「感情に任せて子供を怒る親や教師に読んでほしい指南書」

 

この記事には、感情に任せて子供を怒る親や教師を批判し、どうすればその状況を改善できるかについての視点が書かれています。


感情に任せて怒ることで子供を指導をする親や教師が多く存在します。
私は教育の現場に長くいましたので、そういう親をや教師をたくさん見てきました。そんなときは、私が介入できる範囲でそういった事態を解消しようと試みました。上手くいったときもあれば、そうでないときもありました。怒られる子供はみな一様に、実に苦しそうでした。そんな経験をたくさんしたからか、私は感情に任せて怒るという行為が嫌いです。私も人間なので人に対して感情的になってしまうときもありますが、なるべくそうならないように訓練を続けています。感情に任せて子供に怒るという問題に対して、私たちはどう考えていけばいいのでしょうか。

怒ることと叱ることの違いは、怒る(叱る)側の動機の抽象度の違いです。抽象度(levels of abstraction)とは、ここでは視点の高さの違いと捉えておきます。怒る際の動機は、自分が腹が立ったからです。子供のためだとか、生徒のためだとかいろいろと言い訳はしますが、本音では自分が腹が立ったからとしか思えない指導があり、それを怒るというのです。一方で、叱るとは、自分もこのことを相手に伝えたいという思いと同時に、相手の成長のためにはこのことを理解しておいたほうがいいという思いが動機となるものです。ここでは、自分と相手を同時に維持する視点があります。これは、怒るよりも高い抽象度であると言えます、このように、「怒る」は自分だけという抽象度の動機に基づくものであり、「叱る」は自分と相手を含む抽象度の動機に基づくものと定義しましょう。

怒ることの問題点は、セルフエスティーム(self-esteem)が育たないことです。セルフエスティームとは、自尊心のことであり、自分の価値に対する自己評価のことです。先ほど感情にまかせて怒るということは、自分だけのための行為であると言いました。怒られた方からすれば、こちらのことはお構いなしで、感情をぶつけられたわけです。しかも怒る内容に部分的な正当性があったりするから困ったものです。たとえば宿題をしない子供に向かって「さっさと宿題をしないか!」などと怒鳴る場合です。宿題はする必要があるのもわかるということで、子供は全面的に感情ごとそれをかぶってしまいます。だからいつの間にか、自分は至らぬことがあれば、親の感情の都合に任せて怒鳴られるような価値の人間なのだとなります。こういうことが続けば自尊心は養われないでしょう。


親や教師が子供を怒る際には、怒る対象となる子供の至らぬ点以外のことがロックアウト(lock out)されています。
ロックアウトとはロックオン(lock on)と対になる概念で、認知が限定されてしまっていることを意味します。例えば、映画を集中して見ている時は、映画にロックオンして、座席の座り心地はロックアウトされているという状態です。ロックアウトされたもの全ての物事をスコトマ(scotoma)といいます。ロックオン/ロックアウト、スコトマが生まれること自体が悪いわけではありません。人間としてあるべき状態です。ただし、何かがロックアウトされスコトマが生まれてしまっているという可能性を忘れることが問題です。子供の至らぬ点にのみロックオンし、至らぬ点があるから怒ってもいいのだと正当化し、何の吟味もなくただ感情的に怒るということが問題なのです。


感情に任せて怒る(怒りそうになる)自分を発見したら「子供の至らぬ点にロックオンされた結果、何がスコトマになっているのか」というセルフトーク(self-talk)をすることが重要です。
セルフトークとは自分で自分に語りかける言葉のことです。もちろんこれでロックアウトされたところが見えればよいですが、仮にすぐに見えなくても問題ありません。ただ感情に任せて怒るのではなく、「何かスコトマがあるのでは」という吟味を与えることが重要なのです。そのことにより、次第に落ち着いてきます。落ち着いてくれば、IQが回復しますので、何か見えてくるものがあるはずです。


落ち着いた上で、必要であれば叱りましょう。
IQを取り戻し、ロックアウトされたものがいくらか見えてきた上で、総合的に判断して必要であれば、落ち着いて叱ればいいのです。「こういう理由で~~はよくない。そんなことをするなんて君らしくないよ」と淡々と伝えればいいのです。子供の自尊心を傷つけず、良くない点を一度だけ認識させ、次の成長につなげる指導はとても重要です。そして子供の成長は、親や指導者に喜びをもたらしてくれるはずです。このような自分も相手もハッピーになれるような視点から注意を与える指導を叱ると言いました。もちろん、ロックアウトされたスコトマはどこまでいっても外しきれるものではありませんが、脊髄反射的に感情に任せて怒るような代物よりは、遥かに妥当で、子供のためになる指導ができるでしょう。

 

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「人のために」なることなんて即やめなさい


苫米地式認定コーチ, TICEコーチの高嶋芳幸です。

 

「人のためになることをしたい」

 

私のもとに相談に来られる方の中には、そのようにおっしゃる方がいます。

そして実際に、その人の思う人のためになるような行動をとっているようです。

また、「人のために」を大きく前に掲げて活動している方も多くいます。

では、そういった人達がハッピーになっているかといえば、必ずしもそうではないように見えます。

これは何も私の主観ではなく、その後そういった人がどのように感じるかを聞いてみると、

「人のためになるように一生懸命やっているのに報われない」

という内容に集約されるからです。

さらに、これはあくまで主観ですが、どこか不自然に感じるそういう「人のため」には、実際、相手のためにもなっているようには見えません。

なぜこんなことが起きるのでしょうか。

そこでこの記事では、

「人のためになることをしたい」

「人のためになることはいいことだ」

「人のために私はこういうことをやっている」

「人のためになることをやっている自分は正しいのだ」

などといった宣言に対して、

「本当にあなたの言う『人のために』は正しいのか」という視点を提示したいと思います。

 

「人のために」の脳の仕組み

まずは脳の仕組みの話から入りましょう。

人間が進化を遂げた結果獲得した脳の部位に、前頭前野と呼ばれるものがあります。

前頭前野はちょうどおでこの裏側にあたりにあり、そこではおおまかに分けて二つの機能が作用しています。

一つ目の働きは、論理的に物事を考えることであり、二つ目の働きは情動的に物事を感じることです。

それぞれの働きの対応箇所は、前頭前野外側部前頭前野内側部と呼ばれます。

前頭前野外側部の論理的に考える働きというのは、物事を推論したり、計画したりといった人間の知的活動全般に関わる機能であるといえます。

一方、情動的に物事を感じるとはどういう働きでしょうか。

実はこのときの「情動的」とは一般にイメージされるような単なる感情の動きとは違います。

一般にイメージされる感情の動きとは、扁桃体と呼ばれる部位が機能した際に生じるもので、生命維持の本能に直結した、個人的、利己的な感情のことです。

前頭前野内側部が働いた際の情動は、そのような自分の欲望だけに忠実な次元の低い情動ではなく、他人を含む広くみんなのことを思いやり、その成功を心から喜ぶことができる情動です。

こういった情動を、単なる自分のための欲求からくる情動とは区別して、社会的情動と呼びます。

 

社会的情動は教育によって強化していく

人間にはこのような社会的情動、つまり、他人のことを思いやり、その成功を心から願うような脳の働きが備わっています。

ところが、人間ならばこの機能が誰でも等しい水準で働くのかといえばそうではありません。

このことは、広く世の中を見回せば当たり前の話として理解できるでしょう。

自分の我欲だけにとらわれて行動しているように見える人の例を山ほどみつけることができます。

もちろん、そういう人で埋め尽くされてしまえば、社会は滅びてしまいます。

社会が滅びてしまえばいいかどうかはここでは議論しませんが、まあ、よくないことでしょう。

だからこそ、必ずしも自然に獲得できるわけではない社会的情動の働きを、私たち人間は後天的に学習していかなくてはならないわけです。

そのためには、子供に対しては教育(ここでの教育は親が分担するようなしつけの部分も含みます)の中でそういった働きかけを行い、大人に対しては、脳の仕組みを知的に理解してもらい再教育していく必要があるのです。

とにかく、どこまで達成しているかは別として、人間には人の役に立って嬉しくなるという脳の働きが実際にあるということはお分りいただけたと思います。

 

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スコトーマとは認知的盲点のことである

ここでひとつ、コーチングの概念を導入したいと思います。

スコトーマです。

コーチングを学ぶみなさんにとってはおなじみの概念ですが、少しだけここで説明しましょう。

スコトーマとはもともと生理学の用語で、人間の目の仕組み上、どうしても盲点になってしまう箇所のことを言います。

網膜には中で脳と直結した視神経が集中している箇所があり、その部分はちょうど穴上に盲点となってしまうのです。

コーチングの理論の中では、この用語の「盲点」というコンセプトを借用してを拡張し「物理的、情報的を問わず、認識できない物事、あるいはその領域」のことをスコトーマと呼びます。

このことから、スコトーマのことは「認知的盲点」と呼ぶこともあります。

たとえば、あなたはいまこの文章を読んでいる時、そばでごうごうと鳴っているエアコンの音をのことを忘れているはずです。

また、スマートフォンでこの記事を読んでいるとしたら、その際の手がスマートフォンに触れている感触も忘れているはずです。

私がこのように書けば、それらは再び認識に上がったはずですが、それまでは認識の外側に追いやられていたでしょう。

決して聞こえていない、感じていないわけではないのですが、人間の脳はそのように特定の認識を隠したりするのです。

このような認識の外側を前提とした、その対象、作用、領域のことをスコトーマと呼びます。

 

なぜスコトーマが必要なのか

では、なぜスコトーマができるのでしょうか。

人間には、重要性に基づいて情報を認識し、重要なものには意識を向け、そうでないものには意識を向けないという性質があるからです。

あなたがもしカフェの店員だとしたら、街に新しくできたカフェが比較的容易に認識にあがってくるはずです。

それはあなたにとって、カフェが重要なものだからです。

重要なものが決まるということは、相対的に重要ではないものも決まります。

大事だと感じているものに関する情報は欲しいでしょうが、そうでもないものに関する情報がぽんぽんと自分の中に入ってきては困ります

そこで大事でない情報はスコトーマの中に隠してしまい、認識に上げなくしてしまうのです。

先ほどの例でいえば、この文章を読んでいるのに(大事なこと)、いちいちエアコンの音(さほど大事ではないこと)が意識に上がってきては邪魔で仕方がないでしょう。

このように、人間の脳は極めて自然なこととして、極めて容易にスコトーマを作るのです。

 

正しさを作り出す

さて、人のためになることをしようと思っているのに、なかなかハッピーになれない人の脳内はどのような状態なのでしょうか。

人間の脳の仕組みからすれば、人のためになることを心からやりたいと思っていればハッピーを感じられるはずでした。

にもかかわらずハッピーではないということは、社会的情動を感じるような正しい形での「人のため」をやれていない可能性があります。

そして、おそらくこの場合、「人のためにやる」という行為を行うことで何か大きなスコトーマを作っていると考えられます。

このときのスコトーマとして一番考えられることはなんでしょうか。

それは、自分に目を向けるということでしょう。

人という他者にフォーカスをすることで、自分にフォーカスをすることをスコトーマに隠してしまっているということです。

もしかしたら、「人のためになることをする」と言っている人は、そういうことをやることで、自分を褒めてもらいたいという欲求が強くあるのかもしれません。

あるいは、人よりも優位に立ちたいという欲求があるのかもしれません。

コーチングの世界では、これらはいずれも自己評価の低さに起因すると考えます。

自分を自分でしっかりと評価できていれば、本来であれば他者の評価など不要なはずです。

もし、それができていないのであれば、そのような自己評価の低い自分を観察し、自分の望ましい方向へと淡々と改変していくことがよいはずです。

そしてそのツールとして、コーチングの理論は大変すぐれたものとなっています。

しかし、自分を冷静に観察することが難しく、それを避けたいものだから、わざわざ他者にフォーカスをし、自己観察や自己改変の作業をスコトーマに入れてしまうケースは多く見られます

その上そこに、「人のためになることをやる」という社会通念上「良いこと」とされている建前が入り込むことで、ますますその行為の正しさが保証され、スコトーマが強くなってしまいます

ますます自分が見えなくなるということです。

あるべき「人のため」とは社会的情動がしっかりと働いている状態のことでした。

しかしこれでは、自己観察を避けたいという扁桃体優位の我欲のために、社会的に良いこととされている「人のため」を表面的に利用しているだけにすぎません。

このような「人のため」を繰り返せば、周囲は混乱し、本人もますますハッピーから遠のいてしまうことでしょう。

当たり前ですが、本当に意味で人のためになることなんてできるわけがありません。

 

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抽象度とは何か

では、そういった状況に対して、どのように考えていけばいいのでしょうか。

コーチングには、抽象度という概念があります。

難しい定義はここでは書かず、ここではその運用を実際に見てもらうことで、この概念を理解していただきたいと思います。

まず、目の前にコーヒーと紅茶があると想像してみてください。

湯気が立ち、辺りには香りが立ち込めています。

このまま想像をめぐらすのもいいのですが、概念としてのコーヒーと紅茶について考えてみて欲しいと思います。

これらの共通点はなんでしょうか。

むろん、いずれも飲み物です。

いま、思考のプロセスをたどったように、二つ以上の物事の共通点を引き出した上で、それらの物事を包含した概念を作り出すプロセスを抽象度が上がったといいます。

このときの抽象度とは、視点の高さそのものでと考えることができます

たとえば、会社組織を考えてみましょう。

平社員は業務を平社員という視点でしか見ませんが、平社員全体を包含する課長は、業務を「平」のひとつ上の抽象度の「課」全体の視点で眺め、判断を下します。

もちろん実際にそのような平社員、課長ばかりではないでしょうが、少なくとも役割としてはそのようなことが期待されるはずです。

このように、抽象度が上がるということは視点が上がることそものもなのです。

 

視点を上げて「人のために」を観察する

人のためにやっているのに何だかうまくいかない、そのような人は、その「人のために行っている」の「人」という他者をひとつ上の抽象度から観察するとよいでしょう。

他者だけのフォーカスするのではなく、他者と自分をひとつ上の抽象度から同時に観察する視点を作り、眺めてみるということです。

そうすることで、「人のためにやっていること」に対する様々な仮説が浮かび上がってきます。

 

・それは本当の意味で人のためになっているのか、自分がそうしたいからといって、かえって相手の成長を奪っているのではないか

・人のためになっているかもしれないが、自分を不幸にしていないか

人のためにと口で入っているが、ほんとうは自分と向かい合うことから逃避しているだけではないのか

・人のためにを自分を正当化する錦の御旗にしてしまっているのではないか

・人のためにという反論し難い建前をかかげることで、周囲をコントロールしようとしているのではないか

・人のためにということで、褒められること、評価されることを期待しているのではないか

 

このように、自分と他者をひとつ上の抽象度から見れば、「人のために」がもしかしたら正しくないかもしれないという視点がたくさん出てきます

もしこういったところが自分にあるとしたら、それは本当の意味での人のためではなく、結局のところ自分のためであるということでしょう。

 

常に高い視点から自己、他者、状況を確認しよう

そのような自分を発見してしまったとしたら、一体どうすればいいのでしょうか。

まずは発見したことを素直に喜べばよいでしょう

発見したからこそ、この先良い方向へと変えることができるからです。

そこでわざわざ自己評価を下げる必要はありません。

そして次は、「人のためという建前でさまざまなものをスコトーマにしてしまっているなんて、自分らしくない、次はしないぞ」と解釈を与えます。

基本的にはこれを繰り返していくだけです。

私たちはつい、「人のため」、「利他」、「組織のため」、「みんなのため」、「あなたのため」という言葉に騙されてしまいます。

他人から言われても騙されてしまいますし、恐ろしいことに、そういった言葉で自分自身を騙してしまうことすらあるのです。

それは私たちが、人のために何かすることが本質的には正しいことであり、大きな喜びを生む素晴らしいことだと強く実感しているからでしょう。

だからこそ私たちは、抽象度を上げ、自己と他者をダイナミックに観察し、状況を見ながら、より望ましい方向へ進むように瞬間ごとに判断していく必要があるのです。

そういったアプローチを繰り返すことで、自分のための「人のため」は、だんだんと本当の意味での「人のため」となっていくでしょう。

やがて、大きな幸福感を感じられるようになるはずです。

 

まとめ

「人のため」に一生懸命なのに、なぜだかハッピーになれない、なぜだか周りに満足を与えられないという状況について書かれた記事でした。

「人のため」という反論し難い建前を掲げることで、自分や状況をスコトーマに入れ、観察できていないからこそ本当の意味での「人のため」ができていないということでした。

抽象度を上げ、高い視点から観察を繰り返すことで、少しづつ本当の意味での人のためになることを行えるようになるべきであるということでした。

参考になりましたら幸いです。

 

教育のプロが教える、頭がいい人が共通して持つ能力

 

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苫米地式認定コーチ、TICEコーチの高嶋芳幸です。

ある子供の指導を長期間していると、だんだんと頭が良くなっていく様子がよくわかります。

表面的には、話すことが大人びてきたり、テストの点が良くなってきたりと子供によっていろいろですが、本質的なところの成長はどの子供も共通です。

成長のポイントはふたつあり、ひとつは「抽象度の操作能力」、もうひとつは「知識の獲得能力」です。

これらが上手になればなるほど、どんどんと頭がよくなっていきます。 頭がいい人が持つ能力そのものであるといってもいいでしょう。

また、大人でも、この人は頭がいいなあと感じる人は、これらの能力が極めて高いと感じます。

この記事では、「抽象度の操作能力」、「知識の獲得能力」について解説し、頭がよくなるためのヒントを提示していきたいと思います。  

 

抽象度操作能力

抽象度とは

抽象度とは何でしょうか。

「希望の大学に合格した」という事実があったとします。

また、「大好きな人と結婚した」という事実もあったとします。 これらの共通点は何でしょうか。

「嬉しい出来事」とでも考えることができます。

次に、「嬉しい出来事」の横に、「悲しい出来事」を並べてみます。 これらの共通点は、「出来事」ということになります。

このように世の中の物事は、共通点の有無によって上下関係を作っていくことができます。

さきほどの例で言えば、あとにいくにつれてだんだんと上にあがっていくようなイメージです。

このような上下関係を抽象度といいます。  

 

抽象度を操作する

抽象度は操作することができます

操作というとなんだか難しく聞こえますが、実は頭の中では自然に行われていることです。

たとえばあなたが、「こないだ猫が車にひかれそうになってて、危ないと思ったら猫がジャンプして、車のボンネットに着地したんだよ。

すごいと思わない?」という話をしたとします。

気の置けない友人同士のあいだではいかにもありそうな会話でしょう。

実はこの何気ない会話の中では、抽象化が起こっています。

起こった出来事の具体的な説明がはじめにあり、最後に「これはすごいことである」という抽象化が起こっているということです。

このように、抽象度の操作、つまり抽象度の上げ下げは、思考の中では極めて自然に行われているのです。  

 

抽象度の操作が上手な人は説明が上手

思考する際には自然に抽象度の操作をしていると言っても、それが上手かどうかは人によってバラバラです。

たいへん上手な人もいれば、そうでもない人もいます。 では、抽象度の操作が上手であるとはどういう状態なのでしょうか。

ひとことで言えば、状況に合わせて適切な抽象度が選択できるという状態です。

さきほどの会話が、「こないだ生き物が危ない目にあってて、とっさの行動をとったと思ったら、普通は起こらないような結末になったんだよ。

すごいと思わない?」という内容だったとしてみてください。 なんだかよくわからないでしょう。

前半の具体的な説明が、抽象的すぎて中身が想像できないからです。

このように、物事の思考や説明には適切な抽象度があります。

 

状況に合わせて適切な抽象度を見抜き、実際に抽象度を操作しながら思考や説明を進めていけることが、頭がいい人の条件であると言えます。

 

ものごとの本質をつかむ

抽象的な説明はわかりにくいという側面があるので、悪いことのように思えますが、実はそうとは限りません。

適切に抽象度の高い表現であれば、ものごとの本質をシンプルに表しているという良い側面があります。

たとえば、数学などはその代表例でしょう。 1 + 1 = 2 という式も、世の中にあるどのようなものであれ、一つのものと一つのものを足し合わせると、二つのものになるという本質的な原則を表現しています。

本質をシンプルに表現できれば、それを広い範囲に応用して使うことができます。

1 や 2 にどのようなものを入れても成り立つということは、それだけいろいろなことに使えるということでしょう。

ポストとポストを足せば、二つのポストになりますし、国と国を足しても二つの国になります。

このように抽象度の高い思考は、本質をつかむことであり、いろいろなことに応用した考え方ができるという側面があります。  

 

対機説法

ところで、仏教の概念で対機説法というものがあります。

仏の教えを聞いて修行する能力のことを機根といいます。

仏教では、相手の機根にあわせて教えを説くことが推奨されます。

そうでなければせっかくのありがたい教えも、相手が理解できなかったり、間違った理解をしてしまうからです。

この対機説法は、相手の抽象度に合わせて説明の抽象度を操作することであると言えます。

ありがたい教えは、抽象度が高く本質的なものであるはずです。

だとしたら、人によっては抽象的すぎてなんだかわかりにくいということになりかねません。

すべては無常である、と言われてもなかなかピンとこないでしょう。

だからこそ、その人の抽象度に合わせて説明してあげることが重要なのです。

抽象度があまり高くない人には、具体的なたとえ話をたくさん交えながら、段階を踏んで説法をしていきます。

事実、釈迦が語ったとされるたとえ話はたくさん残されています。

極めて本質的で抽象度の高い教えを、その人の抽象度に合わせてさまざまな教えが展開されたからこそ、大昔の教えがいまも残されているのです。  

この対機説法からもわかるように、頭のいい人とは、場面に合わせて抽象度の上げ下げを上手にする能力の高い人であると言うことができるでしょう。  

 

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知識の獲得能力

知識とは

知識とは何かについての哲学的議論には、たいへん長い歴史があります。

ここでは知識のことは、正しい認識のことであると理解しておけば良いでしょう。

ちなみに、知識そのものは情報化されたものですが、もう少し具体的な身体レベルで運用されるものを技術といいます。

その意味で知識と技術は、現れ方の違いこそあるものの、本質的には同じものであると言えるでしょう。  

 

知識が必要な理由

頭が良くなるためには、大量の知識を獲得する必要があります。

なぜでしょうか。

具体的に考えてみましょう。

この世界に、「りんご、バナナ、みかん」という三つの知識があったとします。 それらの共通点にくだものという名前をつけました。

上述した抽象化がひとつ起こったのです。

さて、ここに新しい知識「マグロ」が加わったとします。

そうすると、「りんご、バナナ、みかん、マグロ」の四つの知識を抽象化するには「くだもの」では不適切です。

だからそれら四つの知識を抽象化した共通点として、「食べ物」という名前をつけました。

このように、新しい知識を獲得することではじめて新しい抽象化が起こります。

裏を返せば、新しい知識を獲得することなしには抽象化が起こらないということです。

抽象化が起こらないということは、先にあげた抽象度を自由自在に操作するということができません。

できたとしてもたいへん貧しいものになります。 だからこそ大量の知識を獲得することが大切なのです。

 

スコトーマ

ここでコーチングの概念であるスコトーマについて説明したいと思います。

スコトーマとは、認識上の盲点、またはその中に隠れた知識のことを意味します。

わたしたち人間は、この世界をありのまま見ているような気になっていますが、実はまったくそんなことはありません。

それどころか、わたしたち一人一人がそれぞれまったく違う偏り方でこの世界を見ています。

たとえば、ある人が森の中を歩いていたとします。

その歩いている人が、いわゆる一般の人である場合と植物学者である場合では、見えている世界がまったく違うということは、少し考えれば分かるでしょう。

植物学者は植物に関する知識がたくさんありますから、この木はめずらしいなとか、この森は古くからあるなとか、さまざまなことに気がつきます。

ところが、一般の人は知識がないので、そういったことが認識にあがりません。

このような認識にあがらない知識のことを総称して、スコトーマと呼ぶことができます。  

 

新しい知識がある場所

さて、そうすると、新しい知識はどこにあるのかということがわかってきます。

その人にとっての新しい知識は、その人のスコトーマの中に隠れているのです。

ここで厳しいのは、スコトーマの中にあるものは本来認識できないという事実です。

さきほどの例のように、普通の人にとって、深い植物の知識はスコトーマの中に隠れています。

隠れているのだから、当然その知識を認識することはできませんし、場合によってはそこに新しい自分の知らない知識があるということにも気がつきません。

新しい知識を学ぼうと思っても、学べないことになります。 結果的に多くの人は、新しい知識を学ぼうと思っても、実は今までの自分の知識の中で新しいことを学んだ気になっているだけ、という状況に陥ってしまいます。

新しい知識を獲得するのはこのような構造的な難しさがあるのです。

 

学ぶことが上手な人

学ぶことが上手な人、言いかえると本当に頭のいい人とはどのような人でしょうか。

スコトーマに隠れた知識を学ぶことができる人である、と言うことができそうです。

たとえば、セミナーや講義をすると、「それはもう知ってる」という反応をする人がいます。

残念ながらこういった人は、学ぶことが上手な人ということはできません。

自分のすでに知っている知識をもとに、こちらの言っていることを知っていると判断した結果、もののみごとに新しい知識をスコトーマに隠してしまっているのです。

こちらが新しい知識を提示しているにもかかわらず、その人が認識の盲点に入れて受け取らないということです。

学ぶのが上手な人はこういう反応をしません。

常に自分にはスコトーマが存在し、そのスコトーマの中にこそ自分にとっての新しい知識があるのだとよく理解しています。

だからこそ、ものごとに対して「もう知っている」、「ぜんぶわかった」という早計な判断を下すことはしません。

もちろん、ほんとうにそう感じた時はそう表現しますが、よくわからないものに対して早計な判断をすることはないのです。

そのように判断をいったん停止し、スコトーマの中にある新しい知識を見ようとする態度こそが真に知的な態度であり、頭のいい人の能力でもあると言えるでしょう。  

 

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まとめ

この記事では、頭がいい人の持つ能力について説明しました。

一つ目は抽象度の操作能力であり、二つ目は新しい知識を獲得する能力であるということでした。

参考にしてくださると嬉しいです。

 

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片思いを成就させる禁断の5(ファイブ)ステップ


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苫米地式認定コーチ、TICEコーチの高嶋芳幸です。

とある会社で働いている女性に、恋愛の相談を受けたことがあります。

その人は、会社の同僚に想いを寄せていたようですが、なかなかそれが実らない、ということでした。

彼女なりにいろいろとアピールをしているようですが、まったくといっていいほどに手応えがないようです。

疲れ切った彼女は、その男性があまりにも鈍感で、何をやってもこちらの気持ちに気づいてくれないのではとまで考えていました。

驚くべきことに、自分の気持ちをはっきりと言葉にして伝えたのにもかかわらず、何もなかったようにスルーされてしまったからです。

そのときにはいくつかのポイントを伝えました。

そこで今回の記事では、そのときの経験をもとに、片思いの相手を射止める方法について考えてみたいと思います。

 

ステップ1:自信を持つ

人はどのような人に惹かれるのかといえば、自信のある人です

ここでいう自信とは、自分はどんなことでもできるという確信を持っている人であり、毎日大好きなことをやってハッピーに日常を過ごしている人のことです。

不思議なもので、人はこのように自信のある人に無条件に惹かれるようにできています。

意中の異性に魅力的な人として見てもらいたいのなら、まずは自信を持つべきです。

そのためにまずは、大好きなものをとことん追求しましょう。

たとえばあなたが女性であるとしたら、ファッションやコスメといった趣味をとことん追求するのもいいでしょう。

しかし、それ以外にもあなたが大好きになれる趣味はたくさんあるはずです。

山登り、音楽、映画、読書、ジム通いなどなど、いまはまだ出会っていないあなたが大好きになれるものはたくさんあります。

貪欲に自分の好きになれるものを探し、それらに没頭しましょう。

そういったことを繰り返していけば、自分が人生においてどんなものを大切にしているのか、ということもわかってきます。

自分が大切にしているものに忠実に生きられるようになれば、あなたはどんどんと自信を高め、どんな人からも魅力的な人として見られるようになるはずです。

ステップ1のまとめ:自分の大切にしたいものに忠実になり、自信を持つ

 

ステップ2:相手を観察する

次のステップは、意中の相手をよく観察することです。

相手のことで頭がいっぱいになってしまうと、どうしても相手のことを見れなくなってしまいます。

相手のことを四六時中考えているものの、あなたの頭の中にあるのは相手のごくごく一面だけということがよくあるのです。

自分の頭の中にある相手のイメージをもとにして突撃しても、相手にとっては迷惑に思われるだけでしょう。

まずは相手のことをよく観察し、できるだけ相手のことを理解しようと努めることです。

意中の相手は人生において何を大切に思い、何を嫌っているのでしょうか。

このことに明確に答えられないのだとしたら、まだまだ相手の観察が足りません。

趣味は何であるのか、好きな食べものは何か、ファッションの好みはどんな感じなのか、仕事のスタンスはどのようなものか、できるだけ様々な角度から相手を観察し、理解にいそしむべきです。

そうすると、意中の相手が心から大切にしているものが見えてきます。

もしあなたがいままで、その相手へとアプローチをかけたにも関わらず相手にされていなかったとしたら、その大切なものを外したアプローチであったはずです。

軌道修正をしていきましょう。

ひとつ実践的なアイデアとしておすすめなのは、共通の知人に意中の相手を分析してもらうことです。

自分で観察すると、どうしても感情が入ってしまうので、相手のことを冷静に見づらいと言えます。

だからこそ、共通の知人に自分では気づけない相手の特徴を教えてもらえれば、あなたの相手への理解は間違いないく深まるでしょう。

ステップ2のまとめ:相手が大切にしているものに気づく

 

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ステップ3:自分と相手の共通点を見る

意中の相手が何を大切にしているのかは見えてきたでしょうか。

あなたのアプローチがうまくいっていなかったのは、あなたのアプローチが相手が大切にしているものに合致していなかったからであるということも理解していただけたでしょうか。

たとえばあなたが和食を作るのが得意だとして、意中の人に和食を振る舞おうとしたとしましょう。

しかし、意中の相手が和食嫌いだとしたら、その行為は良い迷惑になるはずです。

文字にしてみれば当たり前の話なのですが、相手に夢中になってしまうとこういうことがよく起こってしまうのです。

さて、次のステップは、相手と自分の共通点を考えるということです。

つまり、相手の大切なものと、自分の大切なものを同時に満たす状態を考えて欲しいということです。

相手のことが気になり、相手に認められたいという気持ちが出てくると、自分のことをないがしろにしてしまう人がいます。

相手が大切に思うことがわかると、全力でそれに合わせてしまうということです。

しかしこれでは、短期的には成立したとしても、長期的にはあなたの方が参ってしまうでしょう。

相手が大切にしているものがあるのと同時に、あなたにも大切にしているものがあるはずだからです。

そして、それらはどちらも無視できないものなのです。

だからこそこのステップでは、ステップ1で見つけた自分の大切なものと、ステップ2で見つけた相手の大切なものの共通点を考えましょう。

たとえばさきほどの和食の例で考えてみましょう。

相手は、おいしいものを食べることは嫌いではなかったとします。

あなたも和食だけではなく、料理そのものが好きであったとしましょう。

得意だからという理由で和食にこだわることをやめ、洋食や中華を振舞うことができれば、お互いがハッピーになるでしょう。

ステップ3ではこのように、ステップ1で確認した自分が大切にしているものと、ステップ2で確認した相手が大切にしているものに共通点はないかと考えてみてほしいのです。

少しわかりにくいでしょうか。

決して難しく考える必要はありません。

要するに、お互いがハッピーになれる状態をイメージできればよい、ということです。

自分も相手もどちらも我慢することのない関係という視点を持ちましょう。

ステップ3のまとめ:自分と相手が共に満足する状態を探す習慣をつける  

 

ステップ4:視点を未来まで伸ばす

ステップ4では、ステップ3で作った自分も相手も満足するという視点を未来へと伸ばすことに取り組んでいただきたいと思います。

あなたは、自分だけの都合で相手を振り回すことはもうありません。

また、相手に合わせすぎて自分をないがしろにするようなこともありません。

常に自分と相手を同時にハッピーにするというスタンスで、ものを考えることができるようになっているはずです。

今度はその視点を維持したまま、未来はどうありたいかを考えてみましょう。

意中の相手と自分がともにハッピーに過ごす未来はどのようなものであるかをイメージする、ということです。

この場合の注意点としては、遠慮は一切いらないということです。

真面目で思慮深い方に多いのですが、こういった未来をイメージするという作業に遠慮をして本来の自分の願望にブレーキをかけてしまうのです。

自分のイメージの中の話なのですから、遠慮は一切要りません。 現在の観点からそれが可能かどうかは関係がありません。

そんな都合のいい未来なんてやってこないよ、と思われるくらいにハッピーな状態をイメージしてください。

意中の人と幸せな生活を送っていて、その生活の中ではこういうことがあって……と、どんどんとイメージを広げてみましょう。

そして思う存分幸せな気分にひたりましょう。

実は、イメージにひたって幸せな気分に浸るという作業がとても大切なのです。

ステップ4のまとめ:お互いがハッピーな未来のイメージを作る

 

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ステップ5:未来から現在を見て現在を決める

思い切り幸せな気分を味わってもらえたでしょうか。

実は、そのことを考えただけで嬉しくなってくるような幸福な未来こそが、現在を生きるモチベーションとなるのです。

ハッピーな未来を経由して現在を眺めるあなたは、もうすでにこの記事を読む前のあなたではありません。

なぜなら、正しい現在の眺め方を理解してしまったからです。

正しい現在の眺め方とは、ハッピーな未来を経由して眺めるべきものなのです。 最後のステップとして、未来を経由したあなたが現在できることを実際に行っていくという作業をしていただきます。

未来あなたが意中の人と海外に住んでいたとします。

だとしたら、いまはもうすでに海外の情報に通じていてもおかしくないはずです。

未来あなたが意中の人と、経済的に豊かな生活を送っていたとします。

その場合は、いまの収入を向上させるため、スキルを磨くような勉強を始めているかもしれません。

もちろんそれら具体的な内容は人によって違います。

しかし共通して言えるのは、それらのどれもが意中の相手とのハッピーな生活を約束する、どれひとつとして欠かすことのできない重要な現在である、ということです。

このような考え方で現在を過ごすこと、それこそが意中の人への片思いを成就させる秘訣なのです。

ステップ5のまとめ:意中の人との未来から逆算したハッピーな現在を生きる

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

多くの片思いを成就させるための考え方が書かれた文章よりも、少し難しく感じたかもしれません。

そういった方は、各ステップごとにノートに書き出しながらやってみることをおすすめします。

できるだけ丁寧に、できるだけ深く考えながらすすめてほしいのです。

そうすれば、より効果があがることを請け合います。

参考にしていただけると幸いです。

 

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【保存版】コーチングとは何かを知るための用語大辞典

 

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苫米地式認定コーチ、TICEコーチの高嶋芳幸です。

コーチングとは何かについて書かれているウェブサイト、書籍はたくさんあります。

職業柄そういったものをたくさん読みましたが、多くはきちんとした理論に基づいて書かれたものではなく、著者の経験をまとめたものになっていることが残念です。

私の提供するコーチングは、科学的な理論に基づいた次世代のコーチングです。

それゆえ、パーソナルコーチングにおいても、セルフコーチングにおいても確実な結果につなげることができます。

しかしながら、理論がしっかりとあるがゆえに、理論の中に含まれる大切な用語を理解することが難しいという面があります。

用語の意味を理解することが難しいのではありません。

用語そのものに含まれる深い意味を捉えることに時間がかかってしまうのです。

そこでこの記事では、用語の深い意味の理解を助けるために、コーチングにおけるそれぞれの用語の定義を確認し、参考になる記事を紹介したいと思います。  

 

1:苫米地式コーチングの概要

コーチングとは、クライアントのゴール設定を促し、ゴールを達成できるマインドの構築をバックアップしていくことです。

そういったコーチとクライアントの関係をコーチングと呼んだり、そこで交わされるやりとりのことをコーチングと呼んだりします。

  「苫米地式コーチングとは何か、理論があるとはどういうことか」では、コーチングにおいて理論があるということはどういうことなのか、また、なぜ理論がなければならないのかについても説明しています。  

コーチングには、パーソナルコーチングセルフコーチングがあります。 パーソナルコーチングとは、コーチングの理論と技術を修めたプロのコーチをクライアントが雇い、定期的なセッションの中でコーチングを行うことです。

セルフコーチングとは、コーチング理論を学んだクライアント自身が、自分に対してコーチングを行うことです。

 

「【決定版】パーソナルコーチングとセルフコーチングの違いとは」では、パーソナルコーチングとセルフコーチングの違いについて詳しく説明しています。  

 

2:ゴール

コーチングにおいて最も重要な概念がゴールです。

ゴールとは、達成すべき夢のことです。 いわゆる目標のことであると理解してもよいでしょう。

しかし、一般に言われる夢、目標とはいくつかの点において違いがあります。 その代表的なものは、ゴールは現状の外側に設定しなければならないというプリンシプルです。    

 

「コーチング理論から考える正しい目標設定の方法」では、ゴールは現状の外側にできるだけ大きなものを設定するという、超重要事項について詳しく説明しています。  

「コーチング理論から考える一歩先に進んだ目標設定の方法」では、ゴールは複数持ち、バランスが取れたものである必要があるという内容を説明しています。  

「教育のプロが教える、子離れできない親がコーチングを学ぶべき理由」では、子離れできない親は自分のゴールを持っておらす、正しく子離れしていくためには親がゴールを持つべきであると主張しています。

  「「うつ」まで巻き起こす、SNS疲れの原因と対策」では、SNSに疲れてしまうのは、ゴールから考えてSNSを利用するという発想が欠けていて、不必要な情報に振り回されてしまうことにあるという内容を説明しています。  

 

3:エフィカシー

エフィカシーとは、ゴール達成のための自己の能力の自己評価のことです。

エフィカシーの重要な点は、自己評価なので自分で勝手に上げてよいということです。

自分にはこういうゴールがありそれは確実に達成できる、という強い確信がエフィカシーなのです。

以下の記事では、エフィカシーの詳しい説明と、どのようにすれば効果的にエフィカシーを上げていけるかについて書いています。

 

「自分に自信が持てない人のための処方箋(基礎編)」では、エフィカシーという概念の詳細な説明と、その本質は自分で勝手に上げることであるという内容が書かれています。

「自分に自信が持てない人のための処方箋(発展編2)」では、エフィカシーを上げるために、エフィカシーが高い人との人間関係を作ることが効果的であると主張しています。

 

4:コンフォートゾーン

コンフォートゾーンとは、その人にとっての安心できる領域のことを意味します。

現状の外側にあるゴールを達成しようと思うのなら、いま自分がいるコンフォートゾーンを飛び出す必要があります。

その際には、不安な気持ちが湧いてくることが多く見られます。

そういった不安な気持ちをうまくコントロールし、コンフォートゾーンを飛び出すにはコツがあります。  

 

「コーチングの理論で考える失敗しない転職の仕方」では、転職とはコンフォートゾーンを飛び出すことそのものであり、そのことを理解しておくことが転職を成功させることにつながるという記事です。

  「教育のプロが教える、子供に自信をつけさせるとっておきの方法」では、子どもが成長し、親のコンフォートゾーンから飛び出そうとした結果、親は無意識に子どもの自信をくじくようなことがある危険性を指摘しています。  

「痩せられない人必見! ダイエットをしても痩せない真実の理由とは」では、ダイエットで痩せられない場合の本質は、太っていること自体がコンフォートゾーンになっており、そのコンフォートゾーンを移動させるという発想ができていないという説明をしています。

  「コーチング理論から考える、後悔しない生き方をするために」では、後悔はコンフォートゾーンを飛び出す怖さを味わわないですむためにしているのではという厳しい指摘をしています。  

 

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5:抽象度

抽象度とは、情報量で概念を並べ替えた上下関係のことを意味します。

「コート、ジャケット、パンツ」という概念をひとつ抽象度を上げて見ると「衣服」となります。

このような関係を抽象度の上下関係というのです。 コーチングにおいては、ものごとの抽象度を上げて観察することがたいへん重要視されます。

その結果、低い抽象度で見ていたときに解決できなかった問題の解決方法がひらめいたりするからです。

 

  「職場の人間関係に疲れた人が意識するべきたったひとつのこと」では、人間関係の問題を、抽象度をあげて観察することによって解決するというやり方を提案しています。  

「孤独な経営者がコーチを雇うことのススメ」は、経営者とは組織内でもっとも抽象度の高い人であり、他の人には見えないものが見えているため、孤独に陥るのは必然であるという内容の記事です。  

「振られた恋人と復縁するための5(ファイブ)ステップ」では、振られた恋人との復縁は、自分だけのハッピーではなく、抽象度をひとつあげたお互いのハッピーを未来に設定することが大切であると主張しています。  

 

6:スコトーマ

スコトーマとは、心理的な盲点のことを言います。

何かに意識を向けて注目するということは、それ以外が意識の外側に隠れてしまうことになります。

この意識の外側の領域や、外側に隠れたしまったもののことをスコトーマといいます。

ゴールを達成していくためには、このスコトーマの中にある今まで自分の認識にあがらなかった新しい情報を手に入れていく必要があります。  

「孤独な経営者がコーチを雇うことのススメ(後編)」では、スコトーマが生じるメカニズムと、経営者はスコトーマを外してくれるコーチを雇うと大きなメリットがあると説明しています。  

「嫌な上司をこの世から消し去る技術」では、上司と折り合いのつかない人は、スコトーマの原理を逆手に取り、嫌な上司をスコトーマの中に入れて認識できないようにするという解決方法を提案しています。  

 

 

7:ブリーフシステム

ブリーフシステムとは、その人が持っている信念の集合のことをあらわします。

信念とは、コーヒーと紅茶があったときにはコーヒーを選ぶ、というように無意識レベルでの選択、判断、評価そのものであるといえます。

記憶によって出来上がった信念の集合であるブリーフシステムが、その人の人格であると考えることができます。

ゴールを達成するためには、現在のブリーフシステムが変容していく必要があります。  

 

「教育のプロが教える、感情に任せて子供を怒るのがよくない理由」では、勉強ができない子供はブリーフシステムがそのように出来上がっており、その原因は親が感情にまかせて子供を叱責したことにあるという注意を喚起しています。

 

8:ドリームキラー

ドリームキラーとは、ゴールを設定した際に現れるゴール達成を否定する存在のことを言います。

親はもっともドリームキラーになりやすい存在です。

ドリームキラーは、大きなゴールを設定して動き始めると必ず出現するので、あらかじめ対策を講じておく必要があります。

もっとも効果的な対策は、ゴールは不用意に他人に教えないというものがあります。  

 

「25倍収入を増やすことのできるマインドの構築法」では、収入を上げるというゴールを設定すれば、必ずドリームキラーが現れることを指摘し、そのメカニズムと対策について説明しています。

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9:セルフトーク

セルフトークとは、人間が自分自身に語りかける言語のことを言います。

セルフトークの中には、言葉に出されたつぶやきや、言語としてはっきりとして知覚できないような想念も含まれます。

セルフトークの積み重ねがその人の人格を作り上げていきます。 ゴールを達成できた自分になっているということは、ゴールにふさわしいセルフトークを日常から繰り返しているはずであると考えることができます。  

 

「自分に自信が持てない人のための処方箋(発展編1)」では、自信のない状態はセルフトークの結果であると指摘したのち、セルフトークをコントロールする具体的なステップを紹介しています。  

 

10:have to、want to

have to、want to はそれぞれ、やらなければならないこと、やりたいことと理解することができます。

コーチングが目指すのは、have to が 0%であり want to が 100%である状態です.。

また、人間は want to の状態であるからこそ能力を発揮することができます。

ゴールを達成するために能力を発揮するには、そのゴールが want to である必要があります。  

 

「そうはいってもやりたいことが見つからないんです」そんな人がどう考えるべきか」では、want to なことだけをやるべき理由を説明したのち、どのようにすればやりたいことが見えてくるのかを段階的に提示しています。  

「やりたいことがありすぎて困っている人の頭の中」では、やりたいことがありすぎて困っている人は、それらの中に他人から仕掛けられた have to なものが紛れ込んでいる可能性を指摘しています。  

「教育のプロが教える、子どもに読書の習慣をつける4つのアイデア」では、読書をするさまざまなメリットを紹介したのち、子供に読書の習慣をつけてあげるには、いかに want to で子供自身が取り組める読書環境を用意してあげられるかが大切であると主張しています。

 

11:臨場感

臨場感とは、五感を通じて生成された情動や体感に結びついたリアルな感じのことを言います。

ゴールを設定した際に重要なのは、現実の世界よりもゴールの世界の臨場感を上げることです。

目の前の世界の臨場感はあまりにも高いので、ゴールの臨場感を勝たせるには工夫が必要です。  

「コーチング理論から考える目標設定のリアリティを上げる方法」では、ゴールを達成するためになぜ臨場感を高める必要があるのかを説明したのち、ゴールの臨場感を高める具体的なワークを紹介しています。  

 

12:ステータス・クオ

ステータス・クオとは、大きな構造的変化が起こらないままやってくるであろう未来も含んだ現状のことを意味します。

ゴールを達成するには、この現状から外へと飛び出していく必要があります。

ステータス・クオを飛び出すためのポイントは、大きな構造的変化が起こらなければ達成できないようなゴールを設定することです。

  「考えすぎる性格の人が行動するために知ってほしいこと」では、ステータス・クオの中でいくら一生懸命行動しても、状況は大きく変わらないということを指摘した上で、考えることをいったんやめて直感で動くことを勧めています。  

「クリエイティブ(創造的)な仕事をしたい人が知っておくべきこと」では、真のクリエイティブとはステータス・クオの外側にあるものであり、そのためは、want to のゴール設定、大量の知識、ステータス・クオの外側に飛び出す勇気が必要であると主張しています。

 

13:アファメーション

アファメーションとは、自分に向けて唱える肯定的な言葉のことを意味します。

ゴールに合致したアファメーションを日々唱えることで、ゴールを達成した状態のマインドを積極的に作っていくことができます。

そのようなマインドができた結果、ゴールが達成されるのです。

  「あなたを成功に導くアファメーションの作り方」では、アファメーションを唱える有用性を述べたのち、正しいアファメーションの作り方について解説しています。

 

まとめ

この記事では、苫米地式コーチングにおける用語の意味を解説し、その理解を助ける記事を紹介しました。

実はコーチングにおいて重要なことは言葉で説明できる理論ではなく、言葉を超えた体感にあります。

コーチを雇うということはその体感を共有することなのです。

とはいえ、そういった体感は、理論を理解しておいたほうが強力になることはいうまでもありません。

ぜひ、この記事を活用し、理論を勉強していただけるとうれしいです。

 

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嫌な上司をこの世から消し去る技術

 

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苫米地式認定コーチ、TICEコーチの高嶋芳幸です。

会社に勤めている人の悩みを聞いていると、話題として最もよくあがるのが人間関係の悩みです。

その中でも、上司とそりが合わないという話はほんとうに多く耳にします。

実は、上司が正しいのか、部下が正しいのか、そのどちらかを決めることは難しいところです。

どのような結果にせよ、お互いがそれぞれの正しさでもって行動したことによるはずだからです。

しかし、実際に上司との人間関係において苦しい思いをしている人が大勢いるのは事実です。

ということで、だったら嫌な上司は消し去ってしまいましょう、というのがこの記事での提案です。

 

何やら恐ろしいことをさらりと言っているな、と思われるかもしれません。

恐ろしいかどうかを確かめるために、ぜひ記事を最後まで読んでみてください。  

 

嫌な上司にされること

嫌な上司にされることを列挙してみましょう。

  • 恫喝される
  • ひいきをされる
  • プライベートに立ち入られる
  • 無視をされる
  • 仕事を教えない
  • 失敗の責任をなすりつけられる
  • 話を聞かない
  • 嘘をつく
  • セクハラをする

具体的にあげていけばきりがありませんが、こんなところでしょうか。

上司のこういった振る舞いは、いわゆるハラスメントにあたります。  

職場におけるハラスメント(いじめ)について詳しく書いた記事もありますので、参考にしてみてください。 「職場のいじめに疲れた人が意識するべき大切なこと」  

 

一般的な嫌な上司への対処法

そういった上司の振る舞いに対し、どのような対処法があるのでしょうか。 調べてみた結果、以下のようなものがあげられていました。

  • 話し合う
  • 上司より上の立場の人に相談する
  • 相手にしない
  • 完璧な人間などいないと悟る
  • 転職する

おおむねこんな感じでした。   転職に関しては詳しく説明した記事がありますので、そちらも参考にしてみてください。 「コーチングの理論で考える失敗しない転職の仕方」  

 

一般的な対処法の問題点

さて、嫌な上司にされることと、その対処法をまとめてみました。

これらの対処法は、それぞれが効果的である一方で、本質的な解決に迫りきれていません。 なぜなら、「嫌な上司をこの世の中に生み出しているのはあなたの認識である」ということが踏まえられていないからです。

少しわかりにくい表現かもしれません この理屈を理解してもらうためには、認識とは何で、どのように生まれていくのかを理解する必要があります。  

 

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あなたの生きる世界とは何か

あなたの生きる世界とは、あなたが認識できているものすべてのことです。

たとえば、あなたはパソコンという存在のことを知っていて、認識できています。

よってあなたの世界にはパソコンが存在しているということになります。

もしあなたが100年くらい前の人だとしましょう。

目の前にパソコンがあっても、それをパソコンであると認識することができないでしょう。 これは、その物体をパソコンとして理解することができないというだけではなく、場合によっては見ることすらできないということもあり得ます。

もちろん視界には入っているのですが、物理的に見えないということが起こるのです。 このように、パソコンがなんであるかを知らない人にとっては、世界にパソコンは存在しないのと同義だと言えます。

これは何もパソコンだけにあてはまることではありません。

その人の世界とは認識できるもののすべてであるということでした。

ということは、認識できないものはその人の世界の中にないも同然であるということです。

 

スコトーマ

このように、認識の外側にある見えない領域のことを、コーチングの用語でスコトーマ(心理的盲点)といいます。

このスコトーマという言葉は、もともとは医学の用語であり、眼の構造上どうしても見えない部分のことを盲点のことをあらわします。

それがコーチングの理論の中で、人間の認識に上がっていないものというように意味を拡張して使われるようになりました。

人間には誰にでもスコトーマが存在する、というのがコーチングの考え方です。  

 

*スコトーマを実感するために以下のサイトで試してみると面白いと思います→『試してみよう! 誰もが「モノが見えなくなる」場所 “盲点” がある!』  

 

嫌いな上司はスコトーマの中に入れてしまえばいい

さて、そろそろ嫌な上司をこの世から消し去る方法が見えてきたのではないでしょうか。

そうです、嫌な上司はスコトーマの中に入れてしまえばいいのです。

そうすればあなたは、嫌な上司を認識することすらできなくなってしまいます。

それはつまり、あなたの世界から嫌な上司が消えてしまったということになります。

もちろん、上司の存在がこの地球上から消滅するというわけではありません。

しかし、あなたにとってはまったく取るに足らない、認識すらする必要のない存在になってしまうのです。  

 

認識とスコトーマは何で決まるか

さて、それでは嫌な上司はどうすればあなたのスコトーマの彼方に消し飛んでくれるのでしょうか。

その方法にたどり着くには、そもそも認識とそのスコトーマがどのように決まるかということを理解しなければなりません。

認識は多くの場合、過去の記憶によって決まります。

昨日までのあなたの生きてきた人生のなかでもたらされた過去の記憶です。

過去の記憶の集積のなかであなたは、重要なものとそうでないものをより分けてきました。

たとえば、ある有名人に会ったらすごく感じのいい人だった、という記憶のある人がいたとしましょう。 その人にとって、その有名人は重要度の高い知識となります。

その結果、日常の生活のなかでその人の情報が次々と認識に上がってきます。

テレビや雑誌に出ているのが視界に入ると、否応なしに意識してしまうということです。

一方で、その有名人のことを知りもしない人は認識することができません。

なぜならその人にとってその有名人は、まったく重要ではないからです。

その人の世界にはその有名人は存在していないということになります。

そして、この過去の記憶の集積の結果出来上がった重要度を変えることが、認識とスコトーマを変えるために必要であるとわかります。  

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ゴール設定とは重要なものを決める作業である

嫌な上司に悩まされる人というのは、必ず過去の記憶のなかでその上司が重要であるとの判断があったのです。

だからこそその嫌な上司が認識にあがり、嫌な思いをするのです。

残念ながら、過去を変えることはできません。

しかし、過去に決まった重要度を変化させる方法はあります。

自分にとって重要なものを新たにいまここで決めていくということです。

そして、コーチングにおいてその作業はゴール設定と呼ばれます。  

 

認識の壁の外側に行く

あなたは過去の記憶で作られた重要性によってとらわれています。

その重要性によって生まれた認識の世界で生き、その認識の内側にいる嫌な上司に悩まされています。

これは大変恐ろしいことだと思いませんか。

それはさしずめ、必ずしも自分で望んでいたわけではない、外からやってきた様々な記憶の牢獄に囚われているようなものでしょう。

その記憶でできた認識の壁をぶち破るためには、未来へ向けて自分でゴールを設定するしかないのです。

その際のゴールは、心から望ましいもので、できるだけ大きな、現状を超えたところにあるものにしなくてはいけません。

そういうゴールが設定されれば、自分にとって重要なものの順番が目まぐるしくかわっていき、気がつけば上司のことが認識にすら上がらないという状態になっているはずです。

嫌な上司のことがまったく気にならなくなり、存在を忘れていた、という感じが一番近いと思います。

これは認識の内側にいる上司を無視したり、なだめたり、無理やり気にしないようにしたりするのとは違う、本質的な解決方法であるといえます。  

 

*ゴール設定に関する詳しい説明は以下の記事を参考にしてください

「コーチング理論から考える正しい目標設定の方法」

「コーチング理論から考える一歩先に進んだ目標設定の方法」

 

まとめ

この記事では、嫌な上司をこの世から消し去る方法について書きました。

嫌な上司はスコトーマの中に追いやってしまえばよいということで、そのためには自分で未来へと向けたゴールを設定する必要があるということでした。

参考にしていただけると幸いです。

 

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大人のための読解力養成講座

 

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苫米地式認定コーチ、TICEコーチの高嶋芳幸です。

現代人は、活字に接する機会が増えています。

インターネット身近なものになり、ソーシャルメディアが次々と生み出されてきたことが一番の要因です。

ツイッターやフェイスブックを活用している人は大勢いますし、単純にグーグルで検索してサイトを閲覧するということも多いでしょう。

そこで重要になってくるのが、活字を読み解く力です。

この力のいかんによって、触れることのできた活字から取ってこれる情報の質と量が大きく変わるからです。

活字を読み解く力、つまり読解力があれば、それだけ豊かな人生を送ることができるようになるといういうのは言い過ぎではないでしょう。

そこで今回は、読解力について書いてみたいと思います。

この記事を読むことで、読解力とは何か、読解力をつけるにはどうすればいいのかがわかるようになるはずです。  

 

読解とは何か

読解とはどういうことでしょうか。

一般に読解といえば、国語における読解問題が思い浮かぶかもしれません。

ですがこの記事では読解を、「主に活字で書かれた情報をできるだけ正確に理解すること」と定義してみたいと思います。

実はこの「できるだけ正確に」というところが非常に難しいのです。

「そんなことはない、自分はしっかりと文章を読めているはずだ」と思う方もいるかもしれません。

それがなかなかそうもいかないのです。

読解の難しさには、「情報の歪み」というものがあるからです。

情報の歪みとは、そこで述べられていることが歪んで伝わるということです。

この「情報の歪み」には2種類あります。

1つは、情報側が生み出す歪みで、もう1つは、読み手の認識が生み出す歪みです。

順番に説明していきましょう。  

 

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情報側が生み出す歪み

伝言ゲーム

伝言ゲームという遊びをご存知でしょうか。

集団が列をつくり、最初の1人にメッセージを伝え、それを順番に最後の1人まで伝えていくというゲームです。

メッセージを伝える際には、伝える人と伝えられる人以外には聞こえないようにするというのが重要なルールです。

そうすると、最後に1人に伝わる頃には思ってみないようにメッセージが変質します。

これ自体は遊びなので、他愛もないものなのですが、実はこれが読解にも本質的なところで関わってくるのです。

 

仏典

いまから約2600年前にインドでうまれた釈迦は、生涯を通じて独自の哲学を展開し、多くの地を説いてまわりました。

その教えはいまもなお我々の生活に影響を与えています。

たとえば、「縁起でもない」という言葉がありますが、この「縁起」とはもともと仏教用語です。

このような、日常生活に溶け込んだ仏教用語はほかにもたくさんあります。

さて、釈迦の教えはどのように伝わっていったのでしょうか。

そもそも釈迦は教えを文字によって記すことを許しませんでした。

なので釈迦の存命中は、教えは口伝によって伝えられました。

釈迦の入滅後(死後)になると、釈迦から直接教えを受けた人たちや、そのまた弟子といった人たちによって経典(教えを文字でまとめたもの)が成立するようになりました。

有名な「法華経」などがそれにあたります。

さらに時代が進むと、そういった経典を解説した「注釈書」というものが現れます。

たとえば聖徳太子が著したとされる「三経義疏」は、さきほどあげた「法華経」の注釈書です。

そして現代なると、その聖徳太子の「三経義疏」を解説した本もあるでしょう。

もちろん、それぞれの経典や注釈書にはその都度の意義は存在しますが、人を通じて伝言しているため、釈迦のオリジナルな考えからすれば、情報の歪みが起こってしまうのは避けられないでしょう。

実際に時代が下るほどに、どう考えても釈迦の教えではないだろうという内容が仏教に入り込んでくるようになります。

釈迦の教えはあくまで例ですが、情報とはこのように、オリジナルなものから離れるほどに歪むという性質があるのです。

 

情報側の歪みにどう対処すべきか

ということは、いくらあなたが目の前の文章を正確に理解しようとしたとしても、その文章はすでに歪んだ情報である可能性があるということです。

どうすればいいのでしょうか。

正確な読解を心がけるためには、目の前の文章だけにこだわるのではなく、一次情報にアクセスするべきです。

たとえば、ある事件を扱ったネット上の記事があったとして、それをできるだけ正確に理解したいとします。

その記事には、情報源となったものがあるはずですから、そこまでさかのぼって読むということです。

記者が参考にした共同通信が配信したニュースも目を通す、といった感じでしょうか。

そうすれば、目の前の記事を読むにしても、単純に記事を読むよりも深い理解を得られます。

 

できるだけ一次情報に触れていく

そしてできることなら、記事に書かれた事件が起こった場所や当事者に直接触れられるといいでしょう。

そのほうが共同通信や記者を経由していないぶん情報の歪みが少ないからです。

また、その記事を書いた記者に会うこともおすすめです。

そうすることで、記事からだけでは読み取れなかった記者の体感を感じることができます。

これらのような方法で認識を深めた上で記事を読めば、情報が伝わってくる間に生じる歪みの影響を少なくできるはずです。  

 

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読み手の認識が生み出す歪み

たくさんの一次情報に触れ、その上で文章を読むことができたとしても、それでも情報が歪んでしまうことがあります。

それは読み手であるわれわれの認識そのものに歪みがあるからです。

それについて説明していきたいと思います。

 

スコトーマ

コーチングの概念で「スコトーマ」というものがあります。

わたしたちはそれぞれ、全く別のものを重要であると考えて生きています。

これは意識に上がっているものだけではなく、無意識もふくめた広い領域の中での話です。

たとえばあなたが警察官であったとします。 街を歩いていて人とすれ違った時、不審な人物を見かけました。

多くの人はなんだか変な人がいるなと感じるだけであったり、あるいはその存在に気づきもしないかもしれません。

しかし、警察官であるあなたは、それまでの経験から得られた知識を動員してその不審者を見つめます。

武器を持っているのか、犯罪を犯して逃亡中なのか、女性を襲う暴漢なのか、ありとあらゆる可能性を感じます。

このように、その人が過去にどういう経験をしてきたかによって、対象の認識が異なるのです。

そして、認識の外側にある対象や、領域そのもののことを「スコトーマ」といいます。

警察官ではない人はちょっとくらい怪しい人を見かけたとしても、まさか「武器を持っている」とは思わないでしょう。

この「こいつは武器を持っているかもしれない」という認識がスコトーマです。

わたしたち人間は、それぞれ違った形で必ずスコトーマを持っています。

1人として同じ過去の経験を持つ人間はいないし、だからこそ今何を重要と思って生きているのかも人によって全く違うからです。

 

読解はスコトーマとの戦い

このスコトーマの原理は、読書をする際にも同じように働きます。

ある著書を読み解こうとしたとします。

幸運なことに、著者に会って話を聞くこともできました。

それでもわたしたちはその著書を歪んだ形でしか読めないということなのです。

なぜなら、著者の見ている世界と読み手の見ている世界が一致することはないからです。

残念なことに、著書がそこに込めた意図を100パーセント純粋な形として理解することは不可能なのです。

 

どのようにスコトーマと戦っていくか

その中にあって、できるだけ著者が述べていることを純粋に理解する方法とはどのようなものでしょうか。

原理だけ言えば、著者と同じようなものの見方ができるようになればいいということになります。

著者と同じ記憶を持てばそれが再現できます。 あたりまえですが、それは不可能です。

というよりも、そもそもそれができるのならば著者の本を読む必要がなくなります。

完璧に著者になりきるのは不可能だとしても、できるだけ著者の記憶の状態に近づけるための方法を2つ紹介します。

 

関連分野の知識を習得する

1つは、著者が述べている分野の関連知識を増やすということです。

たとえば、著者が現代の経済について語っている本を読むとしましょう。

そこには必ず議論の下敷きとなった学問的な知識があるはずです。

たとえば、ミクロ経済学やマクロ経済学は当然含まれるでしょうし、現代の経済であれば政治の知識も下敷きにしているでしょう。

また、場合によっては金融の知識や銀行史、経済学を成り立たせている数学理論なども知っておくとよいかもしれません。

とにかく、ひとつの内容について語るということは、いろいろな分野を下敷きにしているはずなので、それをあらかじめ学んでおくということです。

 

著者のその他の著作を読む

また、その著者がたくさん本を出している人ならばしめたものです。 読むつもりのもの以外の本も全て目を通しましょう。

そうすることで、著者のオリジナルな視点というものがわかるようになってきます。

著者の本を1冊読んだだけではわからなかった視点が、たくさん読むことによって浮き彫りになってくるということです。

読み手がスコトーマによって読み解きを邪魔されないためには、以上のような方法が有効です。  

 

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アプリオリはない

さて、情報側の歪み、読み手のスコトーマによる歪みそれぞれへの対策を書きました。

これらを意識すれば、正確な読み解きに近づけるはずです。

ただし、ここで最後に強調しておきたいのは、そもそも絶対的なものは存在しないという事実です。

ゲーデルをはじめとするさまざまな学者たちの知的リレーによって、20世紀にこのことが証明されました。

つまり、カントのいうアプリオリ(何者にも先立って自明であるとされるもの)は存在しないということです。

ということは、唯一絶対の正確な読み解きも存在しないということになります。

つまり、読解とは常に必ず誤読を生むものなのです。

では、できるだけ正しく読もうとする態度は不要なのでしょうか。

決してそんなことはありません。

正しくない読み解きよりも、完璧ではないがかなり正しい読み解きの方がよいはずだからです。

あくまで絶対的な正解はないと肝に命じた上で、できるだけ正確な読み解きを行っていきましょう。  

 

まとめ

この記事では、読解力をつけるために気をつけるべきことを書きました。

情報の歪みをできるだけ減らすために、一次情報に触れる必要性と、スコトーマを外す方法を紹介しました。

また、唯一絶対の正しい読み解きは存在しないということでした。

参考にしていただけると幸いです。

 

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孤独な経営者がコーチを雇うことのススメ(後編)


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苫米地式認定コーチ、TICEコーチの高嶋芳幸です。

前回の記事では、経営者が孤独になる構造的な理由と、それでも経営者は自分で解決策を探る必要があるという内容でした。

《前編を未読の方はこちらからどうぞ→「孤独な経営者がコーチを雇うススメ(前編)」

さて、今回のこの記事では、経営者の孤独を踏まえた上で、経営者がコーチングを学ぶこと、コーチを雇うことのメリットについて書きたいと思います。

問題は解決策が見つからないから問題である

まずは、経営における問題がなぜ起こるのかについて、コーチングの理論に基づいて考察してみたいと思います。

物事を前向きに進めていると、どうにかしなくてはならないことが起こることは避けられません。

それは経営においても同様で、問題が生じることは日常茶飯事のはずです。

しかし、その際に本当にまずいのは、解決策が見つからないことなのではないでしょうか。

解決策さえ見つかってしまえば、その問題はもはや問題ではなく、解決していくべき課題になります。

そうなれば、あとはやるかやらないかだけの話なので特に迷うこともないでしょう。

このように問題とは、解決策が見えないから問題であるとわかります。

それでは、解決策が見えない時、その人間の脳の状態はどうなっているのでしょうか。

 

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RAS(網様体賦活系)とは何か

人間の脳は他の器官と比べて、たいへんエネルギーを消耗すると言われます。

これは進化の過程の中で、脳だけが飛び抜けて進化をしてしまった結果なのです。

それゆえ、脳が全開で働いてしまうと、生体そのものに深刻なダメージが残ります。

そういった状態を避けるため、人間の脳は手抜きをしながら情報処理をするシステムを作り上げました。

そのシステムのことを「RAS(網様帯賦活系)」といいます。

これは、外界から入ってくる情報を、自分にとって重要なものとそうでないものにより分け、重要でないものをブロックするシステムです。

このシステムにより、脳はエネルギーを使いすぎることなく存立できているのです。

スコトーマとは何か

そして、重要でないと判断されてブロックされた領域や情報のことを総称して、「スコトーマ」と呼びます。

もともとこの言葉は眼科の用語で、眼の神経束の構造上見えない領域のことを指すものでした。

物理的に見えない盲点のことをそう呼んだのです。

その後、元祖コーチであるルー・タイスが、心理的にも認識できていない領域、あるいは認識できていない知識という使い方として用いるようになりました。

ということで、コーチングにおいてスコトーマは、「重要でないと判断されて認識に上がっていない領域や情報、すなわち心理的盲点のこと」というふうに考えます。

ここで問題を抱えた経営者の話に戻りましょう。

もし経営者が問題を抱え、解決策を見出せずに苦労しているとしたら、その解決策はスコトーマの中に隠れてしまっているのです。

スコトーマを外すために

そうすると、解決策を見出すにはスコトーマを外し、認識できなかったものを認識できるようにすればいいとわかります。

そのためにはいろいろとやり方がありますが、まったくやったことのないことをたくさんやるという方法があります。

経営者には、それまでの過去の記憶からくる知識の体系があります。

その中で、自分にとって重要なものとそうでないものの順番が出来上がっています。

そして、重要でないと判断されたものは認識の外側、つまりスコトーマの中へと隠れてしまっているという話はすでにしました。

そこで、スコトーマの中へ隠れた解決策を認識できるようにするために、過去の記憶で出来上がった知識の体系をぶち壊す必要があります。

そのために、いままでやったことのない新しいことをどんどんと行うのです。

この際にやる新しいことは、問題に直接関係のないものであってもかまいません。

できるだけふだんの自分ではやらないような、自分の常識に外れたことの方がよいでしょう。

新しいことをやれば、いままでの知識の体系が変化していきます。

その結果、経営者自身の重要なものの順番が変化し、今まで見えなかったものが見えてくる可能性が高まるのです。

必然的に、解決策が見えやすくなるでしょう。

以上にように、解決策の見つからない問題も、マインド(脳と心)の仕組みに基づいて整備されたコーチングの理論を学んでおくことで、進むべき方向が見えてくるのではないでしょうか。

孤独であることを受け入れ、前向きに解決策を模索しようと決めた経営者の方は、ぜひともコーチングの理論を学んでもらいたいと思います。

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企業活動における専門家たち

ところで、企業活動にはさまざまな専門家たちが関与します。

会計士、税理士、行政書士、司法書士、社労士、弁護士などがその代表例でしょう。

これらの職業の専門家たちは、それぞれの領域においての訓練を積んでいます。

だからこそ経営者は、料金を払って彼らに専門性の高い作業を委託します。

もちろんその作業を経営者自身が行ってもよいのですが、かかる時間や精度のことを考えると、プロに任せてしまうほうが合理的であるということは多々あるでしょう。

孤独な経営者がコーチングを学び、コーチを雇う意義

コーチとはどのような専門家なのでしょうか。

それは、マインド(脳と心)の仕組みを理解し、クライアントがゴール達成するためのお手伝いをする専門家であると言えます。

経営者は自らコーチングを学び、セルフコーチングを実践していくことで、間違いなくいままでよりも高い生産性を実現できるでしょう。

今回の記事で言えば、スコトーマに隠れた解決策を見つけられるようになるということです。

とはいえ、さらに意識の高い経営者には、コーチを雇うという選択肢も念頭に入れていただきたいと思います。

各専門家を雇うのと同様に、プロのコーチを雇い、パーソナルコーチングを受けることで、より効率的にゴールを達成していけます。

事実そういった決断をなさった経営者からは、自分だけではここまで効率良くゴール達成をすることはできなかったという声をいただいています。

  《パーソナルコーチングとセルフコーチングの違いについて詳しく理解したい方はこちらを参考にしてください→「【決定版】パーソナルコーチングとセルフコーチングの違いとは」》  

 

まとめ

孤独である経営者にとって、問題の解決策を独力で見つけ出すために、コーチング学ぶことが重要であるということでした。

また、より高いゴールを目指す経営者には、コーチを雇うという選択肢もあるということでした。

参考にしていただけると幸いです。

 

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