あなたには「こうなってほしくない」ことはあるでしょうか。
・病気になりたいくない
・貧乏になりたくない
・仕事で失敗したくない
・恋人に振られたくない
・受験で失敗したくない
・友達に嫌われたくない
「こうなってほしくない」ことはたくさんあるでしょう。
「こうなってほしくない」とは厄介なもので、望ましくないものなのにもかかわらず、いやにリアリティーを伴って迫ってきます。
そして、その人の不安や恐怖を煽ります。
不安や恐怖に追い立てられるように、「こうならないように」行動を繰り返します。
行動を繰り返したとしても、「こうなるかもしれない」は可能性の話なので、可能性をゼロにすることはできません。
だから、不安や恐怖は消えず「こうならないための」行動を続けます。
実は人間には、見たものへと進んでいくという性質があります。
ここで言う見たものとは、いまマインド(mind)の中で主流を占めている映像のことで、それをドミナントピクチャー(dominant picture )といいます。
マインドの中にあるドミナントピクチャーへと向かっていくという人間の性質を目的的志向(teleorogical)と言います。
目的的志向においては、見たものが良いか悪いは関係がありません。
ただ見たものへと進んでいくのみです。
「こうなりたくない」ことを恐れ、それを解消するような行動を繰り返したとしても、「こうなりたくない」がドミナントピクチャーである限りは、かえって「こうなりたいくない」の方向に進んでしまうということです。
ではどうすればいいのでしょうか。
まずはじめに思いつくのは、「こうなりたくない」というドミナントピクチャーを消せばいいということです。
確かにその通りです。
しかし、ただ「こうなりたくない」というドミナントピクチャーを消そうとするだけでは、結局は元に戻ってしまいます。
人間には、現状を維持しようという性質が備わっているからです。
そこで必要になるのは、「こうなりたくない」のかわりに「こうなりたい」を見るという発想です。
それまで主流となっているドミナントピクチャーのかわりとなる新しい映像を、リプレイスメントピクチャー(replacement picture)といいます。
あなたにとって「こうなりたい」というリプレイスメントピクチャーを作り、それまでの「こうなりたくない」というドミナントピクチャーのかわりに見るべき映像を用意します。
そしてあとは、ただひたすら「こうなりたい」映像だけを見るようにします。
そうすれば、やがて「こうなりたい」がドミナントピクチャーとなり、あとは目的的志向がそちらの方向へとあなたを運んでくれることでしょう。