文章力講座〜多くの人に届く文章の設計方法


 

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苫米地式認定コーチ、TICEコーチの高嶋芳幸です。

ブログで記事を書いている人は、できるだけ多くの人に記事を読んでもらい、できるだけ多くの人に共感をしてもらいたいと思っているのではないでしょうか。

もちろんそれは、ブログの記事に限らず、読者に読まれることを想定したあらゆる文章においても同様でしょう。

実は、多くの人に共感してもらうための文章を書くためにはコツがあります。

そこで今回は、文章力講座と称して、多くの人に届く文章の設計方法を公開したいと思います。

ちなみに、ここでいう共感とは、論理的に深く納得してもらうことを指します。

単に大多数の意見に迎合することではありません。

むしろ結論は大多数の意見とは違った視点になることが必然であり、それでもなお説得力を持たせるための技術を公開します。

この記事を読んでもらえれば、自分の視点をしっかりと提示しつつ、多くの人が思わず納得せざるを得ない文章を書くヒントになるはずです。

 

参考記事

わたしの記事に、「職場の人間関係に疲れた人が意識するべきたったひとつのこと」というものがあります。

この記事は、職場で起こりがちな人間関係の摩擦を例にあげ、その根本的な原因と解決方法について解説したものです。

わたしが普段意識している文章設計術に基づいて書かれた、典型的な記事です。

なので、この記事を例として分析する形で、今回の記事を書き進めたいと思います。

未読の方はぜひご一読の上、この先を読み進めてください。  

 

問題発見

文章を書くことは、世の中の問題を発見するところからはじまります

問題というとなんだか大袈裟な気がしますが、誰かが困っている具体的なこと、くらいの理解で問題ありません。

なんらかの主張を提示する文章は、基本的に問題を発見し、自分なりの解決方法を提示することによって成り立っています。

だからこそ最初の第一歩は問題発見なのです。

「職場の人間関係に疲れた人が意識するべきたったひとつのこと」では、以下のように問題を提起しています。  

 

 

職場の人間関係のストレスの結果、病気になってしまったり、仕事をやめてしまったりという話をよく聞きます。

本来なら、仕事は人生における要素のひとつに過ぎません。

ですが多くの人にとって、仕事が人生において重要な位置を占めているのも事実です。

ということで今回の記事は、職場の人間関係を改善させる方法について書いてみたいと思います。

 

タイトルからもわかるように、職場でストレスを感じてしまうような人間関係をどうにかできないものか、という問題意識がこの記事のスタートです。

問題を探す際のコツですが、なるべく多くの人が困っているであろうことを選ぶとよいでしょう。

たとえば、「スニーカーの紐を結ぶのが嫌で嫌でしょうがない、どうしましょう」という問題を設定したとしても、あまり多くの人には役に立たないでしょう。

あえてニッチな問題を取り上げ、それを一般化するという手法もありますが、今回の記事の趣旨とは違ってくるのでここでは取り上げません。

とにかく、「職場の人間関係に困っている」のように、ある程度多くの人が直面していると予想される問題を発見するべきでしょう。  

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一般的な解決方法を探る

次に行うのは、取り上げた問題に対して、世の中はどのような解決策を提示しているかをリサーチすることです。

もちろん自分の中の予想でも構いませんが、今はインターネットでいくらでも調べられるので、多くの人がどのように考えているのかを一度調べてみるのがよいでしょう。  

ネット上では、「職場の人間関係」の解決策には以下のようなものがありました。  

 

・あいさつをする

・相手を無視しない

・悪口を言わない

・返事をする

・話し合う

 

こういった問題解決方法を列挙して、よく観察します。

視点をひとつあげてみると、これらがある共通項でくくれることに気がつきます

実際に「職場の人間関係に疲れた人が意識すべきたったひとつのこと」では、次のような視点を提示しています。

 

いまあげた方法をみてもらうと分かると思いますが、コミュニケーションを円滑に進める、というのが基本的な改善方法です。

 

このように、世の中の多くの人間関係改善法は、コミュニケーションを円滑に進めるという観点から出されているということがわかりました。

この段階では、一般的な解決方法をしっかりと踏まえることが大切です。

 

炎上

少し話が逸れますが、ネットよく見られる「炎上」の仕組みについて書いてみたいと思います。

炎上とは、自分の主張がネガティブな評価とともに急速な勢いでネット上に広がることです。

実は、炎上を起こすのはさして難しいことではありません。

世の中のよくある意見をとりあげ、真逆の意見を提示しつつ、もとの意見を徹底的にこき下ろせばよいのです。

さきほどの人間関係改善法の「あいさつをする」という意見から考えてみましょう。

真逆の意見は「職場の人間関係に困っても、あいさつなんてすべきでない」というものです。

「なぜ自分を追い込む人間に媚びるようなことをしなければならないのだ」とか、「あいさつをすべきだという根拠はそもそもない」とか、「あいさつなどできなくても、職場では本来仕事の生産性のみで評価されるべきだ」とか、その根拠はいくらでも作り出すことはできます。

だから、「職場の人間関係」に困ったときに、「あいさつをしよう」なんてのんきなことを言っているやつはバカだ、現実をわかっていない愚か者である、などと結べば良いのです。

そうすれば、一定数の人は必ず反応し、それの数が多ければやがて炎上と呼ばれる事態となります。

これは、世の中の多くの意見は相対化できる、つまり、反対意見を提出することができるという性質を利用したものです。

そして、想定した意見(あいさつをすべきだ)が、誰にも簡単に理解でき、常識的で、かつ良いことだろうと思われがちなことがポイントです。

このような炎上的な文章の構築方法は、単純な反対意見を提出することにより、議論を活性化させるというメリットはあるものの、多くの場合不毛な罵倒合戦になってしまいます

罵倒しあったのち、結論が出ないままになってしまうことがほとんどです。

イメージとしては「朝まで〜〜」でくり広げられている光景のような感じでしょうか。

 

視点を上げて批判する

さて、話をもとにもどしましょう。

職場の人間関係に困ったとき、多くの解決方法はコミュニケーションを円滑にするという意図をもつものでした。

次のステップは、この考えを批判的に検討していきます

わたしが想定した視点は以下のようなものです。 たしかにコミュニケーションを円滑にすれば人間関係が解決するかもしれない。

しかし、絶対にそうだとは限らない。

実際にあいさつをしても、人間関係が解決しなかった例は容易に想像がつく。

だとしたらこの問題は、そもそもなぜ人間関係は悪くなってしまうのかまでさかのぼって考えるべきなのではないか、というものです。

これは、すでに提出された多くの解決方法よりもひとつ上にある視点であると言えます。

こう考えることで、世の中の多くの解決方法は、人間関係を悪くする原因や、その解決方法に触れることができていないという批判的な意見を提示することができます。

この視点は、「炎上」を作り出す際の単純な反対意見とは根本的に異なるものです。

炎上における反対意見はあくまで同じ土俵の上の反対意見であるのに対し、ここで提出している視点は、ひとつ次元を上にあげた新しい視点であるからです。  

 

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批判に対する答えを出す

次に考えることは、世の中の多くの意見が解決できていない、「そもそもなぜ人間関係が悪くなるのか」という問いに答えることです。

「職場の人間関係に疲れた人が意識するべきたったひとつのこと」では、コーチングにおけるゴールという概念を導入し、ゴールの食い違いによって人間関係が悪くなるのだと主張しています。

ゴールとは、その人が心から達成したいとのぞむもののことですが、この場合は、「単純に目指している目標」くらいのことも含んで考えてください。

記事では、営業マンと部長の間の人間関係の軋轢を以下のように説明しています。  

 

 

あなたは出世するというゴールを抱き、そのために営業成績を上げる必要があると考え、実際に結果を出しました。 一見何の非もないように見えます。

ですがこのとき、部長が想定していたゴールはいったいなんだったのだろうか、と考えてみて欲しいのです。

仮に部長は、個人個人の成績をあげるということよりも、部内の結束を高めることに重きをおいていたとします。

だとしたら、営業成績を抜群に上げてしまったあなたは、ほめられるどころか、一人だけ勝手に行動しておいしいところどりをしたずるいやつだ、と判断されてしまう可能性すらあるのです。

 

この例のように、世の中の人間関係の問題は、互いのゴールの違いによって生じるのではないかという主張です。  

 

答えをもとにして改善方法を提出する

ここまでの流れをまとめてみましょう。  

問題提起(人間関係の問題がある)

一般的な解決方法(コミュニケーションを円滑にすることで解決するべき)を探る

一般的な解決方法を批判的に検討する(それだけでは解決しない、そもそもなぜ人間関係が悪くなっているかはわからない)

一般的な解決方法にはない視点の提供(人間関係が悪くなるのはゴールが食い違っているからだ)   となります。  

最後の段階でやるべきことは、一般的な解決方法にはない視点を用いて、実際に問題を解決できるように導くことです。

記事では以下のようなステップでそれを提案しています。  

 

1:相手と自分のゴールを観察する

2:お互いのゴールを含む、より大きなゴールを設定する

3:より大きなゴールという観点から相手と関わっていく

 

具体的に説明すれば、部長のゴールをしっかりと観察し、自分のゴールも部長のゴールも満たすようなより大きなゴールを設定し、それを実現できるような関わり方をする、という提案です。

こうして、はじめてに提起した問題に対し、既存の解決方法とは違う次元での解決方法を提出することができました。  

 

視点の移動は抽象度の操作

一連の流れを見てもらえるとわかりますが、はじめに提出した問題から常に行ってきたのは、視点の移動です。

この場合の視点の移動とは、目の前にある問題や意見をより外側から観察するというものです。

この問題はこう解決すればいいのではないか、この意見はまとめるとこういうことを言っているのではないか、この意見ではこういうことに対する答えが抜けているなど、外側から問題や意見を捉え、それぞれ解決できるような視点を探り続けます。

このような視点の移動は、抽象度の移動と呼びます。 問題や意見を批判的に検討していく作業は、抽象度をより高いところから観察していくという作業です。

抽象度が高い視点から出した意見は、それだけ本質的な解決策を提示することになります。

だからこそ、世の中にある問題をできるだけ抽象的な視点から眺めて解決することが必要なのです。

抽象度の低いところから出した意見は、あなたが地上に立ってボールを投げるようなものです。

ある程度までは届くでしょうが、あまり遠くまで投げることはできないでしょう。

抽象度の高い視点から意見を出すということは、高い空の上からボールを投げるようなものです。

それだけ遠くへと届く可能性を持っています。

この例からもわかるように、できるだけ多くの人に深く納得してもらう文章を書くためには、抽象度を高く移動させ、その上で意見を発信することが大切なのです。

 

まとめ

この記事では、多くの人に届く文章の設計方法について書きました。 抽象度を上げながら視点を移動し、その上で問題に対する答えを出す、というのがその方法でした。

参考にしていただけると幸いです。

 

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