチングが提示するゴール達成の仕組みを概括しました。

最後に、それらがどのような点で異なるのかもう一度まとめてみましょう。

『思考は現実化する』が提示する目標(願望)の設定は、はっきりとしたものであり、そこから演繹的に導き出される完全な計画を立てることでした。

確かに合理的であり、それなりの説得力がありますが、人間はそのような単純な存在ではありません。 一度定まったスタティックなプログラムの上をただまっしぐらに走っていくことが、人間として自然なこととは考えにくいでしょう。

実際には、ゴールを設定し、行動をしながら現状が変わり、新しい情報を得て、知識を獲得し、その都度ゴールを更新・変更し、また現状の見え方が変わる。

そのようなゴールと現状の双方向的なフィードバック関係そのものがダイナミックに循環しながら未来へと進んで行くのが自然な状態でしょう。

だからこそコーチングでは、現状の外側にゴールを設定したり、ゴールの更新を認めたり、現状の中では見えない知識(スコトーマ)を想定したりしているわけです。

ゴールを設定し、アファメーションを用いて臨場感を高めることでゴール側が現実になっていき、その中で得た知識をもとにゴールを更新、変更していきます。 体感としては、行きつ戻りつ、ゴールと現状が入り乱れながら、より総合的な視点として未来側へと進んでいるという感じでしょうか。

そして気がつけば、はじめは想像もしなかった場所に立っているというわけです。

こういったダイナミックなプロセスを許容する点こそが、認知科学のバックボーンにある非単調性に基づいて構築された、コーチングの最大の特徴であると言えるのです。 参考になりましたら幸いです。

 

【保存版】コーチングとは何かを知るための用語大辞典

 

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苫米地式認定コーチ、TICEコーチの高嶋芳幸です。

コーチングとは何かについて書かれているウェブサイト、書籍はたくさんあります。

職業柄そういったものをたくさん読みましたが、多くはきちんとした理論に基づいて書かれたものではなく、著者の経験をまとめたものになっていることが残念です。

私の提供するコーチングは、科学的な理論に基づいた次世代のコーチングです。

それゆえ、パーソナルコーチングにおいても、セルフコーチングにおいても確実な結果につなげることができます。

しかしながら、理論がしっかりとあるがゆえに、理論の中に含まれる大切な用語を理解することが難しいという面があります。

用語の意味を理解することが難しいのではありません。

用語そのものに含まれる深い意味を捉えることに時間がかかってしまうのです。

そこでこの記事では、用語の深い意味の理解を助けるために、コーチングにおけるそれぞれの用語の定義を確認し、参考になる記事を紹介したいと思います。  

 

1:苫米地式コーチングの概要

コーチングとは、クライアントのゴール設定を促し、ゴールを達成できるマインドの構築をバックアップしていくことです。

そういったコーチとクライアントの関係をコーチングと呼んだり、そこで交わされるやりとりのことをコーチングと呼んだりします。

  「苫米地式コーチングとは何か、理論があるとはどういうことか」では、コーチングにおいて理論があるということはどういうことなのか、また、なぜ理論がなければならないのかについても説明しています。  

コーチングには、パーソナルコーチングセルフコーチングがあります。 パーソナルコーチングとは、コーチングの理論と技術を修めたプロのコーチをクライアントが雇い、定期的なセッションの中でコーチングを行うことです。

セルフコーチングとは、コーチング理論を学んだクライアント自身が、自分に対してコーチングを行うことです。

 

「【決定版】パーソナルコーチングとセルフコーチングの違いとは」では、パーソナルコーチングとセルフコーチングの違いについて詳しく説明しています。  

 

2:ゴール

コーチングにおいて最も重要な概念がゴールです。

ゴールとは、達成すべき夢のことです。 いわゆる目標のことであると理解してもよいでしょう。

しかし、一般に言われる夢、目標とはいくつかの点において違いがあります。 その代表的なものは、ゴールは現状の外側に設定しなければならないというプリンシプルです。    

 

「コーチング理論から考える正しい目標設定の方法」では、ゴールは現状の外側にできるだけ大きなものを設定するという、超重要事項について詳しく説明しています。  

「コーチング理論から考える一歩先に進んだ目標設定の方法」では、ゴールは複数持ち、バランスが取れたものである必要があるという内容を説明しています。  

「教育のプロが教える、子離れできない親がコーチングを学ぶべき理由」では、子離れできない親は自分のゴールを持っておらす、正しく子離れしていくためには親がゴールを持つべきであると主張しています。

  「「うつ」まで巻き起こす、SNS疲れの原因と対策」では、SNSに疲れてしまうのは、ゴールから考えてSNSを利用するという発想が欠けていて、不必要な情報に振り回されてしまうことにあるという内容を説明しています。  

 

3:エフィカシー

エフィカシーとは、ゴール達成のための自己の能力の自己評価のことです。

エフィカシーの重要な点は、自己評価なので自分で勝手に上げてよいということです。

自分にはこういうゴールがありそれは確実に達成できる、という強い確信がエフィカシーなのです。

以下の記事では、エフィカシーの詳しい説明と、どのようにすれば効果的にエフィカシーを上げていけるかについて書いています。

 

「自分に自信が持てない人のための処方箋(基礎編)」では、エフィカシーという概念の詳細な説明と、その本質は自分で勝手に上げることであるという内容が書かれています。

「自分に自信が持てない人のための処方箋(発展編2)」では、エフィカシーを上げるために、エフィカシーが高い人との人間関係を作ることが効果的であると主張しています。

 

4:コンフォートゾーン

コンフォートゾーンとは、その人にとっての安心できる領域のことを意味します。

現状の外側にあるゴールを達成しようと思うのなら、いま自分がいるコンフォートゾーンを飛び出す必要があります。

その際には、不安な気持ちが湧いてくることが多く見られます。

そういった不安な気持ちをうまくコントロールし、コンフォートゾーンを飛び出すにはコツがあります。  

 

「コーチングの理論で考える失敗しない転職の仕方」では、転職とはコンフォートゾーンを飛び出すことそのものであり、そのことを理解しておくことが転職を成功させることにつながるという記事です。

  「教育のプロが教える、子供に自信をつけさせるとっておきの方法」では、子どもが成長し、親のコンフォートゾーンから飛び出そうとした結果、親は無意識に子どもの自信をくじくようなことがある危険性を指摘しています。  

「痩せられない人必見! ダイエットをしても痩せない真実の理由とは」では、ダイエットで痩せられない場合の本質は、太っていること自体がコンフォートゾーンになっており、そのコンフォートゾーンを移動させるという発想ができていないという説明をしています。

  「コーチング理論から考える、後悔しない生き方をするために」では、後悔はコンフォートゾーンを飛び出す怖さを味わわないですむためにしているのではという厳しい指摘をしています。  

 

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5:抽象度

抽象度とは、情報量で概念を並べ替えた上下関係のことを意味します。

「コート、ジャケット、パンツ」という概念をひとつ抽象度を上げて見ると「衣服」となります。

このような関係を抽象度の上下関係というのです。 コーチングにおいては、ものごとの抽象度を上げて観察することがたいへん重要視されます。

その結果、低い抽象度で見ていたときに解決できなかった問題の解決方法がひらめいたりするからです。

 

  「職場の人間関係に疲れた人が意識するべきたったひとつのこと」では、人間関係の問題を、抽象度をあげて観察することによって解決するというやり方を提案しています。  

「孤独な経営者がコーチを雇うことのススメ」は、経営者とは組織内でもっとも抽象度の高い人であり、他の人には見えないものが見えているため、孤独に陥るのは必然であるという内容の記事です。  

「振られた恋人と復縁するための5(ファイブ)ステップ」では、振られた恋人との復縁は、自分だけのハッピーではなく、抽象度をひとつあげたお互いのハッピーを未来に設定することが大切であると主張しています。  

 

6:スコトーマ

スコトーマとは、心理的な盲点のことを言います。

何かに意識を向けて注目するということは、それ以外が意識の外側に隠れてしまうことになります。

この意識の外側の領域や、外側に隠れたしまったもののことをスコトーマといいます。

ゴールを達成していくためには、このスコトーマの中にある今まで自分の認識にあがらなかった新しい情報を手に入れていく必要があります。  

「孤独な経営者がコーチを雇うことのススメ(後編)」では、スコトーマが生じるメカニズムと、経営者はスコトーマを外してくれるコーチを雇うと大きなメリットがあると説明しています。  

「嫌な上司をこの世から消し去る技術」では、上司と折り合いのつかない人は、スコトーマの原理を逆手に取り、嫌な上司をスコトーマの中に入れて認識できないようにするという解決方法を提案しています。  

 

 

7:ブリーフシステム

ブリーフシステムとは、その人が持っている信念の集合のことをあらわします。

信念とは、コーヒーと紅茶があったときにはコーヒーを選ぶ、というように無意識レベルでの選択、判断、評価そのものであるといえます。

記憶によって出来上がった信念の集合であるブリーフシステムが、その人の人格であると考えることができます。

ゴールを達成するためには、現在のブリーフシステムが変容していく必要があります。  

 

「教育のプロが教える、感情に任せて子供を怒るのがよくない理由」では、勉強ができない子供はブリーフシステムがそのように出来上がっており、その原因は親が感情にまかせて子供を叱責したことにあるという注意を喚起しています。

 

8:ドリームキラー

ドリームキラーとは、ゴールを設定した際に現れるゴール達成を否定する存在のことを言います。

親はもっともドリームキラーになりやすい存在です。

ドリームキラーは、大きなゴールを設定して動き始めると必ず出現するので、あらかじめ対策を講じておく必要があります。

もっとも効果的な対策は、ゴールは不用意に他人に教えないというものがあります。  

 

「25倍収入を増やすことのできるマインドの構築法」では、収入を上げるというゴールを設定すれば、必ずドリームキラーが現れることを指摘し、そのメカニズムと対策について説明しています。

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9:セルフトーク

セルフトークとは、人間が自分自身に語りかける言語のことを言います。

セルフトークの中には、言葉に出されたつぶやきや、言語としてはっきりとして知覚できないような想念も含まれます。

セルフトークの積み重ねがその人の人格を作り上げていきます。 ゴールを達成できた自分になっているということは、ゴールにふさわしいセルフトークを日常から繰り返しているはずであると考えることができます。  

 

「自分に自信が持てない人のための処方箋(発展編1)」では、自信のない状態はセルフトークの結果であると指摘したのち、セルフトークをコントロールする具体的なステップを紹介しています。  

 

10:have to、want to

have to、want to はそれぞれ、やらなければならないこと、やりたいことと理解することができます。

コーチングが目指すのは、have to が 0%であり want to が 100%である状態です.。

また、人間は want to の状態であるからこそ能力を発揮することができます。

ゴールを達成するために能力を発揮するには、そのゴールが want to である必要があります。  

 

「そうはいってもやりたいことが見つからないんです」そんな人がどう考えるべきか」では、want to なことだけをやるべき理由を説明したのち、どのようにすればやりたいことが見えてくるのかを段階的に提示しています。  

「やりたいことがありすぎて困っている人の頭の中」では、やりたいことがありすぎて困っている人は、それらの中に他人から仕掛けられた have to なものが紛れ込んでいる可能性を指摘しています。  

「教育のプロが教える、子どもに読書の習慣をつける4つのアイデア」では、読書をするさまざまなメリットを紹介したのち、子供に読書の習慣をつけてあげるには、いかに want to で子供自身が取り組める読書環境を用意してあげられるかが大切であると主張しています。

 

11:臨場感

臨場感とは、五感を通じて生成された情動や体感に結びついたリアルな感じのことを言います。

ゴールを設定した際に重要なのは、現実の世界よりもゴールの世界の臨場感を上げることです。

目の前の世界の臨場感はあまりにも高いので、ゴールの臨場感を勝たせるには工夫が必要です。  

「コーチング理論から考える目標設定のリアリティを上げる方法」では、ゴールを達成するためになぜ臨場感を高める必要があるのかを説明したのち、ゴールの臨場感を高める具体的なワークを紹介しています。  

 

12:ステータス・クオ

ステータス・クオとは、大きな構造的変化が起こらないままやってくるであろう未来も含んだ現状のことを意味します。

ゴールを達成するには、この現状から外へと飛び出していく必要があります。

ステータス・クオを飛び出すためのポイントは、大きな構造的変化が起こらなければ達成できないようなゴールを設定することです。

  「考えすぎる性格の人が行動するために知ってほしいこと」では、ステータス・クオの中でいくら一生懸命行動しても、状況は大きく変わらないということを指摘した上で、考えることをいったんやめて直感で動くことを勧めています。  

「クリエイティブ(創造的)な仕事をしたい人が知っておくべきこと」では、真のクリエイティブとはステータス・クオの外側にあるものであり、そのためは、want to のゴール設定、大量の知識、ステータス・クオの外側に飛び出す勇気が必要であると主張しています。

 

13:アファメーション

アファメーションとは、自分に向けて唱える肯定的な言葉のことを意味します。

ゴールに合致したアファメーションを日々唱えることで、ゴールを達成した状態のマインドを積極的に作っていくことができます。

そのようなマインドができた結果、ゴールが達成されるのです。

  「あなたを成功に導くアファメーションの作り方」では、アファメーションを唱える有用性を述べたのち、正しいアファメーションの作り方について解説しています。

 

まとめ

この記事では、苫米地式コーチングにおける用語の意味を解説し、その理解を助ける記事を紹介しました。

実はコーチングにおいて重要なことは言葉で説明できる理論ではなく、言葉を超えた体感にあります。

コーチを雇うということはその体感を共有することなのです。

とはいえ、そういった体感は、理論を理解しておいたほうが強力になることはいうまでもありません。

ぜひ、この記事を活用し、理論を勉強していただけるとうれしいです。

 

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コーチング理論から考える目標設定のリアリティを上げる方法

 

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苫米地式認定コーチ、TICEコーチの高嶋芳幸です。

コーチングの理論で最も重要な概念は、ゴールです。

ゴールについて考えることからコーチングは始まると言っても過言ではありません。

だからこそこれまでの記事の中で、さまざまな言い方でゴールの重要性を説いてきました。

もし、ゴールに関して基本的な理解がない方は、まず先にこちらの記事をご覧ください。  

 

「コーチング理論から考える正しい目標設定の方法」

「コーチング理論から考える一歩先に進んだ目標設定の方法」  

 

さて、ゴールを設定することができたとしましょう。

次はそのゴール達成に向けて進むということになります。

具体的に何をやっていくかは、そのゴールがなんであるかによって違うわけですが、どんなゴールを目指すにせよ共通してやるべきことはたくさんあります。

そのひとつが、ゴールの世界の臨場感を上げることです。

そこでこの記事では、なぜゴールの世界の臨場感を上げなければならないのか、そして、そもそも臨場感とは一体なんなのかについて書いてみたいと思います。  

 

ゲシュタルト

コーチングの概念でゲシュタルトという言葉があります。

もともとは心理学の用語で、部分が寄り集まってできあがるひとつの全体のことを指します。

たとえば、カタカナで「レ」、「ム」、「ッ」、「ト」、「ハ」の文字が並んでいたとします。

これを並べ替えてつなげると、「ハムレット」という言葉になります。

ご存知の通り「ハムレット」とはシェイクスピアの戯曲をあらわします。

意味を持たなかったひとつひとつのカタカナに、秩序が与えられると、全体として新しい意味が生まれたのです。

また、「ハムレット」という全体像があるからこそ、それぞれの文字がなぜそこに並んでいるのかという意義も決まってきます。

このような部分と全体が双方向性を持ちながら示される全体像のことをゲシュタルトといいます。  

 

私たちの世界はゲシュタルトのひとつ

私たちひとりひとりの現実も、このゲシュタルトであると考えることができます。

主に過去の記憶を中心とした材料をもとに、この世界を眺め、ひとつの世界として認識をしています。

その意味で、わたしたちの現実はゲシュタルトであるといえるのです。

ただし、それぞれが持っている現実というゲシュタルトは形が違います。

なぜなら、それぞれの過去の経験にひとつとして同じものはないからです。

長年陶芸家として過ごし、土と共に生きてきた人にとって、コンクリートに塗り固められた都会はいかにも貧しい現実として目に映るでしょう。

しかし、近代的な科学を修めた人にとっては、最先端の知見が詰まったエキサイティングな現実世界として都会を認識します。

このように、人によって現実世界のゲシュタルトは違うものとして認識されるのです。  

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ふたつのゲシュタルト

さて、目の前の現実世界がゲシュタルトであるということは理解いただけたでしょうか。

次に述べたいのは、ゴールの世界もひとつのゲシュタルトであるという事実です。

いま、ここに存在しないゴールの世界をゲシュタルトであると捉えることには、違和感を感じられるかもしれません。

しかし、たとえそれが目の前にあるわけではなくてもも、なんらかの情報が組み合わさった世界としてゴールの世界を捉えるのならば、それをゲシュタルトと考えることができるはずです。

そこに本質的な違いはありません。

ゴールを設定した瞬間に、今目の前の現実世界としてのゲシュタルトと、ゴールの世界の理想的なゲシュタルトが存在することになるのです。

そして、ゴールのゲシュタルトは、ゴールを設定したあなたにとって理想的なゲシュタルトであると言えます。  

 

ゲシュタルトはふたつは同時に維持できない

実はゲシュタルトは、2つ以上同時に維持することができないという性質を持ちます。

つまり、2つのゲシュタルトを持とうしても、どちらかが淘汰されてしまうということです。

たとえば、さきほどの「ハムレット」の例ですが、「ハムレット」であると認識できてしまったら、もう単なる無意味なカタカナの5つ文字であるという認識を持つことはできません。

どうしても「ハムレット」に見えてしまうのです。 このように、ゲシュタルトは同時に2つ以上を維持することができないのです。

 

臨場感

では、ゲシュタルトが2つあったとして、どちらが維持されるかはどのように決まるのでしょうか。

これは臨場感の高い方が選ばれるのです。 臨場感とは五感を通じて生成される情動や体感に結びついたリアルな感じのことです。

さきほどの例で言うと、カタカナの5つの文字には意味がなく、それゆえなんの情動も体感も湧き上がってきません。

しかし、「ハムレット」となると、文学としてハムレットを読んだ経験であるとか、好きだったあの子が敬愛していた作品であるとか、ありとあらゆる情動や体感に結びついた記憶が湧きあってきます。

直接的に意識できるかどうかは別として、無意識ではそれを感じることができます。

だからこそ、一度「ハムレット」というゲシュタルトができあがると、単なるカタカナの5文字とは認識しづらくなってしまうのです。

これは、「ハムレット」という言葉の方に臨場感があるからだといえます。  

 

ゴールのコンフォートゾーンを強めるのが臨場感

ゴールを設定したときの、目の前の現実のゲシュタルトと、ゴールの世界のゲシュタルトに関しても同様のことが言えます。

原理上ゲシュタルトは2つ以上維持されないので、目の前の現実のゲシュタルトか、ゴールの世界のゲシュタルトかのどちらかしか選ばれないということになります。

そして、より臨場感が高い方が選ばれるということでした。

厳しいのは、現実の目の前にあるゲシュタルトの臨場感は異常なほど高いということです。

考えてみれば当たり前の話で、現実に目の前にあるのだから五感すべてを通じて物理的に感じ取ることができます。

実際に匂いをかいだり、手で触ったり、舐めてみたりできるほどです。 対してゴールのゲシュタルトは、頭の中には確かにあるものの、あくまで情報的なものなので、それだけでは臨場感が極めて低いといえます。

ということで、設定したゴールのゲシュタルトが選ばれる、つまりゴールを達成するためには、ゴールの世界のゲシュタルトの臨場感を高めていく必要があるといえます。  

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臨場感を高める具体的なワーク

ではどのようにしてゴールの世界の臨場感を上げていけばいいのでしょうか。

ひとつは、ゴールの世界の物理的な先取りをするということです。 たとえばあなたのゴールが芥川賞をとるような作家になるということだったとします。

この場合、自分が芥川賞をとったとしたら経験しているであろう物理的なものごとを先に経験してしまうということです。

芥川賞をとるくらいの作家なのだから、紀尾井町にある文藝春秋社には何度か顔を出したことくらいあるでしょう。

また、受賞後は都内のホテルで会見があるでしょうから、パブリックな場所に出ても恥ずかしくない服も持っているはずです。

このように考えていけば、ゴールの世界の経験はいくらでも思い浮かぶはずです。

それを先にやってしまい、そこで感じる情動や体感を蓄積し、いまはまだ臨場感の低いゴールの世界に付け加えていくのです。

そうすればゴールの世界の臨場感はぐんぐんと上がっていくでしょう。  

 

アファメーション

また、アファメーションを唱えるのも臨場感をあげるのには効果的です。

アファメーションとは、自分に対して唱える肯定的な言葉のことです。

アファメーションの作り方にはいくつかルールがあるのですが、その中に「うれしい、たのしい、気持ち良い、ほこらしい、すがすがしいといった感情を表す言葉を入れる」というものがあります。

これには、ゴールを達成できる自分であるという言葉に感情を喚起する言葉を乗せることで、より臨場感を高めようという狙いがあるのです。

芥川賞をとる作家になるというゴールであるとしたら、こんな感じでしょうか。

 

わたしは芥川賞をとるにふさわしい作品をどんどんと生み出す毎日を過ごしてて、そんな自分のことが誇らしくてたまらない  

 

こういったアファメーションを唱えることでも、ゴールの世界の自分の臨場感は高まり続けます。

臨場感が高まれば、そちらのゲシュタルトが採用されるということでした。

それはまさに、いま目の前にある物理的な世界が変わっていくということです。

そのプロセスが、ゴールを達成していくことに他ならないのです。  

《*アファメーションに関する詳しい内容はこちらを参考にしてください⇨「あなたを成功に導くアファメーションの作り方」》  

 

まとめ

ゴールを達成するには、ゴールのゲシュタルトの臨場感を上げる必要があります。

臨場感とは、五感を通じて生成される情動や体感に結びついたリアルな感じのことでした。

ゴールの臨場感をあげるには、ゴールの物理的な経験を先取りすること、アファメーションなどが有効であるということでした。

ぜひ参考にしてみてください。

 

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痩せられない人必見!ダイエットをしても痩せない真実の理由とは

 

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苫米地式認定コーチ、TICEコーチの高嶋芳幸です。

外見が物事の決定に大きく影響を与えることがあります。

恋愛はもちろんのことながら、外見は就職や出世にまで大きく影響を与えるという話はよく耳にします。

ことの是非はともかくとして、事実としてそういったことがあるのは否定できないでしょう。

そういう実情を意識してかどうかはわかりませんが、外見を磨くことに余念がない人はとても多いようです。

とりわけダイエットに関しては、比較的取り組みやすいという理由も相まって、多くの人が関心を寄せています。

実際に、ダイエット市場は2兆円規模だと言われています。

しかしその一方で、なかなか痩せられない、痩せたけどリバウンドをしてしまったという声をよく聞きます。

こういった場合に多いのが、現在取り組んでいるダイエット法が合わないと考え、次のダイエット法で再チャレンジというパターンです。

その際の選択肢はいくらでもあるでしょう。 次から次へと新しいダイエット法が生み出され、紹介されるからです。

しかし、方法を変えることで実際にうまくいくのかといえば、それは難しいと言わざるを得ません。

なぜならば、そこにはダイエットをする当事者のマインド(脳と心)を変えるという観点が抜け落ちているからです。

コーチングの理論には、ゴールに向けてマインド変えていくためにはどうすればいいのかについての明快な答えがあります。

今回は、ダイエットの多くがなぜ失敗してしまうのか、そして、どうすればダイエットを成功させられるのかについて説明したいと思います。  

ダイエット産業の今

10年ほど前、『人は見た目が9割』という本がはやりました。

当時は外見格差という言葉もなかったはずでしたが、多くの人が漠然と感じでいた感覚を明言したことが受けた要因なのでしょう。

5月30日号の『週刊ダイヤモンド』によると、2兆円規模にのぼるダイエット市場の内訳は以下の4つに分類されるそうです。

  • 医療市場
  • サプリメント市場
  • 健康管理市場
  • フィットネスジム市場

医療市場とは、美容整形外科やエステなのですが、この中には人間ドッグも含みます。

サプリメントは文字通りです。 健康管理市場とは体重計や痩身器具のことです。

一時流行った腹筋ローラーなどはこの中に含まれます。

そして、フィットネスジム市場では、最近いろいろと話題に事欠かないライザップなどが含まれます。

このような内訳は参考までに紹介しましたが、とにかく、いかに世の中がダイエットが興味があるのかがよくわかると思います。  

コンフォートゾーンとは何か

さて、それではここから、コーチングの理論に基づいてダイエットに対する分析をしていきたいと思います。

まずはコーチング用語である『コンフォートゾーン』という概念を理解してください。

コンフォートゾーンとは、その人が安心していられる領域のことです。

この場合の領域とは、物理的な空間に限らず、情報的な状態のことも指すのです。

たとえば、あなたの年収が400万円だったとしましょう。

年収400万円には物理的な実体はありません。

情報的な状態です。

年収400万円のあなたは、その状態が安心できる領域、つまりコンフォートゾーンになっているということです。

コンフォートゾーンは、調整機能を持ちます。

人間は安心できる領域をはみ出すようなことを本質的に嫌がるのです。

年収400万円の人が、何かをきっかけに年収200万円になったとします。

そうすると、それまでのコンフォートゾーンの外側に出てしまったのが不快でしょうがなくなり、あわててもとの年収400万円に戻ろうとします。

熱が出てもやがて平熱に戻るように、このコンフォートゾーンの働きは極めて自然に起こる現象です。

その意味で、生理的な作用であるといってもいいでしょう。

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コンフォートゾーンは良い悪いを判断しない

困ったことに、コンフォートゾーンの調整作用は、自分にとって都合のいいことにも強烈に働くということです。

先ほどの年収の例で、年収400万円の人が一気に年収1000万円になったとします。

そうすると、心では嬉しいはずなのに、無意識が「しまった、コンフォートゾーンの外に出てしまった」と考え、あわててもとの400万円にもどるような行動をしはじめます。

そこで無意識は、仕事で失敗したり、クライアントに嫌われるような行動をとらせはじめるようになります。  

ダイエットがうまくいかない理由

そんなまさか、と思われるかもしれません。

しかし、ダイエットに取り組んだことのある方には心当たりがあるのではないでしょうか。

せっかく一生懸命走ってカロリーを消費したのに、ご褒美だと言い訳をして甘いものを食べてしまう。

また、数キロ体重を落としたことにホッとして、お酒をたくさん飲んでしまう。

気がついて体重計に乗ってみると、いつもの見慣れた数字が並んでいる、そんなことが一度や二度はあったことでしょう。

せっかくカロリーを消費したり体重を落としたのなら、それを維持すればいいはずなのに、無意識のうちに元に戻る行動をとってしまうのです。

これこそがコンフォートゾーンの威力です。

こういったマインド(心と脳)の働きを無視して、いくら方法論を変えながらダイエットを続けても、効果が上がりにくいということがお分かりいただけたと思います。  

コンフォートゾーンを移行させる

ダイエットを成功させるためには、このコンフォートゾーンを移行させなくてはならないということがわかります。

体重60キロの人が、体重50キロに落としたいと考えていたとしましょう。

その人は、体重60キロの状態がコンフォートゾーンになっています。

この際、その人にとって体重60キロが望ましいかどうかは関係がありません。

あくまでその人の無意識が、自分は体重60キロの人間であると感じているということです。

ということは、その人が体重50キロになるためには、体重50キロが自分のコンフォートゾーンになるように感じられればよいということです。

コンフォートゾーンを移行するという感覚がつかめたでしょうか。

モチベーションはいらない

体重50キロにコンフォートゾーンが移ってしまえば、体重60キロの自分が嫌で仕方がなくなります。

自分が嫌になるというよりも、自分の無意識が嫌で仕方がなくなるということです。

もはやそこはコンフォートゾーンでないのだから当然です。 そうすると、あわてて体重50キロになるための正しい方法を探し出し、猛烈な勢いで実践し始めるのです。

さきほど、コンフォートゾーンに戻る行為は生理的な働きであると書きました。

つまり、そこに意識的な努力やがんばりは一切必要がないということです。

コンフォートゾーンが移行してしまえば、体重50キロになるための行為が努力と感じなくなくなるということです。

わざわざモチベーションを高めなくて良いということは、嬉しいことでしはないでしょうか。

 

《*正しいモチベーションの考え方に関する記事はこちら→「誰も教えてくれない正しいモチベーションの上げ方」》  

 

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ダイエットが成功するマインドの作り方

さて、それではどうやってコンフォートゾーンを移行させるのかについて、順番に説明していきたいと思います。

1:ゴール設定

まずはゴールの設定です。

コーチングにおいてもっとも重要な概念はゴール設定です。

ゴールがなければ変革は訪れようがないからです。

さきほどの例で言えば、体重50キロになるというのがゴールにあたります。 ただし本当のところ、この体重50キロというゴールはあまりいいものではありません。

体重50キロというゴールは、体重60キロのコンフォートゾーンを大きく逸脱するものではないからです。

体重50キロというゴールは、現状のコンフォートゾーンとあまり変わらないのだから、変わらなくていいやと脳が判断する可能性があります。

 体重60キロの人が体重50キロになるというのは、本人にしてみれば大きなことかもしれませんが、実際には大きな変化とは言い難いのです。

どのように対処するかというと、体重50キロというゴールをもっと巨大なゴールの一部にしてしまうという方法があります。

たとえば、体重50キロになった自分が100人の男性に言い寄られることをゴールにする、ということなどが考えられます。

このゴールの良し悪しはさておき、100人の男性に言い寄られる自分になるというのは、確実に今のコンフォートゾーンの外にあるゴールでしょう。

このようにできるだけ現在のコンフォートゾーンを大きく超えるようなゴールの一部として、ダイエットのゴールを設定することが大切です。

 

  《*ゴール設定に関する詳しい説明はこちらを参考にして下さい→「コーチング理論から考える正しい目標設定の方法」「コーチング理論から考える一歩先に進んだ目標設定の方法」》  

2:臨場感の勝負

ゴール設定ができた段階では、現在のコンフォートゾーンとゴール側のコンフォートゾーンの二つが存在していると言えます。

これはいわば綱引きのような状態であり、最終的にはより『臨場感』の強いコンフォートゾーンが採用されます。

臨場感とはリアリティーのことで、どれだけ本当の自分であると確信できるかの度合いです。

体重50キロというゴール側の臨場感が勝れば、あなたは行動を始め、実際に体重は減っていくでしょう。

しかし、現状のコンフォートゾーンの臨場感が勝れば、一時的に体重が落ちたとしても、すぐに元の状態にもどってしまいます。

ということは、どれだけゴール側のコンフォートゾーンの臨場感を高められるかがポイントであるとわかるでしょう。  

3:ゴール側の臨場感を高める

ゴール側のコンフォートゾーンの臨場感を高める方法はいくつかありますが、ここではアファメーションというテクニックを紹介します。

アファメーションとは、自分のゴールのリアリティ高まるような言葉を用意し、それを毎日唱える方法論です。

アファメーションを毎日唱えることで、自分の中に設定された体重50キロというゴールの臨場感はだんだんと高まっていきます。

それはいわば、マインド(脳と心)のレベルでのダイエットを行っていると言えるでしょう。

アファメーションの具体例をあげてみるとこんな感じでしょうか。  

 

私は体重が50キロで、100人の男性に言い寄られるような魅力的な女性です。毎日が自信にあふれ、どんどんと美しさに磨きがかかっていっているのが誇らしいです。

 

バカバカしいように思われるかもしれませんが、アファメーションは確実にあなたの無意識に響き、ゴール側のコンフォートゾーンの臨場感を高めてくれます。

こういった根本的なレベルでの変革を踏まえた上で、実際に具体的なダイエットに取り組んでみてください。

そうすると、驚くほどスムーズにダイエットは成功し、リバウンドとも無縁でいられることでしょう。  

 

《*アファメーションの詳しい説明はこちらの記事を参考にして下さい→「あなたを成功に導くアファメーションの作り方」》

 

まとめ

今回の記事はダイエットがテーマでした。

コンフォートゾーンの仕組みを理解し、無意識がゴール側を自分らしいと思えるようにすることが大切です。

そのためにはしっかりとゴールを設定し、アファメーションを用いてゴールの臨場感を上げるということでした。

参考にしていただけると幸いです。

 

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