お金がないから何かを諦めた経験があるという方は少なくないと思います。
これは実にもったいないことです。
世の中ではやりたいことがなくて悩んでいる人がいます。
そういった人のことを考れば、やりたいことがあるということだけで幸せだとわかるでしょう。
にもかかわらず、お金という理由で諦めざるをえないとしたら、やはりそれは残念なことなのです。
そこで、収入を増やそうという発想が出てきます。
しかし、いざ収入を増やそうと動いてみても、なかなかうまくいかないというのが現実なのではないでしょうか。
コーチング理論から考えられる原因を言うならばこうです。
収入を増やす方法ばかりに目がいってしまい、自分のマインド(脳と心)を変えることに注目していない
そこで今回は、コーチング理論に基づいた収入を増やすためのマインドの構築法をお伝えしたいと思います。
また、収入を増やすマインドができあがれば、必ずあなたを邪魔する存在が現れます。
その詳細と対処法についてもお伝えしていきます。
日本人の平均年収
まずはこのグラフを見てください。
netgeekより引用
このグラフは、国税庁による民間給与実態統計調査をもとに作成されたものです。
データによると、日本人全体の平均年収は414万円ということでした。
これは職業、年齢、性別など関係なく算出したデータです。
男女別の平均を見てみると、男性の平均年収が511万円、で女性の平均年収が272万円でした。
女性は結婚して専業主婦になる人が多く、その後社会復帰したとしても、キャリアを積んだ男性ほどには収入は得られることは稀だからでしょう。
年代別にみると、男女ともに年齢とともに上昇し、50歳あたりをピークに下降していくということがわかります。
こまかい数字はともかくとして、自分の収入が日本社会においてどのくらいなのかがお分かりいただけたでしょうか。 次項からは収入を増やすマインドの構築法を紹介します。
収入を増やすマインドの構築法
始めに言葉ありき
「始めに言葉ありき」という言葉をご存知でしょうか。
新約聖書「ヨハネによる福音書」第1章にある有名なフレーズです。
言葉とは神のことであり、すなわち、この世界は言語によって成り立っているという考え方です。
コーチングにおいてまず一番最初に考えることは、ゴールの設定です。
その意味では、「はじめにゴールありき」とでも言えるでしょう。 ゴール設定が重要であることは、収入を増やすということに関しても同様です。
ゴールの大きさ
ゴールの設定方法には原則があります。
そのひとつに、「ゴールは現状を大きく超えるものにしなければならない」というものがあります。
たとえばあなたが会社に勤めるサラリーマンだったとします。
そして、現在の年収が400万円であるとしましょう。
コーチングを学び、ゴールを設定することの大切さを認識したあなたは、年収800万円をゴールにしようと考えたとします。
いまの年収の2倍です。
残念ながらこのケースでは、ゴール設定できたとは認められません。
ステータス・クオ
現状のことをコーチングでは「ステータス・クオ」と言います。
実はコーチング用語におけるステータス・クオとは、「現在の状態が理想的な状態として続いた未来」も含んだ概念なのです。
つまり、今のまますべてがうまくいった場合の未来もステータス・クオと呼ぶということです。
一般の会社において年収800万円はそうあり得ない金額ではないでしょう。
確かに簡単ではないかもしれませんが、現在の状況が理想的に進んでいけば十分達成可能なゴールです。
その意味で年収800万円というゴールは、完全にステータス・クオの内部にあると言えるでしょう。 コーチングではこれをゴールであるとは考えないのです。
適切なゴールの大きさとは
コーチングにおけるゴールとは、「現在の状況では構造的に達成不可能なもの」です。
もしあなたが会社に勤める年収400万円のサラリーマンだとしたら、せめて1億円くらいでなけれなゴールを設定したと呼べません。
大手の会社であれば、役員報酬で数千万円に上ることもざらにあるからです。
もし1億円の年収を達成しようとするならば、仕事を変えるなりの何らかな構造上の変化を起こさなければなりません。
これこそがコーチングにおけるゴールなのです。
とにかくまずは、自分の年収のステータス・クオを大きく超えるような金額をゴールとして設定しましょう。
エフィカシーを上げる
さて、うまくゴールは設定できたでしょうか。
次に行っていただきたいのは、「エフィカシー」を上げるということです。
エフィカシーとはコーチングの用語で「ゴールを達成するための自己の能力の自己評価」のことです。
エフィカシーとはあくまで自己評価なので、いくらでも自分で上げていいものです。
大きなゴールは不安定な感情を生む
ここまで読み進めていただいた方は、ステータス・クオを大きく超えるような金額のゴールを設定していただいたはずです。
その金額がどのくらいにせよ、必ずそのゴールに対して居心地の悪さを感じているはずです。
「自分にはこんな金額に見合った仕事ができるはずがない」とか、「こんな年収のことを想像するだけで怖くなってくる」といった気持ちが湧いてきているかもしれません。
そういったなんとも言い難い不安定な気持ちを抱いていたとしたら、あなたは上手にゴールを設定することができています。
設定直後にもかかわらず「こんなゴールは余裕でしょ」と感じていたとしたら、とステータス・クオの内側にゴールを設定している可能性があります。
もっと高い年収をゴールに設定してみましょう。
エフィカシーがないとどうなるか
エフィカシーを上げるということは、大きなゴールを設定したのちに湧いてくる不安定な気持ちに対し、「このゴールを達成する能力が自分にはある」と考えるようにするということです。 エフィカシーには根拠はまったく必要ありません。 それはいわば、強い決心のようなものです。 もしエフィカシーがないままでは、あなたは不安定な気持ちをずっと抱え込むことになります。 人間は不安定な状態を長く維持することはできないので、ゴールを下げることによって不安定な気持ちを解消してしまうことになるでしょう。 「年収1億円は難しそうだから、まずは年収1000万円を目指そう」などと考えてしまうのです。 このことから分かるのは、エフィカシーとは、不安定な気持ちが湧くくらい大きなゴールを維持する「杭(くい)」のようなものであるということです。
ここまでの話のまとめ
ここまでの話をまとめてみましょう。
年収を増やすためには、
1:ステータス・クオの外側にゴールを設定する
2:エフィカシーを上げる ということでした。
*ゴール設定に関してはこちらを参考にしてください
*エフィカシーをあげることに関してはこちらを参考にして下さお
次はあなたの年収アップを邪魔する存在について説明します。
あなたの年収アップを邪魔する存在
さて、これであなたが年収を増やすための準備は完了です。
あとは楽しみにその時がくるのを待ちましょう。
と言いたいところですが、ひとつだけ注意点を伝えたいと思います。
それは、あなたが現状では達成不可能な収入をゴールに設定し、エフィカシーを上げ、ゴール達成のために進み始めると、必ず邪魔をする存在が現れるということです。
最後にそれについて説明したいと思います。
ステータス・クオを超えるゴールを設定すると何が起こるか
あなたは1人でこの世の中に存在しているわけではありません。
あなたが誰であれ、だれか特定の人と人間関係を結んで生きているはずです。 親、兄弟、配偶者、友人、同僚、立場はそれぞれですが、そういった人間関係が皆無であるという人はあまりいないでしょう。
あなたがステータス・クオの外側にある年収をゴールに設定すると、必ず不安定な気持ちに襲われるということを書きました。
実は、この不安定な気持ちは、あなたのまわりにいる人も感じてしまうのです。
具体的に説明しましょう。
あなたが年収1億円をゴールをに設定したとします。
そしてあなたの親にそれを伝えたとします。
するとほとんどの場合あなたの親は、「そんな非現実的な生き方よりも、堅実な生き方をしなさい」などと言ってくるでしょう。
また、設定したゴールをあなたの友人に伝えたとします。
すると、多くの友人は「そんな夢みたいなこと言ってないで現実を見ろよ」などと言ってくるでしょう。
これらの発言は、一見もっともな発言のように思えますが、実はそうではありません。
あなたが大きなゴールを設定し、それを達成すること以上に価値のあることはないからです。
身近な人がゴールを否定する理由
なぜ親や友人はそのように言うのでしょうか。
それは、あなたがステータス・クオの外側に行こうとすることそのものが、親や友人にとっては現状を破壊される行為だからです。
ステータス・クオの外側にゴールを設定したことが、あなたの身近な人を不安定な気持ちにさせているということです。
あなたのまわりにいる人たちにとって気持ちがいいのは、昨日までの年収400万円のあなたなのです。
ということは、上記の発言は、親や友人自身が現状を壊されることを嫌がった結果出てきた発言であるといえます。
そして、恐ろしいことに、こういったあなたを現状にしばりつけようとする発言は、あなたにとって身近な人ほど言ってしまうものなのです。
このような、あなたの設定したゴールの達成を否定し、破壊しようとする存在のことを総称して「ドリームキラー」と言います。
ドリームキラーに邪魔させないために
ドリームキラーにあなたのゴールを邪魔させないための対策は簡単です。
自分のゴールを周囲の人に言わなければいいのです。
ゴールを黙っていれば、そのゴールを周囲の人が否定することは難しいでしょう。
もちろん、状況が変わっていけば、いつかは伝えなければならないということは起こるでしょう。
たとえば、年収を大きくアップさせるために、今の会社を辞めて独立したいと考えたとします。
あなたに配偶者がいたとすれば、それを最後まで黙っておくことは難しいでしょう。
しかし、配偶者に伝えるまでに、あなたの中に揺るぎない確信をつくっておけばいいのです。
エフィカシーを毎日高め続け、しっかりとした確信とともに大切な人に伝えればいいでしょう。
いくらドリームキラーと言えども、相手の確信がドリームキラーの不安を吹っ飛ばすくらいに強ければ、相手に迎合するものなのです。
コーチの役割とは
ちなみに、自分の設定したステータス・クオの外側のゴールを、はじめから言ってもよい相手が1人だけ存在します。
それはプロのコーチです。
クライアントのゴール設定を促し、それを達成するためのマインド(脳と心)を作るためのバックアップをするのがコーチの役割です。
当然のことながら、クライアントがどれほど大きなゴールを設定したとしても、絶対に否定することはありません。
むしろもっと大きなゴールの可能性を示唆するほどです。
それはコーチが、他人のドリームキラーにならないための訓練を徹底的に積んでいるからです。
もし幸いなことにあなたのそばにコーチがいたとしたら、年収をアップさせるためのゴールについて相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
この記事では、年収を増やすためのマインド(脳と心)の構築法について解説しました。
ステータス・クオを大きく超えるようなゴールを設定し、エフィカシーを高めるということでした。
そして、ドリームキラーにゴール達成を邪魔されないために、基本的にはゴールを黙っておくということでした。
参考にしていただけると幸いです。