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考えすぎる性格の人が行動するために知ってほしいこと


世の中はたいへん不平等なところのように見えるときがあります。

頭がよく、真面目で細やかな配慮ができる人なのに、いまいちパッとしない人がいます。

その一方で、少し失礼な言い方ですが、思慮が浅く自分勝手で、ときに人を傷つけてしまうような人もいます。

そして不思議なことに、こういう人が驚くべき成果を生むことがあります。

頭がよく、真面目であるのに成果があがらない場合、その人を縛っているものとは一体なんなのでしょうか。

今回はそのことについて書いてみたいと思います。  

考えすぎて行動できない人

昔会った人

数年前に出会った人に、こんな人がいました。

大学卒業後、とある企業に勤めはじめた彼は、仕事に疑問を感じ始めていました。

いまの仕事は自分に合っていないのではないだろうか、もっと自分を生かせる仕事があるのではないだろうかということでした。

さらに、漠然としたものではあるものの、将来大きな何かをやってみたい、という思いがあるようでした。

何かそれに向けてやっていることはあるのですか、と聞いてみると、次のような答えが返ってきました。

「毎月10冊以上の本を読んだり、週末にタイミングがあえばセミナーに参加して勉強もしています」 とてもいいことですね、と話したことを記憶しています。

そしてその人とは、しばらく会わないまま数年が過ぎました。

数年後

数年が経ち、その人と再会したとき、彼は驚くほど何も変わっていませんでした。

毎月10冊程度の本を読み、たまにセミナーに参加するという日々を数年にわたって続けていたわけです。

そういう日々が決して悪いものだとは思いませんが、どうも彼自身は、そういう日々がよくないことのように感じているようです。

バリバリと何かをやりたいと思っているのに、なかなかそうできずにいる現状が苦しいと言っていました。

頭もよく、真面目で他人を思いやることができる人であるというのが、偽らざる彼への評価です。

にもかかわらず、彼はいつまでたっても新しい何かを達成することができずにいるのです。

もしからしたら、みなさんの近くにも似たような人がいらっしゃるかもしれません。

なぜその人には何も起こらないのか

なぜその人には何も起こらなかったのでしょうか。

この疑問に対する答えは極めて単純です。 新しい何かを達成することへ向けて行動しなかったからです。

もちろん、彼が一切の行動を拒否していたわけではありません。

少なくとも、たくさんの本を読み、足繁くセミナーへと通っていました。

コーチングでは、現状のことを「ステータス・クオ」と呼びます。

彼の行動は、すべてがステータス・クオの範囲内に収まってしまっているのです。

現状の範囲内で行われた行動は、いわばルーティーンであり、コーチングでは評価の対象となりません。

なぜなら、新しい達成はステータス・クオの外側に存在するものであり、現状の内側のルーティーンを繰り返すだけではたどり着けないないと考えるからです。

彼に必要な行動とは、ステータス・クオの内側にあるルーティーンではなく、その外側にある新しいチャレンジだったわけです。

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頭がよいとは

ところで、頭がよいとはどのような状態なのでしょうか。

いろいろな考え方があると思いますが、ここで提示したいポイントは2つです。 順に説明していきます。

1:知識がある

頭がよい人の条件としてまず思いつくのは、知識が豊富であるということではないでしょうか。

当然のことながら頭がよい人の多くは、たくさんの物事を知っています。

ところが、たくさんの知識を持っているにもかかわらず、その行動がどうにも知的に思えないという人もいます。

有名大学を出たにもかかわらず、仕事ではまるっきり使い物にならないという例は枚挙にいとまがないでしょう。 そんな事態には、もうひとつのポイントが関わっています。

2:論理的思考力

頭のよさには、論理的思考力が深く関わっています。

論理のひとつの形として、「対比」というものがあります。 ひとつ例を出してみましょう。 「アメリカは大きい国だ、それに対して日本は(  )」 という文章があったとします。

当然、空欄の中には「小さい国だ」という言葉が入ります。

小学生でもわかると思います。 ところが、なぜ「小さい国だ」という言葉が入るのか、という説明はなかなか容易なことではありません。

これには「ところが」という言葉の持つ機能が関わっています。

「それに対して」という言葉は、前後に真逆の意味を持つ文章をつなぐという機能を持ちます。

私たちは、無意識に「それに対して」の持つ機能を読み取り、後半に入る言葉は「小さい国だ」であるという判断を下しているわけです。

このように、文章の意味とは異なる次元で動いている働きのことを「論理」と呼びます。

頭のよさには、このような「対比」をはじめとした論理をどれだけ上手にあやつるか、という能力が深く関わっています。

どうして頭がいい人ほど苦労するのか

数年ぶりに会った彼の話にもどります。

彼は頭のいい人物であると書きました。

つまり、論理的な思考ができる人物であり、その上知識も豊富であったということです。

さらには真面目さ、他人への配慮といった人間的にもすぐれた資質を持っていました。

しかし、それでも行動することはできませんでした。 とても皮肉な話ですが、これには彼の頭の良さが関わっているのです。

彼はこういうことを言っていました。

「何か新しいことをやろうとすると、それができない理由や、やめておいた方がいい理由をたくさん思いついてしまうのです」

論理の怖いところは、すべてが相対化できてしまうところです。

つまり、どのようなことに対しても反論できてしまうということです。

何か行動すべき理由を見つけたとしても、必ず行動すべきでない理由も見つかってしまいます。

頭が良い彼だからこそ、知識を総動員して、行動すべき理由とそれと同じだけの行動すべきでない理由を思い浮かべてしまうのです。

そして、真面目にそれらに向かい合ってしまい、いつまでたっても結論がでないまま、やがて疲れて行動をあきらめてしまうのです。  

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考えるのをやめればいい

頭が良く、考えすぎてしまう人はどうすればいいのでしょうか。

極めて当たり前の回答ですが、どこかで考えるのをやめればいいのです。

それがなかなかできないのだから、苦労しているんじゃないかと思われる方もいると思います。

だとしたら、こう考えてみてはいかがでしょうか。

どんなに正しいように見える意見に対しても、必ず何かしらの反論はできる。

つまり、いくら考えたとしても、絶対的な正解はいつまでたってもでない。

だから、行動をしたいのならばどこかで考えるのをやめることが「論理的に」正しいことである、という具合です。

どこで考えることをやめるか

じゃあどこで考えるのをやめて行動するべきなのだ、と思われるかもしれません。

実はそれには答えはありません。

そうすると結局のところ、考えるのをやめるタイミングは「なんとなく」とか「直感」といった、極めてファジーなものによって決まります。

頭が良く、真面目な人ほどこういったいい加減なスタンスを嫌うかもしれません。

しかし、残念ながら世の中のすべてが論理で割り切れるものではありません。 ときにはこのようないい加減なスタンスでなければ乗り越えられない局面があるのです。

なんとなくを許可する

もちろん、なんとなくの行動で致命的な傷を負ってしまったり、直感で行動して人に迷惑をかけたりするのはよくないことです。

その意味で、自分の行動が、自分や他人に対してどのような影響を与えるのかをしっかりと考えることは必要です。

決して「なんとなく」や「直感」のみで行動するという思考放棄を勧めているわけではありません。

しかし、頭がよくまじめな人であるならば、論理的思考をしっかりとやり抜いたはずです。

だからこそ最後の最後には、自分の行動やそのタイミングを「なんとなく」、「直感」で決めることぐらいは許可してもいいのではないでしょうか。 すべての行動に理由が必要なわけではないのです。

まとめ

今回の記事は、頭が良くまじめな人ほど「考える」という段階におぼれてしまうという話でした。

そして、行動に移すためには、最後は「なんとなく」や「直感」で動く必要があるということを理解しなければならない、ということでした。

考えすぎて行動できないあなたは、自分を縛っているものの正体を知り、そこから離れていきましょう。  

参考にしていただけると幸いです。

考えすぎる性格の人が行動するために知ってほしいこと” への9件のフィードバック

  1. つい直観で動きます
    論理が実践できないのです
    両方を使いこなせる必要があるんですよね

    1. コメントありがとうございます。

      どのような自分になりたいのかにフォーカスすればよいのではないでしょうか。

  2. 初めまして。
    私は考えてすぎて結局答えが出せない人間です。今高3でほんとうはクリエイティブな仕事がしたいけど、なにがしたいかがはっきりしていなくて進路を迷っています。

    あれもこれもしたい性格なのですが1つが選べません。今のままだと上記の彼のようになりそうで不安を感じます。
    論理的に答えを出そうとしても出せないものなんですかね。。。
    飽き性なところもあいまって何を選ぶのも自信がなくなってきています。
    直感ってなんなのでしょうか。

    1. コメントありがとうございます。

      自己責任であれもこれもやってみればよいのではないでしょうか。

  3. どこかで考えるのをやめなければ確かに永遠と考え続けることになりますね。
    自分は考えすぎる性格で、結論が出ないと行動できなくて今大変な状況です。
    うまくいかなくなったら手足が動かなくなったり鈍くなったら
    このまま永遠と考え続けるのか、考えるのはやめて行動に出てみるのか
    自問自答してみます。
    答えが出ているのに行動できないってなんて愚かなんでしょう。

    1. コーチングにおける重要なプリンシプルをひとつ紹介いたします。

      WE ACT LIKE THE PERSON WE KNOW OURSELVES TO BE.
      私たちは「自分はこういう人間だ」と思った通りに行動する

      ご自身はご自身のことをどういう人間だと思っているでしょうか。
      考えてみると何かヒントが得られるかもしれません。

  4. 僕は高1の男性です。数学で証明されている、
    定義の成り立ちを知りたくなり、
    その定義を知りたくなります。
    考えすぎて、気づいたら、
    ユークリッドの原論の公理まで
    考えてました。
    また、行動や思考でも、
    どうしてその行動や思考に至ったのかが
    知りたくなり、超論理的に考えてしまいます。そこで、気づいたのは証明できる
    物事は数少ないということです。
    しかし、この事も証明出来ないわけですが。
    これらの事を考え過ぎる故に、
    勉強時間が減る事がよくあります。
    将来こんなことは必要ない事は理解してます。もしかしたら、勉強して結果が出ない事
    を恐れて考え過ぎてしまってるのかも
    知れません。この性格は直すべきなのか、
    または、徹底的に考えるべきなのかなどの
    アドバイスをお願いします。

    1. はじめまして、コメントありがとうございます。
      あなたにとっての勉強とは何でしょうか。
      将来とは何でしょうか。
      将来に必要なものとそうでないものとは、どういった基準で決まっているのでしょうか。
      そういった問いかけを自身に向けてみてはいかがですか。

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