ライフコーチング

自己中な人は悪くないと認めるところからはじまる自己中な人対策


やさしくて真面目な人が陥りがちな人間関係の悩みがあります。 自己中心的なタイプの人に振り回されてしまうということです。

ある人は言いました。 「いつもいつも自己中な人に振り回されてばかりなんです」 また別のある人は言いました。

「けっきょくああいう人たちはわたしの気持ちをわかってくれない」 このような自己中な人に苦しめられている人にたくさん出会ってきました。

なかには極めて同情すべき、過酷な状況であった人もいました。

ところで、そういった人たちを多く見ていて気がついたことがあります。

実は彼ら彼女らは、あるひとつの能力が欠如しているからこそ自己中な人に振り回されるのでは、ということです。

この記事では、そのひとつの能力とは何かを明らかにし、どうすれば自己中な人に振り回されないで生きていけるかについて書きたいと思います。  

 

自己中な人に振り回された例

こんな例がありました。

かつてある女性から聞いた話です。

その女性には交際をはじめて3ヶ月になる男性がいました。 男性は、付き合い始める前は紳士的で、ものわかりのいい人だったそうです。

ところが、付き合い始めてしばらくたつと、だんだんと本性が見えてきました。

たとえば、自分がその女性に会いたいと思ったら、こちらの予定などおかまいなしに会おうとしたそうです。

予定があるので無理だと伝えると、不機嫌になります。 仕方がないので女性は、予定をキャンセルして男性と会うことにしました。

その予定は親友との大切な約束だったのですが、男性が強く言う以上仕方がありません。 女性は待ち合わせの指定があった場所へと着き、男性を待ちました。

ところが、約束の時間になっても男性は待ち合わせ場所に現れません。

どうしたことかと思いながら待っていると、連絡が入りました。

別の用件が入ったから今日は女性とは会えない、と男性は言いました。 電話越しに男女が大騒ぎするような声が聞こえてきたそうです。

その女性は何度もそういったことを繰り返されました。 それがストレスになってしまい、最近では携帯電話に彼の名前が表示されるだけでつらい、と言っていました。

 

自己中な人は悪なのか

さて、この具体例に登場する男性は、典型的な自己中心的な性格のようです。

読んでいるだけで腹が立ってくる例だと思います。

こういった場合をどのように考えていくかといえば、その男性の行為に正当性があったのかどうかを掘り下げていくのが普通でしょう。

上記の文章を読む限り、明らかに男性が女性にひどいことをしているように見えます。 しかし、本当にこの男性のような自己中な人は悪なのでしょうか。  

 

自己中な人が悪であるかどうかは決められない

もちろんこの男性は悪ではない、とは言えません。

しかし、悪であるとも言えないのです。

つまり、この男性は悪かという問いに対する答えは「わからない」が正解です。 たとえばその男性にこういうことがあったとしたらどうでしょうか。

電話越しに聞こえる声は、男女が喧嘩する声であったとしましょう。

そして、その男女は、男性の旧知の仲であり、どうしてもその仲裁をしなければならない状況だったのかもしれません。

彼女になんとか連絡はいれたものの、心配させたくないと思ったため、詳細については説明をしなかったのです。

こう考えてみると、男性のとった行動が悪であるとは決めづらいのではないでしょうか。

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相手が悪かどうかを考えることは不毛である

とはいえ、実際にそういうことがあったわけではないでしょう。

男性は、人の気持ちがわからないろくでなしだったのだと思います。 今回とりあげたような出来事ははじめてのことではなかったからです。

しかしここで言いたいのは、どんなにろくでなしに見える自己中が相手であったも、相手には自分のうかがい知れない正しさでもって動いているのかもしれないということです。

その正しさのことは価値観と呼ばれます。

価値観をこちらの都合で悪であると片付けることはできません。

悪であると決めることが不可能である以上、男性の行為が悪であるかどうかを考えることは不毛であるということになります。  

 

悪とは何か

ちなみに、ここでいう悪とは決まりごとを逸脱する行為のことを言います。

決まりごとの最たる例は法律になります。

さきほどの例でいえば、約束を破ったのは決まりごとを逸脱したことになるのではと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

確かに口約束は法的には有効であると考えられます。

れっきとした契約とみなされるのです。

しかし現実的に、口約束が実際にあったことを立証するのは不可能であるため、事実上無効となってしまいます。

よって上記の例の男性が決まりごとを逸脱したと考え、悪であると決めることはやはり難しいのです。  

 

相手ではなく関係に注目する

ではこの女性は泣き寝入りをしなければならないのでしょうか。

そうではありません。

事実この女性はつらい思いをしているわけですし、それを我慢しろというわけではありません。

男性が悪であるという見方、悪であるかどうかという見方を一度やめるべきであると言っているのです。

そういう視点をずらし、自分がつらい思いをしているこの「関係」がよくないのだ、と考えてみましょう。

「関係」とは、「わたし」と「あなた」のひとつ上のものの見方です。

相手が悪であるかどうかは決めることはできませんが、自分がつらい思いをしているという「関係」の存在は疑いようがありません。  

 

関係を変えることで自己中な人に対処する

そのような視点を持つことで、対処法が見えてきます。

自分につらい状況を生み出すこの関係を変えればよいということです。

関係を変える例としては、この男性との間に距離を置くという考え方があります。

自己中な人との付き合い方を指南する文章において、もっとも多く勧められる解決方法がこれでしょう。

また、逆に男性にもっと献身的につくしてみる、という関係の変え方もあります。

そうすることで、男性が自分の愚かさに気づき、行動を改めてくれるかもしれません。

どういったやり方が正しいかは別として、このように関係を変えてしまえば、自己中な人に振り回されるという関係はなくなっていくでしょう。

自己中な人に振り回されているあなたは、さっそくその相手との関係を考え直し、いろいろと試してみましょう。  

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関係を変えることだけでは解決しない問題がある

さて、自己中な人の関係を変えれば問題がすべて解決かといえば、それは疑問です。

いったいどのような問題が残るというのでしょうか。

それは、同じような人間関係を繰り返すおそれがあるということです。

たしかに自己中な人に振り回されたとき、相手の関係を変えれば、一時的に問題は解決するでしょう。

しかしその後の別の人間関係において、ふたたび自己中な人に振り回されることが起こるかもしれません。  

 

関係の自分の側を変える

これは、自己中な人に振り回されるあなた自身が大きく変わっていないからです。

自己中な人に振り回されるあなたとは、自己中な人に振り回されることを許容するあなたです。 自己中な相手との間にある関係は、半分はあなたが作っていることです。

そのあなたが変化しないままだと、似たようなことを繰り返してしまうことになるのです。

ということは、自己中な人を許容してしまうあなた自身を変えなければ、本当に問題は解決したとは言えないということです。  

 

なぜ自己中な人に振り回される関係をあなたは選ばされるのか

あなたはなぜ自己中な人に振り回される関係を選んでしまうのでしょうか。

それは自分で物事を選択するということができていないからです。

そんなことはありませんちゃんと自分で選択して生きています、と思われるかもしれません。

しかし、ほんとうにそうでしょうか。  

 

すべてを自分で決める能力を持つ

もしあなたが自分で選択をすることができるのであれば、相手から無理なことを要求されたとき、できないことはできないとはじめからきっぱりと伝えるはずです。

できないこと、やりたくないことを相手から要求されたのにも関わらず、それに流されてしまうからこそ振り回されてしまうのです。

相手はもしかすると、自分の主張をはっきりと伝えるタイプなだけで、実は自己中心的な性格ではないのかもしれません。

あなたが相手の主張をただただ受け入れるからこそ、あなたにとって自己中な人になっているということはおおいにあり得るのです。  

自分の意見をしっかりと持ち、自分で選択をすることを意識しましょう。

関係を変えるという「選択」を一度はしたあなたならできるはずです。

そうすれば、相手と対等な関係を築くことができ、今後人間関係に振り回されることはなくなるでしょう。  

 

(補足)自分で選択できる自分をつくるために

自分で選択をできる自分をつくるためには、目標設定と自己評価が重要です。 ゴール設定と自己評価に関しては、こちらの記事を参考にしてください。

 

「コーチング理論から考える正しい目標設定の方法」

「コーチング理論から考える一歩先に進んだ目標設定の方法」

「自分に自信が持てない人のための処方箋(基礎編)」

「自分に自信が持てない人のための処方箋(発展編1)」

「自分に自信が持てない人のための処方箋(発展編2)」

 

まとめ

この記事は、自己中な人に振り回されて困っている人がどう考えるべきかについて説明しています。

そういう人は、「自分で選択をする」ということをできるようになるべきである、ということでした。

参考にしていただけると幸いです。

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